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アジア紀行~ベトナム・ハノイ④~

ハノイ観光スポット巡り

ハノイに来て今日で早くも5日目になる。そして今日も雨。
旅に出て、これほど雨が続いたことはない。嘆いてもしかたがないので、今日はちょっと足を伸ばして、ハノイの観光スポットと言われている場所に行くことに決める。移動はタクシーを使う予定。

一柱寺とホーチミン博物館・ホーチミン廟

まず最初に向かったのは「一柱寺」という寺院だ。正式名は「延祐寺(Diên Hựu)」だが、蓮池の中に一本柱で建つ楼閣があることから、「一柱寺」と呼ばれている。

創建は今から1000年ほど前の李朝の時代という。この楼閣は蓮の花に見立てて造られたとか。寺院は長い歴史の中で何度も興亡を繰り返し、この楼閣も20世紀中頃の抗仏戦で破壊されてしまう。現在のものは、その後再建されたものだ。
お堂の内部には「蓮華臺」と書かれた額が掲げられ、黄金の観音菩薩像が祀られていた。

ホーチミン博物館は、一柱寺からすぐ近くにある。
ホー・チ・ミンは、ベトナムの植民地時代からベトナム戦争までベトナム革命を指導した建国の父である。ここは、ホー・チ・ミンと革命闘争に捧げられた博物館で、彼の遺品・愛用品、革命の歴史の展示などをしている。

ホーチミン博物館は、今まで見てきた戦争博物館とは違った。テーマはよく似たものだが、展示の仕方がおもしろい。美術館的な要素を多く採り入れている。

大きな博物館なので、見応えがあるが、11時半を過ぎた頃に係の人が早く出るようにせかし出す。最初の部屋の方から、徐々に証明が消えていく。なぜなのかわからぬうちに、11:45、ついに館外に追い出されてしまった。
 何?これ!
外に出て入場した玄関に戻って、開館時間を確かめると、
 開館  8:00~17:00
 火・金 8:00~12:00
何と昼までの日がある。そしてこの日は火曜日! 知らなんだ!
それにしても、追い出し早すぎる。これもベトナム時間なのかな。

博物館のすぐそばに、ホー・チ・ミンが眠るホーチミン廟がある。ここも内部の見学ができるそうで、大勢のベトナム人が訪れる場所らしい。しかし今は人がいない。開館時間は午前中で、今の時期は10:30に終了という。ちょっと早すぎない?
しかたがないから、衛兵が守る正面と裏側から写真を撮っておく。正面には大きな広場があり、裏側はきれいに整備された公園になっている。

ホーチミン廟の北側に、黄色い大きな建物が見える。ここが大統領府だ。フランス植民地時代の1906年に、総督官邸として建設された。現在は国賓を迎え謁見する場として使用されている。

タイ湖(西湖  Hồ Tây)

小雨の降る中、大統領府からさらに北に向かうと、湖に出た。タイ湖(西湖)だ。湖畔にあるクアンタン寺(鎮武観)は、ハノイの町の北を守るお寺である。湖岸には白鳥ボートがひしめいているが、乗っている人は見かけない。大きな観光船も停泊している。

湖岸では釣りをしている人がいる。湖に小舟を浮かべて魚を捕っている人も見える。

湖に浮かぶ小島にも古いお寺がある。島といっても、地続きでお参りすることができる。チャンクオック寺(鎮国寺)という寺院で、もとは6世紀にホン川(紅川)のほとりに建立されたが、17世紀に現在の地に移されたそうだ。

境内に入ると、ひときわ目立つのが赤い仏舎利塔だ。高さは15mあるそうだ。数えてみると、十一重の塔だった。

塔の前にはお供えが置いてある。南の国の果物だ。

真ん中にあるのは「仏手柑」。一度食べてみたかった。

次の写真はベトナムの盆栽。「ホンノンボ」というそうだ。「ホン」はベトナム語で「島」を意味し、「ノン」は「山」、「ボ」は水である。
ベトナムにも盆栽があるとは知らなかった。調べてみると、盆栽のルーツは中国の「盆景」だそうだ。それが平安時代に日本に伝わったらしい。中国からベトナムに伝わるのも当然だ。

文廟(孔子廟)

タイ湖(西湖)を後にして、今度は文廟に向かう。湖畔から2kmほど南になるので、タクシーに乗った。38,000ドン。200円ぐらいだから、日本でバスに乗るようなものだ。
文廟というのは、孔子を祀るベトナム最古の大学跡である。

いつの間にか雨はすっかり上がり、青空がのぞいて日が照り出した。ベトナムに来て5日目にして、やっと空が晴れた。うれしいけれど、暑い!
文廟は、1076年にベトナムで初めて大学が開設され、700年間続いた場所だ。阮朝(グエン朝)時代のベトナムでは、中国と同じように科挙(高級官吏の登用試験)が行われ、境内の石碑には、大勢の科挙試験の合格者の名前が刻まれている。

もちろん孔子様も祀られている。

文廟を出ると、塀際の木陰で、散髪をしている人がいた。ここなら髪の毛が地面に落ちても問題なしかも。

今日は昼ご飯を食べていない。暑くて、冷たいものばかり欲しくなる。何か食べなくてはと思って、文廟の近くを歩いてみるが、いい店が見つからない。もう午後4時だし、ウロウロするよりは、そろそろホテルに戻ったほうがよさそうだ。
手を上げてタクシーをとめる。道はわからないが、なんだか遠回りしているようで、時間がかかる。料金は、行きの倍以上の8万ドンだった。運転手に10万ドンを渡すと、お釣りは1万5千ドン。
 100,000ー80,000=15,000?
これがベトナムのタクシーの現実だ。慣れたけど・・・。

今夜、ハノイを発って、サパに向かう予定。

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