静寂と雑踏
みそののすけ様の「堰」を使用させていただきました。
KP:なした
PL:朱来儀/マフィア(赤石)
汪飛/マフィア(NPC)
***
それではシナリオ「堰」、始めていきます。
***
日時は2018年5月、ゴールデンウィーク。
貴方たちはこれから一週間の小笠原諸島への旅行に向かうため、小さな船に乗っている。
小笠原諸島は、東京から約1,000km南にある、30あまりの島々の総称で、島の誕生以来大陸と陸続きとなったことがない海洋島だ。
大陸と一度も陸続きになったことがないため、海を越えて辿り着いた生きものは、独自の進化を遂げたらしい。
このような素晴らしい自然を持つ小笠原諸島は、2011年、世界自然遺産に登録された。
一般の人が暮らしているのは父島と母島だけで、そのほかの島も含め、人気のある観光地の一つとなっている。
船内には、貴方たちと船を操縦する船長の三人だけだ。
朱来儀:「お前と仕事以外で旅行に行くのは、なんか久しぶりだな!」
汪飛:「そうですね、俺も旅行という形ではあまり行かないので…」
朱来儀:「わはは、フェイとだと日本ばかりになるな」
朱来儀:「俺は日本語は苦手だが、まぁお前が居れば大丈夫だろ」
汪飛:「俺の好みに合わせてもらっているようで申し訳ありませんが…まあ、言葉は案外どうとでもなりますよ」
KP:一応<日本語>振っとく~!?
朱来儀:ふっとこ~!
汪飛:ccb<=51 日本語
Cthulhu : (1D100<=51) → 40 → 成功
朱来儀:ccb<=35 日本語
Cthulhu : (1D100<=35) → 12 → 成功
KP:じゃあ今日は日本語完璧です!
朱来儀:「いや気にするな 俺はお前となら別にどこでもいいからな」
朱来儀:言葉はなんとでもなる!
汪飛:「…そうですか、ならいいんですが」
汪飛:「小笠原諸島、噂には聞いていましたが行くのは初めてです。楽しみですね」
朱来儀:「そうだな…しかしGWだというのに他に乗客はいないんだな?まぁラッキーといえばラッキーだが…」
汪飛:「確かに、不思議ですね…まあ人が多いよりは都合が良いですね」
朱来儀:「そうだな」ゆっくりできるね
朱来儀:「まぁその島の事はよくわからないが、折角ボスに休みをもらったんだ ゆっくり過ごせるといいな!」ゆっくりできるといいね…………。
汪飛:「はい、俺も来儀さんもまとまった休暇を貰うのは久しぶりですし…良い旅行になるといいですね」良い旅行になるといいね
朱来儀:「あぁ、楽しみだ」
そのような話をしていると、ぽつ、ぽつと雨が降り始め、次第に天候が悪くなっていく。
気付いた時には、空にはいつの間にか暗雲が立ち込め、ゴロゴロと雷鳴が響き、波は高くなっている。
朱来儀:「!?急に天気が悪くなってきたな…大丈夫か、これ」
汪飛:「…!?こんな急に…結構な荒れ方ですね」
朱来儀:「…とりあえず中に入った方が良いかもしれないな…、」
朱来儀:「戻るぞフェイ」無駄だよ
汪飛:「そう、ですね…行きましょうか」
では、貴方たちは室内に逃げ込もうとする。
しかし
大きく船が波にのまれ、ドアに触れた時には、その身体は船から投げ出されてしまう。
朱来儀:「、っ!?」
汪飛:「…!!」
朱来儀:「ふぇ、フェイ!!」とりあえずフェイくんに手伸ばすわ!!一人は!!嫌!!!
汪飛:「っ、来儀さん…!」掴むよ!!!
貴方たちは懸命にもがくが、この荒れた大海の中ではそれもむなしく、意識を失っていくことだろう。
KP:ここで<POW*5>をどうぞ。
汪飛:ccb<=70 POW*5
Cthulhu : (1D100<=70) → 90 → 失敗
朱来儀:ccb<=70 POW*5
Cthulhu : (1D100<=70) → 68 → 成功
「島民に触れてはならんぞ」
来儀にはこのような声が聞こえるだろう。
その声の主を確かめることもできず、貴方たちは波にのまれ、意識を失う。
***
波の音が聞こえてくる。
その音で目を覚ますと、目の前には白い砂浜が。
貴方は砂浜の上に横たわっていた。
汪飛:「…う、……ここは…?」
顔を上げると、近くには見知った人の姿もある。
朱来儀:「うぅ、………」zZ
汪飛:「!来儀さん、大丈夫ですか?」起こすぞ!!
