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【陽はまた昇る】2024いわてグルージャ盛岡 開幕前選手&監督紹介

世間的には凄絶な始まりとなってしまった2024年ですが、悲喜こもごも愛憎渦巻く我々の日常のはじまり、すなわちJリーグ開幕まではおよそ1ヶ月に迫りました。我らがいわてグルージャ盛岡も1月9日にチームが始動し、ユニフォームや選手背番号が発表され、今週末にはイオンモール盛岡にて新体制発表と、新たな歩みがまさに進み始めたところです。

今オフは多くの主力選手がチームを去り、約半数の選手が入れ替わることとなりましたが、明けない夜は無い。別れの分だけ出会いもあります。
ということで、白のユニフォームを纏い、いわてグルージャ盛岡の名を背負って戦う29名(2024年1月11日時点)の選手の紹介を書いてみましたので、暇つぶし程度にご覧ください。
練習見学に行ってない人間がインターネットの情報だけで書いたので、あくまで暇つぶし、参考程度でお願いします。
多少上から目線になってしまったかもしれない箇所がありますし、ネタに走った部分もありますが、ファン・サポーターとして新シーズンに臨むにあたって、特に新加入選手の特徴やバックグラウンドの理解にほんの少しでも繋がれば幸いです。

【注意事項】
新加入選手に関しては加入発表時のポジション、昨季に引き続き在籍する選手は2023シーズンのJリーグ登録ポジションを表記しているため、2月1日にJリーグより発表される予定の2024シーズン登録リストに記載のポジションや、実際の出場ポジションとは異なる可能性があります。

GK(ゴールキーパー)

1.大久保 択生(おおくぼ たくお)

Jリーグ通算194試合出場の"職人"が清水エスパルスから加入。ここ数年、リーグ戦ではベンチに座ることがほとんどでしたが、GK・権田修一が欠場した昨年のJ1昇格プレーオフでは好セーブを連発。日々の準備の成果をピッチ上で見せました。
その経験やプレーでの貢献もさることながら、過去には「プロとしてやるべきことをやり続ける」と語り、2021年の清水のホーム最終戦セレモニーでは当時のキャプテン・権田が彼の練習に臨む姿勢を名指しで讃えるなど、周囲の手本となる姿勢も魅力です。他のGKと切磋琢磨しつつ、プロの模範的存在として彼らを支える能力もあるという意味では、最上級の補強と言えるのではないでしょうか。
過去に所属したクラブでは、マスコットを胸元に携え写真撮影に臨むお茶目な一面も。プレーに関しての不安は何もありませんが、唯一、刺さる場所満載なキヅールで同じことをやって怪我しないかどうかだけが心配です。

ぬいぐるみならたぶん大丈夫(…だよね?)

21.稲葉 亜我志(いなば あがし)

一昨年はベンチ入りのみ。昨年はJリーグ通算130試合出場のGK・田尻健(現・長野)とベンチ入りを争い、春から夏にかけて2番手の座を確保したことで天皇杯では予選を含む全3試合に出場しました。
前述の田尻に加え、昨季リーグ戦フルタイム出場のGK・丹野研太(現・栃木)も去ったため、GK陣では彼が最古参。プロ3年目、満を持して、1つしかないポジションを奪いに行くシーズンとなります。

31.キム ソンゴン

韓国・全州大学校からの新卒加入選手。昨年3月にはデンソーカップ大学日韓定期戦で来日し、先発フル出場していました。
大久保・稲葉の壁を越えるため、まずは異国の環境に慣れるところから。

 

DF(ディフェンダー)

3.斉藤 諒(さいとう りょう)

Jリーグデビュー戦でJ3トップクラスのフォワード、マルクス・ヴィニシウス(今治)を完封。かと思いきや、次の試合では背後を突かれまくりわずか21分で交代の憂き目に遭うなど、プロ初出場を果たした2023年は様々な経験を積んだ1年となりました。その経験と確かな成長を手に、プロ3年目を迎えます。
守備特化の選手だと思い込んでいたのですが、昨季3バックの左で出場した際には想像以上に左足でのキックも安定していたのが印象的。メンバー外のホーム戦ではボランティアの方(おそらく学生さん)と気さくに話すナイスガイでもあります。
しかし、干支は分からない。

斉藤選手。今年の干支、ご存知ですか?

