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神戸市立小磯記念美術館・特別展「秘蔵の小磯良平ー武田薬品コレクションから」~展覧会#19~

神戸市立小磯記念美術館

小磯良平(1903~1988)は、昭和を代表する神戸市出身の洋画家です。昭和63年に亡くなった翌年、油彩・素描・版画などの約2,000点の作品が、アトリエ・蔵書・諸資料と共に、遺族より神戸市に寄贈されました。これらの作品を展示・保存・調査研究し、その画業を顕彰することを目的として、平成4年(1992)に、六甲アイランドに開館したのが、神戸市立小磯記念美術館です。

アトリエは復元されて、美術館の一部になっています。

武田薬品コレクション

小磯良平は、武田薬品工業株式会社の六代目武田長兵衞(1905~1980)と親しく、戦前に出会ってから、亡くなるまでその交流は続きました。武田薬品の美術コレクションには、小磯良平の重要な作品が含まれていました。
今回の展覧会は、この武田薬品のコレクションを神戸市立小磯記念美術館に寄託したことを記念して開催されました。展覧会では、油彩及び素描作品あわせて約40点と、機関紙『武田薬報』の表紙画として、1956年から約13年間描き続けられた薬用植物画、約150点が展示されています。

I.武田コレクションの形成
II.戦争、終戦、アトリエの再建
III.販売促進とブランドイメージへの貢献
Ⅳ.制作のための取材協力−旅に日常に
Ⅴ.薬用植物画を描く―『薬用植物画譜』の刊行

展覧会は、六代目武田長兵衞と小磯良平との交友を縦軸にして、それぞれの時期やテーマに沿って広がりを見せています。
今回の展覧会で特徴的なのは、武田薬品のコレクションということで薬用植物画が多数展示されていることです。約150点の植物画は、どれも精緻を極め、とても丁寧に画紙の上に再現されています。これらの植物画は、後に『薬用植物画譜』として刊行されました。

なお、小磯作品は、兵庫県立美術館にも約500点所蔵されており、館内の小磯良平記念室には、常時数十点が展示されています。これらの作品は、兵庫県立美術館でコレクション展が開催されているときに見ることができます。コレクション展は、1年のうち10ヶ月ぐらいは開かれているので、たいていの場合、鑑賞可能です。





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