汪飛:ゆさゆさ
朱来儀:「んん……あと5時間…………」zZ
汪飛:「……すみません、流石に今は寝ている場合ではないかと…」
朱来儀:「…んー…なんだ…?起きた起き………」
朱来儀:「!?フェイ!?」起きたわ
朱来儀:「ぶ、無事か!?どこだ、ここ」
汪飛:「…おはようございます。体は無事…でしょうか」
朱来儀:「あぁ…俺は大丈夫だ。運が、良かったな…」悪いんだよ
汪飛:「俺にも分かりません…どこかに漂着したんでしょうが…」
近くには、貴方たちが乗っていた船だったであろう木の板や鉄クズが散乱している。
朱来儀:「…酷いな」
汪飛:「…よく二人揃ってここに流れ着いたものですね」
身に着けていた持ち物はあるが、旅行用の鞄などの持ち物は見つからない。
朱来儀:「荷物は見当たらないな…銃は、あるが…使えるか…?」
KP:<幸運>かな~
朱来儀:ccb<=70 幸運
Cthulhu : (1D100<=70) → 20 → 成功
汪飛:ccb<=70 幸運
Cthulhu : (1D100<=70) → 4 → 決定的成功/スペシャル
え…?では多少濡れてはいるが、服の中に忍ばせていたせいか内部までは浸透していなかったようだ。
特に問題なく使うことが出来るだろう。えっと…補正10%で…
朱来儀:「…大丈夫そうだな」
汪飛:「そうですね…運が良かったというか、何と言うか…」
朱来儀:「そう、だな……。」
朱来儀:「…そういえば、海に投げ出された時に何か声を聞いたんだ。お前も、聞こえたか?」
汪飛:「…声、ですか?いえ、俺は何も」
朱来儀:「…そうか。島民に触れてはいけない…と、確かに聞こえたんだが…お前は聞いていないのか…よく、わからない、な…」
汪飛:「触れてはいけない…?どういう、ことでしょう…」
汪飛:「島民か…」
遠くに目をやればここが小さな孤島であることがわかる。
この島の大きさにあった緑の山、小さな集落の屋根、そしてこの海岸には小さな船着き場がある。
その船着き場の方から数人の中年男性が「おうい、大丈夫かあ」とこちらへ向かってくる。
彼らはいかにも漁師のような恰幅の良さで、豪快な笑顔を貴方たちに向けてくる。
汪飛:「噂をすれば、島民だな…」
朱来儀:「あぁ、…どんな奴らかもわからない 油断は、できないな」
漁師A:「さっきの嵐はひどかったもんなあ。よく無事だったな」
朱来儀:「………なんだこの男は…。随分と馴れ馴れしいな」
汪飛:「…ですが、現状を鑑みると誰かに頼るしかありませんね」
朱来儀:「…………」
朱来儀:嫌そうだよ
漁師A:「おっ?あんたらもしかして外国人か?」
漁師B:「はー、外国から来たってのに災難だったなあ」
朱来儀:「…状況が状況、だからな…。俺は日本語はあんまり得意じゃない お前に任せる」
汪飛:「ああ、そうだ。観光のために来たんだが、途中で船が難破してな。ここはどこなんだ?」
汪飛:「…分かりました。出来る限り情報を引き出せないか試してみます」
漁師A:「ここは小々(おしょう)島っつうんだ」
漁師A:「小笠原諸島のひとつってところかね、 少し離れてはいるがな」
汪飛:「…なるほど、一応ここも小笠原諸島ではあるのか…」
朱来儀:「運がいいのか悪いのか、本当にわからないな…」
朱来儀:「小笠原諸島…船着き場があるということは、定期的に船は来るということか…?」全部中国語です
汪飛:「ああ…聞いてみますか」
朱来儀:「そうだな…頼む」
汪飛:「定期船は来ているのか?本土に帰る手段を探している」
漁師B:「定期船が来るのは週に一回だ。前回は2日前に行っちまったから、次来るのは5日後だな」
汪飛:「…5日、か…まあ、もともとその程度滞在するつもりではあったが…」
朱来儀:「帰る方法は、一応あるわけか…五日はここで過ごすことになりそうだがな」
漁師A:「まあ、あんたたち外国の人間なんだろ?せっかくだからゆっくりしてけや」
汪飛:「…仕方ないですね」
朱来儀:「………仕方ないな。荷物はないが…どうにかなるだろう」
朱来儀:また同じこと言っちゃった…恥ずかしい
汪飛:よくシンクロするね
と、貴方たちはこの島で過ごすしかなさそうだ。
この島に宿はないが、気の良い島民たちは喜んで助けてくれるだろう。
朱来儀:カ~~~地獄
そこへ「おおい!」と一人の少年が走ってくる。
朱来儀:「は?次から次へと…なんなんだこの島は」
汪飛:「…?なんだ」
彼は7歳ほどに見える、明るく人懐こそうな雰囲気を持った少年だ。
朱来儀:「なんだこの男は」
KP:7歳!
