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きっかけ


はじめまして。
 私は日本の会社に就職し、そこからフランスに出向し、現在2年程度経った者です。

『海外で働くってどんな感じ?』
これが私のnoteのテーマです。

私は会社員をやるなら海外駐在をしてみたいとずっと思っていました。
そして、海外でどんな仕事をするかと同じくらい、いやそれ以上に、

そこにどんな喜びや感動があるのか、どんな驚きがあるのか、どんな悩み・苦労・葛藤があるのか、どんな成長を感じられるのか、その裏にあるリアルな手触りのある毎日の悪戦苦闘と四苦八苦、そこから生まれるストーリー、感情、学びが人生を豊かにしていく様子を求めていました。

なぜなら、仕事は人生の目的ではなく手段であり、仕事とその環境を通じて自分がどうなりたいのかを可能な限り具体的にイメージしてみたかったからです。
がむしゃらにやって(生きて)、結果得たものはこれ、というあり方もあってよいと思います。
でも私は選択肢を知り、ワクワクする、それに向かって進む。そういうことをやりたかったのです。

しかし、就職活動をしていく中で、こういう「リアルさ」と出会うことは結局できませんでした。

そもそもこういう類の話は就活とセットで情報を得ようとしなくてもいい、他の手段もあるはずだと思い、当時海外で活躍する駐在員が書いていそうながブログや日記などを探してみたものの、見つけることもできませんでした。
私の調べ方、足の動かし方が足りなかったのかもしれません。言えるのは、それが私の力の限界だったと言うことです。

今になるとわかりますが、そもそも情報が少ないのは結構当たり前で、駐在員って毎日とても忙しいのです(笑)その中でも数少ない方はブログや日記を書かれていましたが、多くは駐在員あるあるや旅行の話に終始しており、残念ながらそれは私が求めているものではありませんでした。

仮にそういう方にOB訪問などでお会いできたとしても、海外駐在に選ばれるような方ですから、そもそも優秀で忙しい。
短い訪問時間で業務以外のことをゆっくり友達かのごとく聞くこともできません。
加えて、ご自身のことをせきららに話されるのにも好き嫌い、向き不向きも当然あるでしょう。


時を経て現在。会社に入社して9年、2年ほど前に晴れて駐在員になる目標を叶え、自分が日々悪戦苦闘する立場になりました。

時が経つと忘れてしまうのが人の性。
入社当時このようなことを知りたがっていたことなどとうに忘れてしまっていました。
それを思い出させてくれたきっかけは2つあります。
それは亡くなった祖父の人生録と、AIです。

私の祖父は私が幼稚園の時に亡くなっており、その面影はほんの少しだけ記憶に残っている程度です。ですが、私はこれまでの人生でこの祖父との「特別な」繋がりを感じずにはいられずに過ごしてきました。

なぜなら、顔がものすごく似ているから。(笑)
自分が老ければこういう顔になるんだなと納得できる、文字通り他人とは思えない顔をしています。
また、私には兄弟が2人いますが、そのどちらも父方の顔の系譜で、母方の系譜の顔は次男の私だけ。私にとっては、その事実もこの「特別さ」に対する説得力を増しています。

そんな祖父は非常にまめな人間で、Windos95が出た頃、パソコンを買って自分の幼少期から人生録編成時までの一切の記憶を綴って残していました。
この人生録の存在は前から知っていましたが、最近休日を使ってようやく読了したところです。

これを読んでいると、そこに書かれている時系列上の事実のみだけでなく、祖父がそのときそのときでどのような感情を持って生きていたのか、すごく感じることができたのです。

亡くなった人が生き続けるってこういう形もあるんだ。私にとって祖父の人生録はすごく大きな発見を与えてくれました。

AIについては、最近よく観るYoutubeチャンネルの受け売りですが、要は人間が死後も”生きる”一つの形として、オンライン上に残るその人の記憶・感情を集積し、自分が持っている(持っていた)感性を仮想現実上に再現できるようになるだろうというものです。

私の解釈ですが、それはつまり
「34歳の私に⚪︎⚪︎という質問をしたら、その年齢当時の私だったらこう答える(答えるだろう)、40歳の私に同じ質問をしたらこう答える(答えるだろう)」
みたいなことがいずれ出来るようになるのではと思っています。
自分の過去に会い、会話できるようになるんです。

そうすると、「34歳の時はこんなにポジティブなのに、いま50歳の自分は随分ネガティブだな。若者に負けてたまるか」とかいう内省と改善が生まれそうです。
50歳の私が経験や知見で優ったとしても、態度や向上心で劣るあぐらをかいた人間になることは望みません。

よって、その時々のストーリー、感情を残しておくことは、いずれ財産になるのかもしれないなと。

そんなことを考えながら、入社10年目の節目を迎えるにあたって少し振り返りをしていた時に、入社前に考えた先述の思いを思い出したのです。

あの当時見つけられなかったものが、自分をありのまま未来に残す手段にもなり得るなんて面白い。

しかも、もし当時の私と同じようなことを知りたがっている方が少しでもいたのなら、誰かの役にも立てるかもしれない。
それなら、やってみようと思いました。

ということで、これは未来の自分への残し物としての性格が強いので、考えや感情を重視して書くことを優先します。
それが誰かの役に立てば、それほど嬉しいことはありません。
初心忘れるべからず。最初の想いを書き残しました。

週に1度ほど、こういう取り組みをしてみたいと思います。





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