脱出ゲームの悪夢

ろずろ様の「愛すべき馬鹿と知的な時を」を使用させていただきました。

KP:なした

PL:三好秋/探偵(のすけ)

NPC:陽向勇真/探偵

***

それではシナリオ「愛すべき馬鹿と知的な時を」を開始します。

***

とある休日のこと。

三好は、知人が主催する脱出ゲーム企画にモニターとして参加するように頼まれていた。
ゲームは2人1組となって挑戦する形式のため、他に知人や友人を同行させてもいいと言われていた三好は、探偵仲間である陽向を誘ってイベント会場へと訪れた。

そして、会場の入り口をくぐろうとしたその時、周囲の景色がぐにゃりと歪む。
突然に世界が反転したような感覚に襲われ、あなたはそのまま気絶してしまう。

***

そして次に目を覚ました時にいたのは、天井から床まで何もかもが真っ白い見知らぬ部屋だ。

三好はソファの上に座っているが、陽向はすぐ近くの床に横たわっている。
部屋にはソファ、ミニテーブル、部屋の端にブラウン管のテレビが一台、そして扉がひとつある。

三好秋:「ん…ここは…確か会場に入って…」むくり

三好秋:「いつの間にこんな所にいたんだ?というか勇真は…あっ」
三好秋:「おい、起きろ勇真」ゆさゆさ

陽向勇真:「うーん…」
三好秋:「起きたか、大丈夫か?」

陽向勇真:「おはよう、あきさん!今なんじだ?」

三好秋:!?

陽向勇真:「あれ?ここどこだ?もうイベントはじまってるのか?」

そう言いながらあたりをきょろきょろしている。

三好秋:「お、おはよう…??」
三好秋:「な、なんかやけに元気だな…?」

KP:三好はここで<心理学><目星><幸運>をどうぞ。

sccb<=45
Cthulhu : (1D100<=45) → 36 → 成功
KP:シークレットダイス

陽向に違いないことは分かるが、普段の陽向と比べて、その表情を作る顔つきがやけに幼いように見える。

まるで、見た目は大人、頭脳は子供…そんな言葉がお似合いの雰囲気を携えていることがわかるだろう。

三好秋:「(普段より幼いというか…子供っぽいというか…なんで急にこいつはこんな振る舞いをするんだ…!?)」じーーっ

そうこうしていると、あなたたちの足元に可愛いテディベアが現れる。
突如現れたテディベアはなんということだろう、ぬいぐるみの筈なのにあなたたちの周りを飛び跳ねながら話し始める。

テディベア:「ようこそ!ニャル様の楽しい楽しい脱出ゲーム部屋へ!特別大サービス、今回は超絶イージーモード!二人で協力して無事に外の世界へ脱出してね!片方だけが頑張っても絶対に出られないよ!脱出者には達成感をプレゼント~!」

と、少女とも少年ともつかない声を出しながら跳ね回るテディベアに驚くよりも先に、陽向が楽しそうにそのテディベアを捕まえて、

陽向勇真:「クマだ!これどこでしゃべってるんだ?」

と、情報を話している途中のテディベアの首をあっさりとむしりとってしまう。

楽しそうにきゃっきゃとテディベアの四肢をもいで、

陽向勇真:「あれ?わただけなんだな!」

三好秋:「テディベアがしゃべっ…勇真!?お、おい!!なんだこれは!?ドッキリなのか!?」
陽向勇真:「よくわかんないけどしゃべってるぞ!すごいな!」

子供特有の残虐性を身につけ、純粋な目でテディベアを躯に変えた陽向を見た三好は0/1のSANC。

三好秋:CCB<=50 SAN
Cthulhu : (1D100<=50) → 25 → 成功

三好秋:「勇真…何をやってるんだ 人様のぬいぐるみを壊したりしたらダメだろう!?べ、弁償だぞ…」
陽向勇真:「…っ、え…ご、ごめんなさい……うっ、」

陽向は謝りながら泣き出してしまう。

三好秋:「!?」
陽向勇真:「ぐすっ、ごめ、ごめんなさい…っ」

KP:ちょっと三好~陽向くん泣いちゃったじゃん~!