朱来儀:関係ないから
広志:「俺は広志ってんだ!兄ちゃんたちどっから来たの?」
朱来儀:「…面倒だな……適当に相手してやれ」
汪飛:「…?俺たちは中国から来た、それがどうかしたか?」
広志:「中国!?それって外国だよな!?すっげー!!」
また、少し離れた所には彼の家族がいて、おそらく散歩中に広志が貴方たちを見つけ、駆けてきた、という所だろう。
朱来儀:「それぐらい普通だろ 外国を何だと思ってるんだこいつは」
汪飛:「…外国人がそんなに珍しいのか?」
広志:「うん!この島、外人どころか本土の人だって全然来ないんだもん!すげぇよ!」
汪飛:「…そうか、観光するような場所でもない、ということか…」
朱来儀:「………俺達は見世物じゃない 用がないならどっか行け」日本語です
朱来儀:不快でした
広志:「えっ!?な、なあ…俺こっちの赤い兄ちゃんになんかしちゃった…?」
朱来儀:もうしゃべりません ツーーーン
汪飛:「……まあ、あんまり気にするようなことでもない」
広志:「えー…」
漁師A:「おい広志、祭の準備か?」
そんな会話をしていると、漁師が広志に声を掛ける。
広志:「うん!炊き出しの準備!」
漁師A:「広志、わかってるだろうけど菜恵さまのところには絶対向かうなよ。彼女は巫女なんだからな!近づくな」
漁師B:「そうそう、貴重な人柱さまじゃあ。なんかあったら大変じゃあ」
広志:「わ、わかってるって」
と広志は浜辺の石ころを蹴る。
朱来儀:「?ひとばしら…?」わかんない
汪飛:「……人柱…?」
朱来儀:「…よくわからんが、祭りがあるのか?」
汪飛:「祭りに、人柱…不似合いなような、それらしいような…といった感じですね」
汪飛:「祭りを催すのか?」
漁師A:「ワダツミ神社の大穴にダムができるからな、その祝いだ」
漁師B:「なんせ150年に一度の機会だからな。うんと雨ごいをしてな!ダムができればこの島はもっと発展するだろうな!」
と大口を開けて笑う。
汪飛:「…こんな辺鄙な島に、ダムか…」
朱来儀:「ダム…?どうでもいいが、ただでさえ馴れ馴れしい奴らが集まっているというのに、祭りなんて始まればもっと騒がしくなるな」既にイラついてる…
漁師A:「じゃあそろそろ俺たちは仕事に戻っから、ゆっくりしてけよ」
そう言って漁師たちは去って行く。
そこに残されたのは貴方たちと広志だけだ。
朱来儀:お前も帰れwwwwwww
広志:「あっなあなあ兄ちゃんたち、しばらく島にいるんだよな!?」
汪飛:「まあ、そうなるな」
朱来儀:「用がないならどっかに行けといったはずなんだが…」イライラ
広志:「じゃあ俺が島のこと教えてやるよ!」
広志はその場で、島に指をさしてどんどん説明をしていく。
広志:「あそこらへんが俺たちの家だよ。20軒くらいあるかなあ」
汪飛:「20世帯か…あまり人は住んでいないんだな」
朱来儀:「…ネズミの小屋が20もあるのか…多いな…」少ないよ
広志:「あの山見えるだろ?あそこの上にダム建設地があるんだ。で、そこにワダツミ神社があるんだよ」
汪飛:「そうか」
広志:「ここは船着き場海岸。 あっちにも海岸があるんだけど、あそこは危ないから行っちゃだめだよ。ほとんど崖になってるから、島の人だって行かないよ」
汪飛:「なるほど…」
朱来儀:「……」早くどっか行かないかなって思ってる
ここで探索箇所を公開します。
小々島地図
・住宅地
・山(ダム建設地・ワダツミ神社)
・海岸①船着き場
・海岸②立ち入り禁止
説明が終わると、彼はちらりと家族の方を見て、声を低くして尋ねます。
広志:「なあ、兄ちゃんたち……菜恵の事きらいじゃないのか?」
朱来儀:「は?」
朱来儀:得意な日本語です!
汪飛:「…誰だそれは」
広志:「今度の祭のヒトバシラ?ってやつなんだって!ダムになる場所にワダツミ神社に小さな祠があってさ。そこにつかまってるんだ」
汪飛:「……人柱、か…」
朱来儀:「?さっきから出てくるそれはなんなんだ…?ひとばしら…?」
広志:「俺、前に菜恵のこと見たことあるんだよ。すっごくきれいで、俺より10歳くらいお姉ちゃんなんだけど、『私に触っては駄目よ。やけどをするからねって』言ってさ」
広志:「でも俺それ親父に言っちまって。そしたら、山道に柵が作られちまって…」
汪飛:「火傷…?なるほど、それで人柱か」
朱来儀:「…?どういうことだ?」
広志:「もしこっそり入っても、あの獣道じゃ服が汚れてすぐにばれちまうから近寄れねえんだ……あ!」
と、広志は何かを思い出したような顔をして、自分の首にかけているネックレスを外す。
広志:「兄ちゃんたち、なあ、頼むよ!これ菜恵に、渡してやってよ」
広志:「俺の宝物なんだけどさ、お守り!」
広志は魚のネックレスを貴方たちに差し出してくる。
朱来儀:「は?何なんだこいつは 馴れ馴れしいうえに図々しいな」
汪飛:「…渡してほしい、と言われてもな…それは神社まで行け、ということか?」
朱来儀:「………こいつの頼みなんて聞く必要ないだろ」PLに向かない人間です!