4.深川 大輔(ふかがわ だいすけ)

昨季はDF・田代真一(現・相模原)が離脱したGWの連戦でチャンスを得るも松原良香前監督の信頼を勝ち取れず、出場7試合に終わりました。
正確なキックが武器であり、J2で戦った2022シーズンには豪快なロングシュートでプロ初ゴールを記録したほか、際どい直接フリーキックも放ちましたが、昨シーズンは出場機会の少なさ故に機会そのものが無かった印象。守備力を成長させてゴールに鍵をかけ、フリーキックで相手ゴールネットを揺らし、いわぎんスタジアムを興奮の坩堝へと叩き込む瞬間が、今年こそ、訪れるはず。

5.佐古 真礼(さこ まあや)

ヴェルディ育ちの大型センターバックが期限付き移籍で加入。U-15からU-22に至るまで、継続的に世代別日本代表へ選出されてきた経験があります。昨シーズン在籍したAC長野パルセイロでは、シュタルフ体制下において先発に定着した時期があったものの、監督交代後は出場機会が激減。チーム成績を踏まえると悔しさの残る1年だったことでしょう。
ただ、193cm・88kgという恵まれた体格に左利きと、原石として一級品であることは事実。「大型の左利きセンターバック」という素質にはロマンを感じざるを得ません。この要素だけで借りパクしたいと思ってしまうくらい。プロ入り後はやや伸び悩み気味に感じる境遇や前述した選手としての特徴は、昨季限りで契約満了により退団し、J2水戸へと移籍していったDF・田平起也に似ていると言えるでしょう。今季の選手編成を考えると3バックの左の最有力候補と考えられます。

6.高橋 峻希(たかはし しゅんき)

Jリーグ通算302試合出場の"右のスペシャリスト"がV・ファーレン長崎より加入。
右サイドならどこでもできますが、左のサイドバックやウイングバックでの起用もこれまでには経験しており、右ウイングバックが過多気味な現状の編成を鑑みると左での起用も十分に考えられます。というか、GKとセンターバック以外は経験しているらしい。ポリバレント性という観点では、昨夏に加入したDF・西大伍に近いものを感じます。
J3でのプレーは自身初。長崎を契約満了により退団していたところにグルージャが声を掛けたという形ではありますが、J1およびJ2で過ごした直近4年間はすべてリーグ戦2桁試合出場と、今年34歳を迎える年齢の影響はさほど感じません。健在っぷりをピッチ上で見せ、チームと共に再び上の舞台へと舞い戻れるか。

16.柳 世根(りゅう せぐん)

朝鮮大学校より加入のルーキー。同校出身の選手がグルージャでプレーするのは、2021年から2022年にかけて在籍したFW・韓勇太以来となります。また、金成勇ヘッドコーチは同校の先輩にあたります。
今季も3バックがメインと考えるとセンターバックが主戦場となりそうですが、監督がオプションとして示唆した4バックシステムにおいては、大学時代に経験した右サイドバックでの起用もありそう。センターバックは決して層が厚いポジションではないため、本人が練習で見せるもの次第では早くにプレー機会が訪れることも十分に考えられます。

18.宮市 剛(みやいち つよし)

