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双子コーデから読み解くファッションに関する考察

最近、インフルエンサーものやSNS、メディア論的なものばっかりだったので、久々にファッションについて書きます。

ファッションというよりも、ファッションから若い人たちの感覚の変化を考えていきます。

僕はWEGOという全国に150店舗近くある若者に人気のアパレルショップで働いていて、若者の情報はだいたいそこに来るお客さんから得ることがほとんどだ。

確か4年くらい前から街でもポツポツ見かけるようになって、雑誌の特集や売り場でも見るようになった双子コーデ。

これは当時衝撃だった。

僕、というよりもこれまでの世代は服は自分の個性を現すものとして考えてる人がほとんどだった。だから人と被るのを嫌がる。メンズは特にそうで、デニムの色落ちを楽しみ、自分にしかないオンリーなデニムパンツを育ててる人が多かった。

双子コーデは、最近の若者が個性がなくなったということを示しているのではなく、服に対してのアプローチが違うっていうことにしばらくして気づいた。

仲のいい友達とお揃いの服を着て、ショッピングに行ったり、そのコーデをSNSにアップしたり。

服は個性を表現するものではなく、イベントを盛り上げる演出のひとつになったのだと思う。

近い感覚でいうとディズニーランドに行ったときに、グッズを買って身に着けているあのイベント演出的なもの。今の若者はショッピングに行くときでさえも、イベント化して非日常に落とし込んでいる。そのための演出部品としてファッションがあると思う。

昔、本だったかインタビューだったかで秋元康さんがAKBの総選挙について、「今の時代は何もかもをイベント化することで盛り上がる。例えばCD販売自体もイベント化することで、エンターテイメントとして成立させられる」的なことを言ってて、ほんとその通りだと思うし、若者はSNSでアップすることで日常をイベント化させているんだなぁと実感しています。

ちなみに一過性のブームかと思ってた双子コーデは今でも人気で、もはや定番化しつつある。韓国ではシミラールックと呼ばれるなど、海外でも人気。

だから双子コーデというのは、ファッションのブームではなく、若者がファッションに対して求めているものが変わってきてるサインだと思っています。


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