広志:「うん!5日この島にいたってそのうち退屈するだろうし、観光ついでだと思ってここはひとつ!な!?」
汪飛:「…それはそうなんですが…」
広志:「なあ!お願いだよ!!」
朱来儀:「…しつこいな…くそ、最初から追っ払っておくべきだったな」
汪飛:「………」
朱来儀:困ってるwwwwww
汪飛:「…もし機会があれば渡してやってもいいが、約束は出来ない。これでいいか?」
広志:「ほんと!?それでいいよ!ありがとう兄ちゃん!!」
朱来儀:「………」
汪飛:ネックレス受け取るよ
木でできた小魚を紐でくくった、特に何の変哲もないネックレスだ。
汪飛:「あくまで機会があれば、だ。…会えるかどうかも分からないからな」ポケットにしまっとこ
朱来儀:「……フェイ…あまり優しくするな…子供は質が悪いからな。付け上がるだけだぞ」
汪飛:「…まあ、預かるだけなら構わないかと思ったのですが…一応加減は見極めているつもりです」
朱来儀:「……それならいいが。」
漁師A:「おぉい広志!そろそろ祭りの準備に戻れよー!」
広志:「ああ…ごめん俺行かなきゃ。でも、ほんとに頼んだよ!これ、秘密だからね!」
広志は何度も振り返りつつ家族の元へ戻っていく。
朱来儀:「…なんだったんだ」
汪飛:「さあ…とりあえず、今からどうしますか?」
朱来儀:「まぁ、五日はこの島に滞在することになったからな…。行きたかった場所とは違うが…折角だし観光していくか…」
汪飛:「こんなところ、二度と来る機会もないでしょうからね…しかし、観光、と言っても…」
汪飛:「…それこそ、先ほど話に聞いた…神社、でしょうか」
朱来儀:「………そう、なるな…」ウワ
朱来儀:「あいつの言うことを聞くわけじゃないさ 観光ついでだ いなかったらそのネックレスだって放っておいて帰ればいい」
汪飛:「…そうですね、とりあえず向かってみましょうか。正直あまり期待は出来ませんが…」
朱来儀:「他に行くとこもないしな…」
KP:では神社に向かうということでいいですか?
朱来儀:いいですよ
***
大きな山ではないが、手つかずの森で道も獣道となっており、大穴まで上るのに1時間ほどかかるだろう。
島民の話では、ダム建設予定地の大穴と、その中にワダツミ神社があるとのことだ。
汪飛:「当たり前だが、整備なんてされていないな…まあ、この先に人柱なんてものを繋いでいるなら、妥当と言えば妥当だが…」
朱来儀:「…?さっきから出てきているその、ひとばしら…っていうのは何なんだ?」
汪飛:「…ああ、人柱というのは、古来日本で行われていた風習ですね」
朱来儀:「風習?どんなものなんだ?」
汪飛:「生贄の一種…と言えば分かりやすいでしょうか」
汪飛:「平穏無事を願って人を生き埋めにするのですが…おそらくこの場合は、水に沈めるということでしょうね」
朱来儀:「生贄……なるほど、それで捕まっている…と言っていたのか」納得した
汪飛:「今では廃れた風習だと思っていましたが…こんな島だと残っているものなんですね」
朱来儀:「そうだな、島のネズミは何食わぬ顔で仲良しごっこをしている割に生贄なんてものを出していたのか、やはり信用は出来ないな」
朱来儀:「きっとあの子供も人柱の意味をわかっていないんだろう 村の連中に騙されて、笑えるな」
朱来儀:酷いこと言っちゃった!
汪飛:「そうですね…何も知らずに祭りの準備を手伝っていた、というわけですね」
汪飛:「まあ、そういった風習なら外部の俺たちが口出しするようなことでもないですね」
朱来儀:「あぁ、俺達には関係ないことだな」
そんなことを話しながら頂上まで上ってみると、確かに大穴があった。
機械で掘られた感じはせず、コンクリートで固められてもいない、自然にできた大穴のようだ。
へりに海神(ワダツミ)神社と書かれた鳥居があるが、これと言って変わったところはない。
ワダツミ神社は大穴の中にあった。
汪飛:「…!これは、すごいな…ここまでとは…」
朱来儀:「これか…、すごいな…掘られた感じは…ないな、これが自然に出来たのか…?」
汪飛:「正直期待していませんでしたが、なかなか迫力がありますね…」
朱来儀:「あぁ…これは驚かされたな…神社も穴の中にあるのか……降りてみるか?」
汪飛:「はい、行ってみましょうか」
朱来儀:降りる
大穴の中央の深いところにあるのが社のようだ。
降りてみるとその社の小ささに驚くことだろう。
賽銭箱などもなく、ただただ石が積みあがってできた蔵のような社があるのみだ。
古く厚みのある壁に囲まれ、施錠のされた頑丈そうな扉と、少し高い位置にある通気口のような小さな窓がある。
汪飛:「…遠目に見ると気付かなかったが、近くで見てみると…」
朱来儀:「なんだ?こんなものか…?これは…騙されたな…」
汪飛:「…そうですね…」
朱来儀:残念そうで草
朱来儀:写真撮ろうと思ったのに!ガッカリです
朱来儀:スマホないのかーー!