昨季は3月にJ3月間MVPに輝き、最終的にはキャリアハイの4ゴールを記録。チームとしての成績は満足いくものではなかったと思いますが、10月には結婚を発表するなど、公私ともに充実した1年だったのではないでしょうか。珍しく左足の正確なクロスでアシストを記録するシーンもありましたが、彼の右足クロスは名が表す通り"剛"が過ぎてもはやシュートなので、合わせる側目線だと左足クロスがむしろ丁度いいのかもしれません。
右ウイングバックが多め&センターバックが少なめな今季のチーム編成を考えると、3バックの右での出場も増えそうな予感。ただし本人はあまり好きではないようで、中三川監督の言葉通り、対話して、その都度決めるという形になるのでしょう。
一昨年の開幕戦ゴールに続き、昨年は開幕戦のみならず監督交代後初戦でもゴールを記録するなど、"開幕男"としての地位を確立しつつあります。3年連続なるか。

22.西 大伍(にし だいご)

Jリーグベストイレブン受賞経験2回の、言わずと知れた名プレイヤー。昨夏に札幌から期限付き移籍で加入すると、ウイング・ウイングバック・2列目など様々なポジションをこなし、今季より晴れて完全移籍へ移行となりました。昨シーズンは2列目での起用のほうが多かった印象ですが、現状のチーム編成を考えると、昨シーズンDF・新保海鈴(現・山口)が出場停止により欠場した際に務めた左ウイングバックでの起用が増えると予想されます。
今年36歳を迎えますが、技術が錆びついていないことはすでに昨季のプレーで証明済み。馴染み深い背番号"22"を背負って戦うグルージャでの2シーズン目、数々のタイトルを獲得してきた経歴に「J3優勝」を加えることができるか。

27.藪中 海皇(やぶなか かいおう)

昨年の総理大臣杯にて初出場ながら頂点まで一気に駆け上がった富士大学のキャプテン。グルージャでは右ウイングバック(去年は宮市が主に務めたポジション)が主戦場となりそうですが、入団会見を聞くと他のポジションでも見込まれていそうな印象です。
富士大学からの加入はグルージャ史上初であり、彼自身は北海道出身ですが、サポーター目線だとどうしても"地元選手"として見てしまいがち。新加入選手の中で唯一、単独での入団会見が行われた事実にクラブ側の期待が表れていると言えるでしょう。期待という名の重圧を背負いながらも、彼らしさをプレーと結果で示してほしいものです。

44.新玉 瑛琉(あらたま えいる)

青山学院大学から加入のルーキー。名古屋グランパスU-15で務めたセンターフォワードから、U-18でサイドバックに転向した様子。以降は左サイドバックを務めることが多く、グルージャでのポジションは左ウイングバックが主戦場となることが予想されます。名古屋U-18時代の同期でプロ入りした選手はJ1やJ2でプレーする選手が多く、J3クラブに所属しているのは彼のみ。
プロの舞台で結果を残し、グルージャと共に上へと駆け上がれるか。

51.深津 康太(ふかつ こうた)

昨夏、サポーターから惜しまれながらも、通算13年間過ごしたFC町田ゼルビアから加入。シーズン終盤は出場機会が減りましたが、今季は他のセンターバックの選手がいずれも20代であることを考えると、その百戦錬磨の経験は貴重。昨季の主力である田代や甲斐健太郎(現・岐阜)が去り、ディフェンスラインの新たなリーダーとしての活躍が求められる1年となります。
町田退団時には「40歳の僕もサッカー選手でいたい」とコメント。現役選手としてその覚悟を結果で示すことが、真に「サッカー選手であること」の証明になるとも言えるでしょう。

MF(ミッドフィールダー)

8.弓削 翼(ゆげ つばさ)

昨季は副キャプテンに就任し、開幕先発の座をゲット。しかし、シーズン中盤には3番手としてベンチに座ることが多く、メンバーから外れる試合が連続する時期も。監督交代後はゲームキャプテンを務めることが多く、ほぼ全試合で先発入りしました。
2022シーズン夏にはJ2全体で見てもトップクラスの活躍を見せましたが、以降は前述したように苦しい時期も過ごすなど、輝ききれていない印象。実績・実力ともに十分J2クラスといえる新里涼や、飛躍を誓う若武者・安達秀都など、プレースタイルが近いと思しき選手も加入しただけに、真価が問われるプロ3年目となることでしょう。"あの夏の輝き"を見せられるか。

