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知っておきたい釣りで一番大切な道具

釣りに一番大切な道具とはなにでしょうか? 糸、針?それはもちろん大切ですが、これがなくては釣りとして成り立たない、釣りのアイデンティティなので除外します。では竿?それは最悪ない釣法も存在します。リールや浮きについても同じです。
釣りにおいては大切な道具がたくさんあり、一番を選ぶというのは、その釣りのジャンルや人によって意見が分かれるでしょう。以前、ブラックバスとの出会いの話の中で、父から釣りを教わった話を書きましたが、その父からは、釣りに一番大切なのはハサミだと教わりました。しかし、その話をされたのが真っ暗な夜の堤防での釣行だったので、私はすかさず懐中電灯の方が大事だ、と口答えをしました。すると父は「星の明かりで糸を通すのが釣りの達人だ」と私に言い放ちました。いつも冗談だか本気だかわからないことを言う私の父の言うことなので、このとき私は絶対懐中電灯が一番大切だと心の中で何度も言い返しました。しかし懐中電灯も昼間の釣りには必要なく、釣りで一番大切なものとも言い難いでしょう。このときも街灯の明かりで糸を結ぶことができました。

ハサミは確かに重要なツールです。ラインを切るだけでなく、仕掛けの調整や不測の事態に備える意味でもなくてはなりません。バス釣りで使う程度のラインなら、ハサミがなくてもを歯で切ることや瞬発力を利用して切ることも可能ですが、繰り返していたら歯が痛むし、瞬発力で切ろうとして誤って手を切ることもありますので、お勧めはできません。また細かいリグの調整などは、やはりハサミが必要です。糸を使い、それを切るということがある以上、バス釣り以外でもハサミを全く必要としない釣りはおそらくないでしょう。そのため、一番かどうかは人それぞれ思うところがあるでしょうが、やはりハサミは大切なアイテムの一つなのです。最近は熱でラインを切るヒートカッターなどもありますが、仮にそれを持っていたとしても、電池の切れることなのないハサミは必ず持っていきたいところです。

男子が身に着ける刃物は安っぽいものではいけない。このような話を聞いたことがあります。これは男性が身につける刃物、例えばナイフや剣などが単なる道具ではなく、その人の身分や品格を象徴するものと見なされていた時代の価値観を反映している言葉です。刃物は古来、単に実用的な目的で使用されるだけでなく、個人の能力、社会的地位、または家族の遺産といったものを表すアイテムとしても重要視されていました。しばしば儀式の際に用いられたり、特定の社会的、または宗教的な行事でも重要な役割を担ってきました。これにより、刃物は単なるツール以上の価値を持ち、それを所有する者の人格や価値観までをも象徴することがあったわけです。戦国の大名が所持していた名刀などがその例でしょう。そのため、質の低い、安っぽい刃物を身につけることは、自らの価値を低める行為と見なされることがありました。現代においても、この考えが残っている場面は少なくないかもしれません。例えば、高品質なペンや品のある腕時計を身につけていることが、プロフェッショナリズムや品位を象徴するように感じる人がいるように、伝統的な文化では刃物がそのような役割を果たしていたのです。
釣りにおいて、高級なハサミを持つことが、その人の品位や価値を高めることはありません。むしろその役割は多くの釣り人が釣り竿やリールに求めるでしょう。しかし私はハサミはできるだけ良いものを持つようにしています。

ハサミはよく紛失します。なんせ釣りをしている最中には使わないアイテムですから、釣りに夢中になっているうちに、その前どこに置いたかなど興味がなく忘れてしまうからです。よく紛失するから安い物でもいいのでは?と思う方もいると思うますが、切れ味や使いやすさ、錆びにくさなど、ハサミは値段に比例するアイテムだと私は思っています。また、あえて高級なハサミを選択することで、心理的に紛失を防ぐ効果もあります。もし仮にハサミが50000円くらいでしたら、私は必ず使用後も体に装備するシステムを整えるでしょう。いや、ハサミがの所在が気になり釣りに集中できなくなるかもしれませんのでこれほど高価なハサミは持つことはありません。なので実際にそれほど高いものは使っていませんが、釣りでもっとも大切な道具の一つとして、ハサミには多少こだわりをもって選んでいます。ちなみに私が愛用しているハサミは釣り用として売られているものではなく、クラフト用の先が細い普通のハサミです。一般的な釣り用のハサミは小さく、それこそ紛失しやすいし、指がしっかりと入らないと作業がしにくいなどの難点がありこのハサミを好んでいます。しかし、このハサミは緊急時にロープくらいなら切ることができるかもしれませんが、PEラインを切ることはできません。PEライン用には別のハサミや、先ほど名前を出したヒートカッターなどを使用しています。

愛用しているクラフトばさみ

私はハサミや懐中電灯以外にも、様々な小物を可能な限り釣行へ持っていきます。例えばペンチや瞬間接着剤、油性ペン、フックを研ぐシャープナー、ライター、リールの潤滑オイルや予備のライン、水温計、スープン、虫刺され用リムーバー…挙げだしたらきりがないので、またそれぞれ使い方を含めて機会があれば紹介いたしますが、それらは、釣行において、不携帯でもその日の釣行が不自由になるわけではないですが、より多くの釣果を目指すためには必要なものだと私は思っています。それらと一緒にケースに入っているハサミの存在はやはり一際大きいと感じていますが、ただハサミで魚を釣るわけではありませんし、他のツールも場合によってはとても重要です。結局のところ、それぞれのツールが特定の条件下でどれほど役立つかを正しく理解しておくことが、釣りにとっては何よりも大切と言えるでしょう。


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