KP:スマホは死んでます
朱来儀:エーン
朱来儀:「というか神社なのかも怪しいな…」
汪飛:「…話とは違いますが、ここに誰か居るんでしょうか…?」
朱来儀:「いるとするなら……その人柱か…?」
汪飛:「…でしょうね」扉見る!
扉には頑丈に鎖が巻き付けられており、施錠されている。
<鍵開け><機械修理><DEX*2>できれいに開けることができそうだ。
朱来儀:「施錠されているな…どうにかなるか?」
汪飛:ccb<=61 鍵開け
Cthulhu : (1D100<=61) → 13 → 成功
朱来儀:いいぞ~!
汪飛:「…試してみます」
フェイが鍵を外そうと試みると、鍵はカチャ、と音を立て外れる。
朱来儀:「お、開いたか?すごいなフェイ!」お前は有能だ
汪飛:「そこまで複雑な造りではなかったようです…様子を伺ってみましょうか」
朱来儀:「そうだな」中覗くよ~~
中を覗くと、そこには少女が居た。
17歳ほどに見えるその少女は、黒髪に赤い瞳、白い肌、白装束をまとって柱の前に座り込んでいる。
その柱から彼女の足には、長く重そうな鎖が繋がれていた。
KP:ここで<目星>をどうぞ。
朱来儀:ccb<=68 目星
Cthulhu : (1D100<=68) → 50 → 成功
汪飛:ccb<=68 目星
Cthulhu : (1D100<=68) → 79 → 失敗
来儀は、彼女の周辺が黒く焦げている、ということに気付く。
朱来儀:「…火傷……なるほどな…」
すると、中から
「だ、誰かいるの?」
と女性の高い声が聞こえてくる。
朱来儀:「なんだ、気づかれたか…とっととネックレスを渡して離れるぞ」入るか
朱来儀:返事はしない
汪飛:「そうですね…ああ、お前が菜恵という女か?」
朱来儀:名前を呼ぶな~~~!!!
朱来儀:女ァ!!
汪飛:呼んでるか…?
菜恵:「はい、私は、菜恵です…」
朱来儀:「人柱か」呼び方~!
朱来儀:日本語です
菜恵:「!知っているのね…どうしてここへ?」
朱来儀:「は?なんだ、この女は自分が人柱だとわかっているのか。…フェイ、ネックレスを渡してやれ」
汪飛:「はい…広志、という少年からお前に預かりものだ」
菜恵:「ひろし…くん?」
菜恵:「あ、もしかして、1年くらい前に一人ここに男の子が来たわね。その子かしら…」
朱来儀:「知るか」
汪飛:「詳しくは知らないが、多分それで間違いないだろう。ほらこれだ」ネックレス差し出すよ
フェイがネックレスを差し出すと、彼女はとても悲しそうな顔をする。
菜恵:「ありがとう…でもごめんなさい。受け取れないわ…私が触ると、焦がしてしまうから」
汪飛:「焦がしてしまう?どういう意味だ」
朱来儀:「焦がす……お前の周りも黒くなっているな。…何をしたんだ?」
菜恵:「私が…人柱、というのは聞いているのよね?」
菜恵:「私が人柱なのはね、『ヒヌカンの民』だからときいたわ。ヒヌカンの血族というのはね、見て…」
汪飛:「…?」
朱来儀:「?」見る…
そう言って彼女は目の前の食事のトレーから、箸を取り、ぎゅうと握る。
すると、その手から、焦げるようなにおいと、少しの黒い煙が立つ。
菜恵:「こういう力があるの。私の身体はとても熱くて…そして、私の怒りが、この力を増すの」
汪飛:「…なるほど。これが人柱に選ばれた所以というわけか」
朱来儀:「!?…力…なるほど…それで人柱か」
朱来儀:恥ずかしい!