10.オタボー ケネス

高知中央高校から加入して4年目を迎えたナイジェリアンアタッカー。今季より、Jリーグが定める「ホームグロウン選手」の扱いとなります。昨季は夏に覚醒し、J3初ゴールを挙げたホーム奈良戦からの4試合で3ゴール。途中出場も少なくありませんでしたが、リーグ戦30試合に出場し、最終的には6ゴールを記録しました。
一方で、ゴール後にやたらバモバモ叫ぶ習性が身に着くと同時に、ヒーローインタビューを受ける機会が増えた昨季は日本語の上達具合も自然と表に出ることに。ノリノリで叫んだ後に緊張した様子で話し始める様子もケネスの魅力のひとつ。
2桁ゴールを挙げるだけの素質は十分に持っているだけに、チームとして結果を残すためには、開幕から1年を通して活躍して昨季以上の数字を残すことは不可欠。10番を背負う今年は、昨年以上に「バモーーー!!!」と叫んでほしい。

11.桐 蒼太(きり そうた)

開幕スタメンを飾った昨季は開幕からの3試合で2ゴールを記録しましたが、その後はなかなか活躍できず、夏以降はほとんど出場無くシーズンを終えることとなりました。
とはいえ、ドリブルでの打開力と運ぶ力はチーム随一であり、左利きで右サイドから切れ味鋭くカットインする姿は他の選手にはない個性と言えます。少ない時間でも結果を残せるだけのポテンシャルはあるはず。与えられた機会で目に見える結果=ゴール・アシストを積み重ねれば、自ずと出場機会は増えるでしょう。勝負の1年。

13.小暮 大器(こぐれ だいき)

”お隣さん”ブラウブリッツ秋田を契約満了により退団し、今季よりグルージャに加入。J3で過ごすのは、C大阪U-23で27試合に出場した2016年以来となります。
右サイドならサイドバックからウイングまでどこでも務めることができ、3-4-3が主となることが予想される今シーズンは、宮市・高橋・藪中・上笹貫の起用も考えられる"激戦区"右ウイングバックが主戦場となるでしょうか。個人的には他の選手たちよりも個の技術=ドリブル突破に優れている印象で、中三川監督が示唆する左ウイングバックのほか、2列目での起用も十分に考えられます。
岩手の地で"大器"晩成となるか。

14.松原 亘紀(まつばら こうき)

昨シーズンはルーキーながら開幕スタメンの座を射抜き、3列目からの攻撃参加を武器にボランチに定着すると、5月の八戸戦(○3-2)でリーグ戦初ゴール。さらに6月の今治戦(○2-1)では決勝ゴールを奪い、同期入団のFW・佐藤未勇と共に2023シーズンホーム初勝利の立役者となりました。
しかし、シーズン中盤からMF・藤村怜(現・群馬)がボランチに定着したことでベンチに座る時間が増え、監督交代後は2列目での途中起用が主となり、最終節は体調不良により欠場するなど、次第にフェードアウトしていった感が強かったのも事実。チーム編成を考えるとボランチが主戦場となるように思えますが、「中三川監督がどう考えるか」というのは、彼とグルージャを見る上で、2024シーズンの見どころの1つと言えるでしょう。
自分自身の納得のいく形で持てる力のすべてを出し切るために、その覚悟を示すプロ2年目となるか。

15.加々美 登生(かがみ とうい)

