小松台東 コマツダイ・EST       ~あなたと、あなたのだいじな贈りものと、小松台東~          ➁

こんにちはこんばんは 小松台東(こまつだいひがし)です。こちらのnoteにて不定期の連載を始めました。
タイトルは「 小松台東 コマツダイ・EST 」。
「EST」はフランス語の「東」なので、「コマツダイ・ヒガシ」とそのままの意味もありますし、「確立された 定評のある」という意味の【established】の略でもあります。 定評のある、というのは言い過ぎのような気もしますが、もっと小松台東を皆さんに知っていただきたいという思いを込めて、お届けします。

EST!EST!!EST!!!
このイタリアワインの「エスト!」はラテン語で「ある!」
ある!ある!!ある!!!


小松台東が、小松台東のお客さんに会いに行きお話を聞く、という企画。

第2回目は、毎公演 カーテンコールで高く大きく拍手をいただいているのがたいへん印象的な、AK さんに会いにいきました。


 
           



石川啄木「一握の砂」の復刻本


 
上の写真、石川啄木の復刻本の下に敷いてある青いハンカチは AK さんから舞台終演後のロビーでいただきました。 コロナが流行る少し前のことだ。 
コロナ禍の緊急事態宣言下で家から出られなかったとき、この青いハンカチを見て、いろいろな想いが頭を巡った。 このハンカチだけではない。様々な、誰かからもらった贈り物を通して贈り主のことを思った。 あの人は、今どうしているだろう。 たくさんの励ましをもらったあの人たちは。  また舞台に立った時、再び客席に来てくれるのだろうか。 この状況下で、お芝居を観る、芝居をするという日がまた来るのだろうか。   
ものを贈る、ものを贈られるというのは、誰かを想うきっかけになる。


この連載を始めたきっかけは、そんな気持ちからなのでした。


第2回 アリストテレスと石川啄木と、そして、ことば   (前編)




  これは、AKさんが去年2022年4月から、お会いして話を聞いた2023年2月までに観たという
お芝居のチケットの半券です。 


「なにか大事にしているものを、お持ちいただけますか?」というメッセージに応えて、AKさんがこのチケットの束を見せてくれた。
 
「私にとって観劇の時間は、日常から、自分が普段閉じ込められている世界から、解放される大切な時間なんです。   日常からのスイッチの切り替え、という感じでしょうか。 救われた時間と場所の記録として、このチケットの束は、とてもだいじなものなんです。」
 
 
AKさんは島根県松江市で生まれた。 中学校ではバスケットボール部のキャプテン、高校では生徒会長やESS(English Speaking Society)で英語劇の舞台も踏んだ。 静かにお話をされる丁寧な口調の中にも、凛としたものを感じたのは、確固たる信念があり、冷静に人を導くリーダーシップがあるからだろう。 
18歳で上京。大学へ入学、大学院で政治哲学・政治思想を学んだ。

 
「 政治思想を学ぶ道を選んだのは、大学の恩師にとても影響を受けたからです。 本を読んで考える喜びに出会いました。その時に出会ったのが、アリストテレス。
『市民生活の中で、みんなが幸せになるためにはどうしたらいいか』 『よく生きること、とは何か』 という宿題を、今でも考えます。  プラトンの『ソクラテスの弁明』は、対話がいきいきとしていて、とても演劇的なん
です。 」


大学院での研究生活から、テレビの世界へ。  1990年代から2010年代は、報道の現場で、激動の時代を過ごした。お話されるときに真っすぐ見つめるまなざしに、数々の修羅場をくぐってきたであろう果ての優しさと温かさを感じる。

 

 「 東京で初めて観た演劇は、出口典雄さんのシェイクスピアシアターでした。 渋谷ジャンジャンです。 歌舞伎や現代劇の舞台などのお芝居を観るようになりました。  報道の仕事をしていた東日本大震災の時は、演劇があることが ほんとうに救いでした。 」

そうだった。 コロナの前、2011年にも私たちは演劇をすることの意味を問う時間を過ごしたのだ。 
 そうだ。 あの時だって、そうだった。

 
 2013年、新宿の紀伊國屋書店の階段に掲示されていたポスターに惹かれて当日券で紀伊國屋ホールで芝居を観た。AKさんはそこから急激に観劇にのめりこんでいった。  その当時始めたTwitter、SNSでのつながりが広がって
情報を集められるようになっていったことも大きかった。

   
小松台東を初めて観たのは 「想いはブーン」(2015年・三鷹市芸術文化センター 星のホール)。 続けて「勇気出してよ」(2016年 同劇場)も観た。
 
「小松台東の舞台は 淋しかったり、怖かったり、他人事でない気持ちで、 部屋の片隅にいるかのように観ています。  宮崎弁での芝居。舞台上の音にも耳をすませていたい、と思います。あの場面の、あの役者のあの
仕草は何だったのだろうか、あの明かり(照明)には どんな意味があったのだろうか。 いろいろなものを見落としたくないのです」

 

演出の松本は劇場に入ると、客席の高さにとても慎重になる。 舞台上の、その部屋を、その場所を、遠く感じな
いよう、俯瞰しすぎて見えないように、だ。 そのこだわりはAKさんに伝わっている。 うれしかった。
   

 

        後編へ続きます。



不来方のお城の草に寝ころびて、空に吸はれし、後編もおたのしみに。


 
 「 命と暮らし、言葉(方言)や地域の記憶に通じるあたたかさ、共感、そして嫌なことも含めて、いろいろなものを感じて、想って、心動かされます。」

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小松台東とお話してみたい、と思った方、ぜひ info@komatsudai.com までメールにてご連絡ください。 
ご連絡いただいた全員とお会いするのはむずかしいかもしれませんが、なるべくたくさんの方のお話を聞きに出かけていこうと思っております。 引き続きどうぞよろしくお願いいたします。
この企画はお客様を、匿名(イニシャル)でお呼びします。
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小松台東 次回公演は 2023年8月3日から13日まで  

「 オイ! 」 

下北沢ザ・スズナリ です。
少しずつ準備を始めています。

小松台東「オイ!」




小松台東も皆様を、強く強く強く、応援してまいります。
皆様も小松台東オリジナルトートバッグを手に取って、
応援いただけたらうれしいです。      

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2022年 5月  小松台東



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