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大阪市の神社と狛犬 ⑱生野区 ⑤田島神社~ニコちゃん大王似の狛犬~


大阪市生野区の地図と神社

大阪市には、現在24の行政区があります。生野区は大阪市の東南部に位置し、北は東成区、西は天王寺区、南は阿倍野区・東住吉区・平野区、東は東大阪市と接しています。区名の「生野」は、「生野長者」の伝説にちなんで付けられています。
今回は田島たしま神社に参拝します。大阪メトロ千日前線の北巽駅または南巽駅から、いずれも西に1.5kmほどの地に鎮座します。


田島たしま神社

■所在地 〒544-0011 大阪市生野区田島3-5-34
■主祭神 少彦名命
■由緒  詳しい由緒は不明だが、境内に「貞享元甲子歳(1684)」と刻まれた石燈籠があることから、それ以前の創建であることがわかる。古い社宝や神額には、「南無天満大自在天神」や「天満宮」「天神社」とあり、元々は菅原大神が主祭神であったようだ。現在の主祭神の少彦名命は、後に勧請合祀されたと考えられる。
明治42年(1909)に、現在の田島神社という社名に改称された。

拝殿と狛犬

狛犬

■奉献年 寛政六年甲寅秋八月(1794) 
■作者  不明
■材質  花崗岩
■設置  拝殿前

寛政6年奉献の浪速狛犬(阿形)
吽形台座紀年銘


台座に「寛政六年甲寅秋八月乙■朔」という銘がある。寛政六年は1794年である。阿形の台座正面に「大坂願主 日野屋仁兵衛」、吽形の台座正面には「大坂願主 羽田筑前」と記されている。

寛政6年奉献の浪速狛犬(阿形)
寛政6年奉献の浪速狛犬(阿形)
寛政6年奉献の浪速狛犬(吽形)
寛政6年奉献の浪速狛犬(吽形)
寛政6年奉献の浪速狛犬

一度見たら忘れられない特徴のあるお顔である。太い眉の中央が小さく巻いていて、思案顔に見える。吽形の頭上には盛り上がって突き出したような角がある。太い眉の下の目は丸く飛び出して瞳がある。阿形の口は横に大きく開いている。鼻は目立たない。阿吽ともややうつむき加減に斜め前方を向く。尾は扇形に九葉(阿形は1ヶ所欠損)に開き、先は渦巻き状の巻毛になっている。

寛政6年奉献の浪速狛犬の顔
寛政6年奉献の浪速狛犬


田島神社の境内

〈境内末社の狛犬〉

拝殿に向かって左手前に、境内社が2社並んでいる。左側が伊弉奈岐命神社、右側が素盞烏尊神社である。小祠の前に小さな石造狛犬が安置されている。

伊弉奈岐命神社
素盞烏尊神社


〈ご神牛〉


〈石田太次郎謝徳之碑と眼鏡レンズ発祥之地碑〉

境内に珍しい石碑があった。この田島の地は 明治から昭和にかけて、国内有数の眼鏡レンズの生産拠点だったそうだ。石碑に刻まれた石田太次郎は、田島村生まれで、丹波でレンズ研磨の技術を習得し、安政4年に田島村にその技術を紹介した。以降この地は国内有数の眼鏡レンズ生産地として隆盛を極めたという。
注連縄が眼鏡の形になっていて面白い。


似てる?

Dr.スランプに登場する地球外生命体「ニコチャン大王」を連想しました。



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