2022シーズン終了後の不祥事による謹慎処分もあり、2023シーズンの初出場は4月の奈良戦。途中出場が主であり、リーグ戦では出場23試合のうち先発は4試合に終わりましたが、出場760分で6得点という驚異の決定力を発揮しました。
昨季はチーム事情により右サイドバックとして出場することもありましたが、徐々に攻撃的なポジションを務める機会が増え、ラスト3試合はいずれも2列目で先発出場。11得点を挙げたMF・和田昌士(現・群馬)が去って迎える今季、新たに10番を背負うMF・オタボーケネスと並んで攻撃の核と目されるのは、間違いなく彼でしょう。
彼が決勝ゴールを決めて勝った10月の沼津戦の後、「自分はゴールを決めるだけ」と語っていましたが、チームとしてより高みを目指すために、2024年はそれ以上の活躍が必須です。

17.新里 涼(にいざと りょう)

愛称「ニイザ」。一昨年はJ2・水戸でキャプテンを務めており、グルージャと対戦した際にはGK松山健太(現・鹿児島)のキックミスを見逃さず超ロングシュートを決めています。昨季は序列が下がり、契約満了のため水戸を去ることとなりましたが、J2でも十分通用するレベルであることは確か。2列目・ボランチどちらでも起用可能ですが、現状の編成を見るとボランチが主となりそうな印象です。また、水戸所属時には自身がメンバーから外れた試合で「サポーターとコミュニケーションをとりたい」との思いから急遽サイン会を行うなど、その人間性や行動力も彼の魅力と言えます。
その他、マスコットを惹きつける特殊体質を持っている様子。これまで所属してきたクラブのマスコットであるヴィヴィくんやホーリーくんにはやたら好かれてきましたが、キヅールとの絡みは見られるか。
(Twitter⦅現・X⦆で「from:@hollykun_mito ニイザ」と検索するとイチャイチャしてる様子を多々観測できるのでおすすめ)

キヅールと同じことやったら致命傷になる可能性が…

20.下上 昇大(しもがみ しょうた)

昨シーズン、同期入団のFW・佐藤未勇&MF・松原亘紀が輝きを見せた中、彼はベンチ入りすらままならず。契約更新発表時のコメントにも思いが滲むように、苦しく悔しい1年となったはず。
チームも彼自身も、下から上へと昇って大成する1年にするために。
がんばれ。

29.水野 晃樹(みずの こうき)

SC相模原退団後、関東リーグ2部・厚木はやぶさFCでのプレーを経て、昨季、3年ぶりにJリーグの舞台にカムバック。リーグ戦の出場時間は99分、出場した12試合のすべてが途中出場と、ピッチ内での活躍は限られましたが、ピッチ外からもチームに貢献。自宅で手料理を振る舞う「水野食堂」には多くの選手が訪れ、「岩手の息子」「じじい」と呼び合うDF・新保海鈴(現・山口)とは最終節の劇的ゴール後に熱く喜び合うなど、プロの酸いも甘いも噛み分けてきた存在として、チーム内の関係構築と雰囲気の醸成において大きな役割を果たしたことは想像に難くありません。昨シーズン最終節のアシストは、彼の努力を見ていた神様からのささやかなプレゼントだったのかもしれません。
39歳を迎えるプロ21年目。
グルージャを上の舞台へと押し上げるため、単身で岩手に乗り込む漢は、今年も熱量を行動で示す。

30.安達 秀都(あだち しゅうと)

昨シーズンのJ1王者から育成型期限付き移籍で加入。ヴィッセル神戸U-18からトップ昇格を果たして迎えた昨シーズンはリーグ戦への出場こそ叶いませんでしたが、ルヴァンカップでは4試合に出場。ただ、先発出場した2試合はいずれもハーフタイムでピッチを退いており、プロの壁に阻まれた1年だったと言えるでしょう。
昨季の出場ポジションを見る限りではボランチが主戦場となりそう。同ポジションのライバルとなることも考えられるMF・松原亘紀は、在籍期間こそ重なっていないものの、中学年代までのサッカーチーム「ソレッソ熊本」の先輩にあたります。熊本出身ボランチコンビの結成となるでしょうか。

77.小松 寛太(こまつ かんた)