汪飛:「その…ヒヌカン、というのは一体何なんだ?」
菜恵:「ごめんなさい、私もそれ以上は詳しく知らなくて。ただ、ヒヌカンや祭のことが知りたいのであれば…」
菜恵:「…そうね、洞窟に何かあるかもしれないわ。ずっと幼い時の記憶で…一番古い記憶」
菜恵:「場所をはっきり覚えていないのだけれど、海の近くよ。大きな岩が切り出していて、人の姿がないの」
汪飛:「…洞窟があるのか、分かった」
朱来儀:「………そんなことはどうでもいい」
朱来儀:「お前の事情はわかったが、受け取ってくれないとこっちが困る 触らなくてもそのへんに置いておけばいいだろう」
朱来儀:日本語!
菜恵:「…そうね…あの子には、あげたということにしてほしいし…」
菜恵:「わかったわ。そこに置いておいて」
菜恵:「…ああ、でも、ここに置いてあるのが見つかったらあの子が怒られてしまうわね…」
朱来儀:「は?じゃあどうしろというんだ」
汪飛:「まあ、それもそうか…普通は立ち寄っても良いような場所ではないからな」
菜恵:「…できれば、貴方たちに代わりに持っていてもらいたいのだけれど…」
朱来儀:「…この島がもう図々しいネズミの巣だな」
汪飛:「…そうか…まあ、これを持っていたからといってどうなるわけでもないからな…」
朱来儀:「…」
菜恵:「少しの間、貴方たちには話を合わせてもらうことになるけれど…どうせ今日で終わるんだから、お願い」
朱来儀:「………面倒だ。もういい、持っているだけだからな 邪魔だと感じたらすぐ捨てる それでいいか?」
菜恵:「…ええ、それで十分よ。ありがとう。それでも今日だけは、お願いするわね」
汪飛:「…分かった、ではこれは預かっておく」ポケットにしまおう
朱来儀:「…行くぞ、フェイ」
汪飛:「はい」
朱来儀:「…渡して終わりのつもりが、厄介なことになったな」
汪飛:「…まあ、少しの間適当に嘘をつく程度なら、そこまでの面倒にもならないかと」
汪飛:「相手が子供ですしね」
朱来儀:「俺達は場所は違えど観光に来たのに、意味が分からない理由でネズミに邪魔されるのが嫌なんだ…なんなんだこの島は」
汪飛:「…それは…仕方ないですね。閉塞的な空間がそうさせるのかもしれません」
汪飛:「そういった雰囲気の観光は今回は諦めて…次の旅行に期待するしかないですね」
朱来儀:「……そうだな。次はもっと違うところに行こう…。まぁ、今は邪魔が来る前に観光を続けるとするか…まぁ、観光できる場所が少なすぎるが…」
汪飛:「…洞窟、でしたか?」
朱来儀:「…そうなるな…何があるかわからないが…20もあるネズミの巣を見るよりはマシだろ…」
汪飛:「…行きましょうか、来儀さん」
朱来儀:「あぁ…」行くよ~~
***
海岸に向かうと、確かに岩がむき出しの足場の悪い海岸がある。
菜恵の言っていたであろう場所を探すには、<目星>と<DEX*5>に成功する必要がある。
汪飛:「これは確かに…危険だな」
朱来儀:「こんなとこにあるのか?」
汪飛:ccb<=(18*5) DEX*5
Cthulhu : (1D100<=90) → 74 → 成功
朱来儀:ccb<=(17*5)
Cthulhu : (1D100<=85) → 39 → 成功
汪飛:ccb<=68 目星
Cthulhu : (1D100<=68) → 52 → 成功
朱来儀:ccb<=68 目星
Cthulhu : (1D100<=68) → 2 → 決定的成功/スペシャル
るどちゃん:お前今日えらいな~!
KP:今回まだね…SANCがないんですよ~!
るどちゃん:この調子で頼みますよ
KP:補正15%あげます!
貴方たちは、じゃぶじゃぶと波が打ち付けられている岩場の陰にくぐれそうな隙間があることが分かる。
朱来儀:「…あそこから入れそうだな?」
汪飛:「そうですね、行きましょうか」
朱来儀:「そうだな」行くぞ~~~~~
くぐって入ってみると、奥に4畳ほどの空間があった。
そこはまるで、イタリアの青の洞窟のように美しい空間だった。
石灰質の白い海底により、太陽光の青がライトアップされたように、自然な鮮やかな青となって映っているのだ。
汪飛:「!見事なものだな…こんな場所があったのか」
朱来儀:「これは、……洞窟なんて何もないと思っていたが…綺麗だな!」
汪飛:「綺麗ですね…結構な穴場かもしれません、こんなものが見れるとは思いませんでした」
朱来儀:「そうだな…!ボスに写真でも送ってやりたかったが…携帯はもうあの有様だからな…」
KP:え~~~<幸運>振る~?
朱来儀:振ります!
汪飛:ccb<=70 幸運
Cthulhu : (1D100<=70) → 21 → 成功
朱来儀:ccb<=70 幸運
Cthulhu : (1D100<=70) → 28 → 成功
じゃあスマホは奇跡的に息を吹き返した!だが充電はギリギリだし電波も入っていない!
