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台風でも保育園が休園できない驚きの理由

 9月9日の今日、都内は大型台風によって大混乱です。皆さんの中にも電車が止まり、出勤や登校ができなかった人もいたでしょうし、子どもの学校が休校になった方もいるでしょう。

 でも、保育園は基本的に開いていたかと思います。

 我がフローレンスが運営する園も、現場の保育士さんがホテルで前泊したりして、なんとか開園していました。

 現場の保育士さんの頑張りに、心から感謝です。

 でも、よく考えると、これはちょっとおかしい。

 JRが止まり、学校も休校になるくらいの台風なのに、なぜ全ての保育園は開いていないといけないのか。

 そこには驚きの理由がありました。


学校は休める法律がある

 学校が休校にできるのは、学校教育法施行規則(昭和22年文部省令第11号)第63条又は学校保健安全法第20条の規定に基づき、臨時に「授業を行わないことができる」又は「学校の全部又は一部の休業を行うことができる」とされているからです。

 また、認定こども園という幼稚園と保育園が合体した施設があるのですが、これも上記の法律が準用されるFAQが出されていて、臨時休園ができます。

 これに対して、保育園はというと・・・。

 ない。

 何もない。

 臨時休園に関する国の法律や政令などが、存在しないのです。

 だから、全て自治体任せ。

 自治体はというと、ルールがないので、とりあえず「保育園は閉めるな」の一点張り。

 かくして「保育園は何があろうと開く」という伝統が形成されたのでした。


保育園の臨時休園の仕組みが無いことで

 保育園の臨時休園の仕組みがないことで、例えば今日みたいな大型台風の時にも、保育士さんは早朝に家を出ます。保育園に着くまでの間に、看板やら倒木が飛んできて、もしかして彼女は怪我をしてしまうかもしれません。

 そういうリスクを、現状は「まあ、そういうもんだから」ということで、全ての保育士にナチュラルに押し付けている状況なのです。

 このままで本当に良いのでしょうか?

 学校も幼稚園も認定こども園も臨時休園できるのに、保育園だけが「何があっても開け」という状況。あまりにも非合理だとは言えませんか?


休めない人対策

 一方で、どうしても会社を休めないひとり親等は臨時休園の際には困難を抱えます。それに対し、地域の公立園などを「災害時指定中核園」に指定しておき、そこで共同保育をすることが考えられます。

 指定中核園以外の園は、休園の代わりに保育士の一部を中核園に応援に出す仕組みにしておくこと。また、災害時のみは面積基準を適用除外にすることで、中核園での通常以上での受け入れが可能になるでしょう。

 こういう対策をしておけば、「原則的には休園だけど、どうしても出勤しないといけない人は、少し遠くなるけど、いつもと違う園に預けてもらえれば対応するよ」という形で、保育士たちの安全性を今よりは確保することが可能となります。


まとめ

 この話一つとっても、いかに保育士の働き方や働く環境について、社会的にないがしろにされ続けてきているか、がお分かりになろうかと思います。

 保育士が安全な環境で、笑って働けることが、子どもたちの笑顔にもつながっていくのです。

 ぜひ、社会的に環境整備に取り組んでいただけることを、切に願っています。

 保育園経営者からは以上です。


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駒崎弘樹

NPO法人フローレンス代表理事。慶應SFC卒。05年〜訪問型病児保育を開始。08年Newsweek「世界を変える100人の社会起業家」に選出。10年から待機児童問題解決のため「おうち保育園」開始。後に小規模認可保育所として政策化。14年、障害児保育園ヘレンを開園。
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