三好秋:「すまん!?ちょ、ちょっと…わ、悪かった キツく言い過ぎたな」背中をさするよ・・・
三好秋:オロオロ

陽向勇真:「う、うっ…ひっく、」泣いてる
三好秋:泣き止むまでさするわ

では、しばらくすると陽向は泣き止むだろう。

陽向勇真:「……」

三好秋:「落ち着いたか?」
陽向勇真:こくり

三好秋:「良かった…じゃあ動けるか?」
陽向勇真:「…うん」

三好秋:「…と、この部屋から脱出するんだったか」ミニテーブルを見ます

小さいお皿が二つ、一枚のメモ用紙がある。
お皿の上にはそれぞれおにぎりが一つずつ乗っている。

三好秋:「おにぎり…?メモを見てみるか」

メモ用紙には

「怪しくないよ!おいしいおにぎりです!おなかがすいたら是非食べてね!」

と手書きれている。

陽向勇真:「あっ俺おなかすいた!たべたい!」

三好秋:「いやどこからどうみても怪しいが…ちょ、ちょっと勇真まて」
陽向勇真:「たべちゃだめなのか?」

三好秋:「お、俺が確認したら食べていいからな?少しの間だけ待ってくれ」
陽向勇真:「わかった!」

三好秋:CCB<=42 聞き耳
Cthulhu : (1D100<=42) → 98 → 致命的失敗

では三好は、おにぎりを手に取ろうとするが、うっかりそれを床に落としてしまう。

ぼとっ!

陽向勇真:「あ…………お、おにぎり………」
三好秋:「あっ」

陽向勇真:「お、おにぎりが……うっ、ぐす」

三好秋:「あ、ああ、す、すまん でも大丈夫だもう一つあるから…」

三好はまた陽向を泣かせてしまうだろう。

三好秋:「あ、あああ…」
陽向勇真:「おにぎり…ひっく、う、ううっ」

三好秋:「ご、ごめんな…」よしよし
陽向勇真:「うっ、う……」

三好秋:もう一回くらい頭なでとくわ

じゃあしばらくすると陽向は落ち着くだろう。

陽向勇真:「……おにぎり、たべたい…」
三好秋:「ごめんな?おにぎりあげるから」おにぎり割って具材確かめます

おにぎりを割ると、中の具は昆布だということが分かる。
また、そのおにぎりの中には金属片が入っている。

三好秋:「なんだこれは…危ないな……はい、勇真おにぎりだぞ」金属片をとって優しく微笑んでおにぎりをあげるよ♡

陽向勇真:「おにぎり!ありがとうあきさん、いただきます!」
陽向勇真:もぐもぐ!

三好秋:「うまいか?」

三好におにぎりを手渡された陽向は、嬉しそうにおにぎりを頬張るだろう。

陽向勇真:「おいしい!」
三好秋:「それは良かったな、…落としたおにぎりの方も確かめてみるか…」

割ってみると、中から同じように金属片が出てくる。

陽向勇真:「あきさんそれたべるのか?3秒たったら落としたものはたべちゃだめなんだぞ!」

三好秋:「ああ、あったな」とるわよ

三好秋:「!?…い、いや食べないから安心しろ」
陽向勇真:「そうなのか?」

三好秋:「そ、そこまで食い意地は張っていない、うむ…この2つの金属片は持っておこう後に役立つだろうし」

三好秋:「次、行くか」ソファ!
陽向勇真:ついてくよ

とてもやわらかくて居心地がいいソファだ。
座っているとまた眠くなりそうだと感じるだろう。

それ以外何の変哲も無い。

三好秋:「ここには何も無い…な、じゃあテレビか?」行くよ

ブラウン管はリモコンとセットで置かれている。

三好秋:リモコンでテレビをつけてみる

リモコンを使うと一応付くが、どこを押しても砂嵐だ。
ブラウン管のテレビには「調子が悪い時は叩いてね」とメモ書きされている。

三好秋:「…?言われた通り叩いてみるか?」

三好が叩くと、砂嵐だった画面が綺麗になり文字が表示される。

そこには

「 頭でっかち いけません
あなたにささげた 唯一の武器
いつもと違った様子のひと
それを上手に導いて
ぽんと叩かせてあげてください 」

というメッセージが出る。

三好秋:「頭でっかち…な、なんだ?…勇真、このテレビ叩いてみてくれないか?」
陽向勇真:「てれびを?わかった!」

陽向勇真:「とぉっ!」パァン!