朱来儀:「!?いや、壊れてないな…、電波はないが…使えそうだ」
汪飛:「意外と丈夫なものですね…俺の方も写真ぐらいなら何とかなりそうです」
KP:<写真術>行っとく~!?
朱来儀:「これならボスに送れそうだな!」
汪飛:ccb<=10 写真術
Cthulhu : (1D100<=10) → 51 → 失敗
朱来儀:ccb<=10 写真術
Cthulhu : (1D100<=10) → 54 → 失敗
普通に綺麗な感じの写真を撮ることができた!
朱来儀:パシャパシャ
汪飛:AirDropで送ろう
朱来儀:フェイくんのこともとっとこ パシャ
汪飛:「…俺も撮るんですか?」
朱来儀:「記念にな」
汪飛:「…記念なら、来儀さんも映った方がいいんじゃないですか?」
朱来儀:「…そうだな。折角だし、二人で撮るか!」
汪飛:「そうですね…折角ですから」
朱来儀:来儀の携帯でとりま~~~~~~す^^
パシャ!
では、貴方たちは満足いくまで写真を撮ることが出来た。
朱来儀:「わはは!これもボスに送っておくか!」送った!
無事ボスに写真を送ることも出来た!
写真も撮り一旦落ち着いたところで洞窟の中を見てみると、半分は陸のようになっており、以下のものがある。
木の箱/漂流物のたまったゴミの山
朱来儀:「ん?何かあるな…?」木の箱見に行く
汪飛:「…?」見るか
どうやら、誰かが簡易的な机として使っていたようだ。
一冊の黒い手帳が置かれている。
朱来儀:「手帳か…?なんでこんなところにあるんだ…?」見るよ
汪飛:「手帳?何故こんなところに…」
汪飛:かぶった
朱来儀:wwww何回目wwww
KP:<図書館>どうぞ!
汪飛:ccb<=65 図書館
Cthulhu : (1D100<=65) → 60 → 成功
朱来儀:ccb<=25 図書館
Cthulhu : (1D100<=25) → 36 → 失敗
手帳は日記のように使われている。
これを読んだ貴方たちは、0/1のSANCです。
また、クトゥルフ神話技能が+1されます。
汪飛:ccb<=96 SAN
Cthulhu : (1D100<=96) → 80 → 成功
朱来儀:ccb<=51 さんち
Cthulhu : (1D100<=51) → 61 → 失敗
最後のページにこのような記述がある。
私は今まで宇宙的事件に何度も遭遇した。
この星は宇宙のエネルギーと密接にかかわり、得も知れぬ宇宙的な、神や宇宙生物と呼べるものの存在があるのだ。
そして私はその経験から、この島の伝説を耳にし、訪れることにしたのだ。
その伝説とは、この島の祖先はその昔、幾多の叡智を持つこの星のものではない…甲殻虫のような生物と遭遇したというものだ。
私の研究が確かなら、その生物はとある菌を島民に植え付けた。
菌は自らの胞子を撒くことにより、人間の体内に侵入する。
私も5日もいればその菌が蓄積され、体を浸食することだろう。
また、島民に触れることにより、菌に感染するであろう。
菌は人体と融合し、長期の潜伏期間に入る。
そしてユゴスという星が近づく夜、彼らは儀式を行ことだろう。
ユゴスが最も地球に近づく時、彼らは本能に従って雨ごいの儀式を行い、その体内菌が活発化する。
とはいえ火に弱く高い温熱により繁殖を制御されるその菌は非常に弱く、人間を脅かすことはない。
…はずだが、この島はどうも様子が違う。
ただの雨ごいではなく、人柱を立て、祭という新たな形の儀式を生み出そうとしていたのだ。
人柱の少女については十数年前にこの青の洞窟に打ち捨てられていたというが…島民に聞いてみても要領を得ない。
おそらく、少女はヒヌカンの民ではないだろうか。
私はかつて彼らの一族に会ったことがある。
ヒヌカン族という云わばシャーマンの血を引いており、怒りを宿すことにより神通力を高めるという。
彼らの身体は熱を持ち、触れば樹木など容易に焼き焦がすことができるであろう。
これは仮説であるが、彼女が儀式でむごく死んだときにこそ、その熱は地熱のようにこの島を活性化させる。
そしてその気流により菌は世界全体にばらまかれ、人類のみならずあらゆる生物を滅ぼすのではないだろうか。
しかし、儀式の日というのも先の事であるし、私はこの島に3日も滞在した。
とにかく今はこの島をはなれなければ。
そういえばヒヌカンの民にもらった美しい魔石があったはずだ。一応持っておくか。
うむ、誰かが来たようなことであるし、本日の調査は以上で終了とする。
…という内容だ。
朱来儀:「こ、これは…………」