昨年9月の総理大臣杯でいわぎんスタジアムのピッチをに立った、早稲田の11番。出場記録を見ると4-2-3-1システムの2列目の左サイドで出場しており、3-4-3システムにおいては前線3枚の左が主戦場となるのではないでしょうか。
正直なところプレーに関しては全く知らないのですが、印象的なのは加入発表時のコメントの誠実さ。サポーターという生き物は単純なので、こういう↓定型じゃないコメントをしてくれるだけで心にグッときてしまうはず。

ただ、プロの世界は人間性だけで飯を食っていけるステージではないはず。
努力と想いを本物の幸せへと昇華させるため、我が儘に自分らしく歩め。

FW(フォワード)

7.深堀 隼平(ふかほり しゅんぺい)

昨季は愛媛FCに所属し、カターレ富山との首位決戦でハットトリックを達成したアタッカー。3戦未勝利と停滞ムードの漂う中、ホームで迎えたギラヴァンツ北九州戦では、最終盤に途中出場するとわずか数分で均衡を破る決勝ゴールを記録するなど、勝負強さも光りました。
「J3優勝チームからよくこんな主力が来てくれたなー」と思っていましたが、リーグ戦出場706分・出場26試合中先発は5試合に留まるなど、途中出場したグルージャとの開幕戦の翌週に負傷して3ヶ月離脱したこともあってか、主力としては定着しきれず。3年ぶりのJ2を戦うチームには残れず、期限付き移籍元のザスパ群馬から完全移籍でグルージャに加入することとなりました。愛媛では1トップも務めましたが、本人はスピードによる裏抜けとゴール前でのポジショニングを自身の武器であると語っており、2列目でのシャドーストライカー起用のほうがより適しているようにも思えます。
また、愛媛所属時のクラブホームページ記載のプロフィールによるとウニがお好きな様子。ぜひ、岩手の海の幸をご堪能ください。

櫻坂46がお好きなほか、おいしい焼肉とお寿司もご所望の様子。
(愛媛FC所属時のホームページ記載プロフィールより)

9.都倉 賢(とくら けん)

Jリーグファンなら誰もが知っているストライカーが、自身初となるJ3の舞台へ襲来。リーグ戦通算426試合出場120得点、16年連続リーグ戦でゴール&2桁試合出場中と、数字に表れる彼の活躍には脱帽せざるを得ません。
しかし、数字では語れない人間性も魅力。その一端が垣間見えるのが下の動画。メンバー入りしながらも出場無く敗れた公式戦翌日、エリートリーグの試合に臨む前、目の前の試合に全力で挑むことの重要性をチームメイトに説くその姿には、都倉賢のプロサッカー選手としての姿勢とリーダーシップが溢れ出ています。
創設20周年を迎えるクラブのために。
現役20年目のプロフェッショナルは全力を尽くすことでしょう。

19.佐藤 未勇(さとう みゆう)

神奈川大学から加入したルーキーはリーグ戦4得点を記録するまずまずの活躍も、プロ初先発の長野戦(✕1-4)やPK失敗の富山戦(✕1-2)では試合後に涙するなど、プロの厳しさを味わった印象も大きい1年に。ただ、シーズン序盤に随所に見受けられた粗削りな感は時間と共に消えていくなど、試合をこなす度に成長していく様子が感じられた1年でもありました。「2023年のグルージャは彼の苦悩や成長と共に歩みを進めた1年であった」と言っても過言ではないでしょう。
今季はFW・都倉賢やFW・深堀隼平など実績ある選手が加入したこともあり、エースな座を賭けた争いを勝ち抜くために得点増は必須。多少のエゴを見せてでもシュートの機会を増やしてほしいところです。
あと、結構な確率でご両親が観戦にいらしている様子。ぜひ、今年もたくさんお越しください。

23.豊田 晃大(とよだ こうき)