陽向にテレビを叩かせるとすさまじい音と共に、テレビ画面のど真ん中に風穴があく。
ブラウン管のテレビは「正解!」というプラカードを出したっきりもう二度と動かない。

陽向勇真:「あれ?こわれちゃったぞ?」
三好秋:「………」

三好秋:動揺してる

三好秋:「お、お前が力があることはし、知っていたが…壊すまでとは…」

KP:ここで<目星>をどうぞ!

三好秋:CCB<=33 目星
Cthulhu : (1D100<=33) → 84 → 失敗
三好秋:CCB<=60 幸運
Cthulhu : (1D100<=60) → 30 → 成功

三好は、この部屋の中では不思議と音が良く反響すること、もしかすると壁が薄いのではないか、ということに気付くだろう。

三好秋:「…勇真、ちょっといいか?」
陽向勇真:「うん?どうしたんだあきさん!」

三好秋:「この壁に向かってさっきみたいに叩いてくれないか?」
陽向勇真:「かべを?わかった!…たぁっ!」ドゴッ

陽向が壁に向かってパンチをすると、壁には見事に穴が開き、まばゆい光が溢れ出てきて——

***

あたりが眩い光に包まれた。

眩しさが落ち着いて来た頃に目を開くと、どういうことなんだろうか、自分達が今日参加するはずのイベント会場の入り口前だった。
慌てて時計を見ると、白い部屋に行く前と時間も日付も何も変わりない。

まさか、白昼夢でも見たのか?

あんなに頭の悪い夢を見るなんて、自分は疲れていたのかもしれない。

そう驚いて呆然とする様子の三好に、横から陽向が

陽向勇真:「どうしたんですか?」

と話しかけてくる。

三好秋:「け、敬語…」
陽向勇真:「え?」

三好秋:「な、何でもない」
陽向勇真:「けいごって誰ですか?知り合いでもいたんですか…?」

三好秋:誰よ!その男!

三好秋:「ち、違う!なんでもないと言ってるだろう!」
陽向勇真:「そうなんですか?ならいいんですけど…」

陽向勇真:「じゃあ行きましょうか」

そう話すその人は、いつもと変わりない、自分の知っている通りの陽向だ。
あれは夢か幻か、それすら分からない。

陽向勇真:「あっ俺ロッカーに荷物預けてきますよ」

ロッカーに向かう陽向の背中を追いながら「知的だ…」と、うっかり呟くことだろう。

***

その後、脱出ゲームにて二人は大いに盛りあがった。
が、うっかりあの茶番夢の影響で「壁を壊せば楽にいけるのにな」と三好は発言してしまう。

陽向勇真:「え、急にどうしたんですか?そんな脳筋みたいな…」

そう苦笑いされ、三好の推理ミスによる時間ロスで脱出ゲームの順位は二位になってしまった。

三好秋:やだ!?

少し恥ずかしかったが、いい思い出がたくさん出来ただろう。

***

脱出ゲームに参加した数日後、アドレス表記がバグを起こしたメールアドレスから三好のスマホにメールが届いた。

不思議に思いながらもメールを開けてみると…

「先日は当脱出ゲームへの参加、誠にありがとうございました。
なかなかの奮闘ぶり、ありがとうございます。

親しい神話生物から
「もっとサルみたいに暴れるのかと思った~意外~」
と、あなた方の行動は関心を集めています。
あなた方の悩んだ部分を参考に、更に複雑なギミックを追加していきたいと思います。

この度はテストプレイへの参加ありがとうございました。
また機会があれば是非よろしくお願いします。

ニャルラトホテプ」

というメールが送られてくるだろう。

あなたは謎の人物から送られてきたメールに困惑するも、そのメールは全文を見終わった後、スマホから自然消滅してしまう。

あれは、夢ではなかったのか…?そう不思議に思う三好だったが、ただひとつ、三好が吐いた言葉は

三好秋:「脱出ゲームのアプリ入れておくか…」

KP:おめでとうございます、シナリオクリアです!

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