コピー機のレンタルサービスにおける収益認識をリースサービスと比較して解説

1、はじめに

業務のペーパーレス化が推進されていますが、どんな会社にも必須なのがコピー機です。オフィスに欠かせない存在であるコピー機ですが、利用方法にはリースとレンタルがあります。利用者にとってはどちらを選ぶべきか悩むところかもしれません。

本稿では、前半でコピー機のレンタルとリースの基礎知識を示し、後半で新収益認識基準導入による新しい収益認識のタイミングについて解説します。

2、コピー機のリース契約とレンタル契約

リースとレンタルは、他の会社が購入したコピー機を賃借する契約を結ぶという点で共通しますが、いくつか異なる特徴も持ちます。

リース契約は中途解約できず、契約期間が終了した後にはコピー機をリース会社に返却します。中途解約不可というのは大きなでデメリットです。

また、リース契約を結べばコピー機の購入費用を負担せずにすみます。コピー機の購入費用は一般的に100万円〜400万円程度です。これに対してリースを利用すれば毎月の経費は1万円〜3万円程度になります。

このように月々の経費を削減できるメリットはあるものの、最終的なコストは支払う利息の分だけ多くなってしまうことには注意を要します。

レンタル契約は、ごく短期間でも借りることができます。最短で一日だけコピー機を借りられる会社もありますし、通常は数日間から利用できます。

短期間だけコピー機を利用したい場合にはメリットが大きいです。しかも、いつでも解約できます。レンタルの場合は融通がききやすく、希望すればすぐに解約できる会社も多いです。

もっとも、レンタル契約のデメリットとしてはリースよりも毎月の費用が高く、長期で利用する場合には割高となってしまうことがあります。また、コピー機を選択できる幅が狭くなってまい、導入したいコピー機があってもその希望が適わないケースも少なくないです。

3、収益認識のタイミング

新収益認識基準によると、5つのステップを経て収益認識がなされます。つまり、①契約内容の識別、②契約中の履行義務の識別、③契約内容の識別、④収益額の履行義務への配分、⑤履行義務の履行状況の5つです。

コピー機のリース・レンタルサービスで問題となるのは、2点あります。

第一に、履行義務の識別です。コピー機の場合はメンテナンスサービスも含まれるのが一般的ですが、これは本体契約であるコピー機の貸し出しサービスとは区別されます。

第二に収益額の履行義務への配分であり、これはコピー機の賃借料を契約期間に応じて1ヶ月ごとに配分しなければならないこと意味します。契約当初に受領した代金を貸出期間に応じて売上計上することになるのです。

これは現場と経理担当者との連携が必要となり、実務上は意外に面倒な作業になることが予想されます。

4、まとめ

オフィスでコピー機を利用する場合、リースとレンタルのどちらの形式によるべきか担当者が判断しなければなりません。両者の特徴を理解して、さらに新収益認識基準導入に伴う変更点も把握しておくのがよいでしょう。


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