名古屋グランパスU-18黄金世代と言われた2019年、高校1年生ながらほぼ全試合にボランチで先発出場した逸材が、育成型期限付き移籍で岩手にやってきました。青山学院大学から加入したDF新玉瑛琉は名古屋U-18時代の2つ先輩にあたり、名古屋U-18では共にスタメンに名を連ねることも少なくなかった様子。ただ、2年次に大怪我を負って1年を棒に振ってしまったようで、以降は輝きを放ち切れず。それでも名古屋がトップチーム昇格を決断したことが、逆説的に彼の素質を証明しています。
加入発表時のポジションはFWですが、前述のボランチのほか2列目もこなすなど、複数のポジションを経験。グルージャでのポジションはどこが主になるか、現時点では最も読めない選手かもしれません。
プロ入りして2年で、リーグ戦出場はゼロ。ここまでは結果を残せていないだけに、3年目の今年がプロとしての生き残りを懸けた1年となることでしょう。

32.上笹貫 剣(かみささぬき まもる)

プロ入り後の2年間でリーグ戦出場はわずか4試合も、最大のハイライトは昨シーズン最終節。0-0でスコアが動かずにいた後半35分からピッチに立つと、後半45+5分にMF・水野晃樹の放ったクロスに飛び込んでプロ初ゴールをゲット。その直後に試合終了。引き分けのまま終わっていた場合、シーズン最終順位は12位となっていましたが、彼の得点で勝点を2つ積み上げたことでグルージャの順位は2つアップ。ギリギリでトップハーフ(順位表の上半分)に滑り込むこととなりました。
そして、シーズンが終了して間もない12月6日にチーム第1号となる来季の契約更新を発表。鮮烈な活躍は記憶に新しいですが、一方で、プロ入り後の2年で活躍した場面が昨シーズンの「ブザービーター」のみであるのも事実。出場機会が少ないため、練習見学になかなか行けない身としては、彼の強みが何なのか分かっていないのが正直なところです。
今季は継続的な活躍で自身の存在価値を示し、チームへより大きく貢献することが求められます。

監督

中三川 哲治(なかみかわ てつじ)

2022年限りでトップチームのコーチを退き、以降はユースの監督を務めていましたが、松原前監督の解任を受け、第28節宮崎戦よりトップチームの監督に就任。それまで1度も連勝できていなかったチームを就任直後に3連勝に導くなど、11試合で6勝3分2敗を記録し、勝点21を積み上げました。
また、中三川監督の現状最大の功績と言ってもいいのが、ホーム戦での好戦績。5試合を戦って3勝2分と未だ無敗であり、いわぎんスタジアム開催に限れば全勝と、それまでの14試合でわずか3勝に留まっていたホーム戦での戦績を大きく好転させることに成功しました。
今季はキャンプから指揮を執る初めてのシーズン。昨季の戦術にどのような変化を加えるのか。3-4-3継続を主としながらも、オプションとして示唆する4-4-2や3-5-2をどのように活用していくのか。要は、複数の主力が去り約半数の選手が入れ替わって迎える今シーズン、どのようにチームをマネジメントしていくのか。"哲さん"の手腕が問われることとなります。
今季のチームは実力と実績の足し算では昨季に劣るかもしれませんが、J3ではそれ以上に、個の成長や集団としての力といった"掛け算"の要素が求められると言えます。それだけに、「個々の力を如何にして伸ばし、同じ方向を向き、チームとしての最大値をどれだけ伸ばせるか」が最も重要ではないでしょうか。近年J2に昇格し結果を残している秋田・熊本・いわき・藤枝はいずれもこの命題をクリアしているように感じます。
今手元にある"原石"を磨き、"経験"という光を当てることで、いわてグルージャ盛岡をどれだけ輝かせられるか。中三川監督を筆頭とする指導陣の皆さんの手腕に期待しております。

こんな風に喜べる機会がたくさんあるといいですね
(泉さん跳躍力すごくない…?)

あとがき

以上、拙文をお読みいただきありがとうございました。
「あけましておめでとうございます」は讃岐の地で。

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