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僕がバイクとカメラにハマった理由が明確になったお話

みんな趣味ってあるよね。
僕の場合はバイクとカメラ。
冗談抜きで、起きている間は大抵このふたつのどちらかのことを必ず考えている。
仕事をしてる時も人と話してる時も。
だからまああまり人の話とか聞いてないよね。

1本のオールドレンズを入手した

僕は2日前にあるオールドレンズをヤフオクで入手した。
コンタックスカールツァイスのまあまあ良い1975年製のもの。
これだけ写真を撮るのが好きなのに、恥ずかしながら実はオールドレンズを購入したことがなかった。

話を少し前に戻し、10日ほど前に僕は森川という男と西新宿へオールドレンズを見に行った。
僕は現行のレンズで撮れるパリッとした画をさらにパリッとさせる現像が好きだから、大抵柔らかく撮れるオールドレンズにあまり興味がなかった。
だから全然知識もなくって、こんなのもあるんだなぁくらいに思って、何も買わずにレンズ探しを終えた。

それなのになぜヤフオクで13000円もの(それほど安くはない)レンズを買ってしまったかと言うと、新しさが欲しかったから。
現行の"ちゃんとしたレンズ"ばかりでいろんなものを撮るのに飽きていたのが理由と言える。
なんか自分の好きな現像で誤魔化してる感じがしたから、知らない世界に入っていこうとした。

沼と言われる理由を理解した

届いてからここ50時間ほどいろんなものを撮っているが、楽しくて仕方がない。
色がいいとか質感がいいとかそう言うことじゃない。
このレンズは「完璧でないところ」がもの凄く良い。

まるで90年代の4気筒マシン

僕のバイクの歴史をちょっとだけ。
僕の最初のマシンはスズキのというもので、データ上世界最速。
ビビらずにスロットルを開け続ければ数秒後300km/hに達してる。
どの回転数からでもパワーが出て、デカいくせに結構曲がるし優秀。

でも僕が求めていたものはこっちだったらしい。
ホンダのRVF400というマシンで、400ccのV型4気筒エンジン。
隼の1/3もない排気量で、回転数を維持しないとほんっとに前に進まないほどパワーが薄い。
僕と同い年の1994年製で、パーツはほとんど出ないしオンボロ。
面白さを見出せなければ遅くて重い、ツマらないマシンであることは間違いない。

オールドレンズと90年代4気筒マシンの面白さが一致した

僕が買ったレンズは今から43年前に製造されたもので、当たり前のようにオートフォーカスなんてついていない。
F値もカメラ側でカリカリ設定できるものではなく、レンズの一部を回して調整する。
現行レンズならそこそこ綺麗な写真を撮るまで1,2秒くらいしかかかんないんだけど、オールドレンズだと「どうしようかなぁ」と取り込む光の量を調整して、ピントを自分で合わせて撮るから結構時間がかかる。
正直クソ面倒臭い。

完璧でないからこそ面白い

完璧なものってのはツマんないんだよなぁ。
サーキットでタイムを出したいなら、400ccで4気筒も絶対にいらない、無駄。
1気筒200ccの2気筒か、単気筒の方がどこからでもパワーの出るエンジンになる。
もしくは同じ値段で600ccや1000ccを買った方が100%速い。
でも僕は誰よりも速いタイムではなく、完璧でないオンボロマシンでどれだけのタイムが出せるかを求めてる。
大抵のライダーにとって乗りにくいマシンを、どうにか速く走らせることが快楽と感じている。

カメラも全く同じで、見慣れてる綺麗な写真を撮るなら現行のもので良い。
でも「面倒臭いなぁ」とブツブツ言いながら、1枚1枚丁寧に撮っていくのが楽しい。
マニュアルフォーカスしかない無駄を味わい、43年前の色を感じながら写真を撮る。
難易度が高いからこそ撮れた時の面白さが大きい。

少数しか楽しめないものが好きらしい

趣味っていろいろあるけど、一方向にしか突き詰めることができない趣味って少なくないよね。
スポーツとかだと競技に当てはめて上手くなるしかないみたいなさ。
バイクとカメラは多方向に趣味のベクトルが伸びてると思う。
僕はその趣味の中でもすごく変化球みたいなところに行くのが好きで、自分にしか楽しめないところを探すのが得意だと思う。

僕が楽しんでいる方法をテメェに分かってもらわなくても良いってスタンスは楽で良い。
V型4気筒に乗ってて「それ重いし遅いじゃん」って言われても「格好良いしこれが一番楽しい」って言い続けてきたし、こう言ってきた相手よりサーキットのタイムが悪かったことはない。
多分これはオールドレンズでも同じことが言える。
誰に批判されようが「関係ねぇよこれが楽しいんだから黙ってろ」って言えるような好きなものを見つけられて幸せよ。

無駄が嫌いなら生きている意味がない

僕はひたすら無駄を楽しみたい人間だと改めて理解した。
パワーバンドを維持するためにギアをガチャガチャ変えるのも、良い画を撮るためにレンズをカリカリ回すのも僕にとっては全く一緒。
良いものや最新のものを入手すれば、こんなクソ面倒臭いことはしなくてもいい。
でもこれをするから僕はバイクもカメラも楽しめる。
無駄を突き詰め自分しか扱えないものにするのが良い。
現に僕のRVF400はもう僕しか速く走らせられないんだから、カメラもそのうちそうなると思う。

オールドレンズが最高なのではなく、あくまで無駄が最高という話。
レンズを1本買ったことで、またカメラの面白さを見つけられてよかったなぁ。
もっといろんな無駄を楽しんでいきたい。

あと「僕はあの頃のレーサーレプリカマシンに乗っている」という自己満足と同じく、「僕は今カールツァイスレンズを使っている」という感覚も良いねぇ。

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