汪飛:「……これが本当だとすれば、まずいですね」
朱来儀:「……五日…五日待って船で帰ればいいと思っていたが…どうやらそういうわけにもいかないみたいだな」
汪飛:「…それもそう、ですし…儀式も、かなり怪しくなってきましたね」
朱来儀:「島民に触れてはいけない…そういう意味、だったのか…あぁ、ネズミたちも準備を進めていたし…あの女もやけに今日にこだわっていた…まずいな」
汪飛:「儀式が今日…だとすると…」
朱来儀:「………やめさせるぞ、フェイ」
汪飛:「……はい、止めないといけませんね」
朱来儀:「あぁ。触れられるだけでアウトだが…銃なら距離も取れる だが油断はするなよ」
汪飛:「来儀さんも、気を付けてくださいね」
朱来儀:「…あぁ」オォオ~洞窟出るぞ~~
貴方たちが海岸から出て行くと、広志が焦った様子で貴方たちを呼びながら走ってくる。
広志:「兄ちゃんたち!俺、とんでもないこと聞いちゃったんだ…!」
広志:「菜恵、生贄だっていうんだよ!人柱って、いけにえのことだったんだ!!」
朱来儀:「くそ、来たか お前に構ってる暇はない」
汪飛:「…そのことか」
広志:「ワダツミ神社ごとダムにして沈めるって!そんなのあんまりだ、かわいそうだよ…」
広志:「なあ、菜恵のこと助けてやってくれよ!どうせ祭りの時にはみんなダムの上で雨ごいをするんだ。誰も中なんて確認したり見たりしないって」
広志:「だから、祭りの前に鎖を外してやって!この通り!!」
朱来儀:「…わかっている!お前に言われなくてもそうするつもりだ。もう俺達に関わるな!!」菌なのでもっと当たりきついです…
汪飛:「もともとそうするつもりだった、やれるだけのことはやる。その結果どうなるかは知らないがな」
広志:「何でもいいから!頼むよ!!」
広志:「俺の父ちゃんの漁船、使っていいからそれで逃げて!俺、あとでこっそりエンジンかけておくよ!」
広志:「動かすのは簡単だし、それに船の説明書も置いておくよ!なあ、頼むよ!」
朱来儀:エッ!!
朱来儀:サンキュー!
朱来儀:掌返しのチャイニーズだ!
朱来儀:「は!?」
汪飛:「!!そうか…それは助かるな、感謝する」クルー
朱来儀:「そ、そうか。わかった、女の事は任せろ…」掌クルー!
手の平高速回転!
貴方たちが広志の頼みを承諾すると、父親に呼ばれてしまったようだ。
広志:「ああっ呼ばれた!あ、これ工具…!!父ちゃんの工具箱からちょっとだけくすねてきたんだ」
と言って、貴方たちに渡す。
朱来儀:「あ、あぁ、使わせてもらう…」受け取る~
汪飛:「分かった、船のことは任せた。頼むぞ」
朱来儀:wwwwwww
広志:「兄ちゃんたち、ごめんな!頼んだよ!菜恵を逃がしてよ!もう時間がないんだ…!!」
などと小さな声で言いながら何度も振り返り、後ろ髪を引かれる様子で父親のもとに行く。
朱来儀:「まさかあの子ネズミが船を用意するなんてな…よくわからんが、助かったな…」
汪飛:「そうですね…儀式を止めて、船で島を出れば…」
朱来儀:「……あいつも言っていたように、もうあまり時間もなさそうだな…。急ぐぞ、フェイ」」
汪飛:「はい、来儀さん!」走るか!!
朱来儀:走ろう!!
朱来儀:DEX17!
汪飛:DEX18!
メッチャ早い!!30分くらいで着きます!
***
貴方たちが再び社に向かう頃には、夕方に差し掛かってきていた。
朱来儀:扉バン!!!!女ァ!
菜恵:「!?どうして…?」
菜恵は貴方たちの再来訪に驚いているようだ。
朱来儀:「時間がない。今からお前に繋がれている鎖を切る、切れたらすぐに逃げろ!」
菜恵:「え…!?そんな、だめよ、私は人柱なのよ…!?」
朱来儀:「黙れ。お前のせいで人類が全滅してもいいのか?」
汪飛:「俺たちだって、本来なら関与するつもりもなかったが…事態が変わった」
菜恵:「人類が、全滅…?ど、どういうことなの?」
朱来儀:「ここの島民には菌が植え付けられている…!そしてお前が死んだ時、ヒヌカン族であるお前の熱が菌を活性化させるんだ」
朱来儀:「わかるか?その後は菌が全国にばら撒かれて人類まとめて感染だ…!お前が駄々をこねている時間はない 儀式が始まる前に、ここを離れろ!!」
菜恵:「!」
菜恵:「そんな、私のせいで…!」
汪飛:「…そういうことになるな」
朱来儀:「嘆いていても仕方ない…!お前のせいにならないためにも逃げろと言っているんだ!」
菜恵:「……わかったわ。私、あなたたちに従います。どうしたらいいの?」
そう納得し、 貴方たちに同行することになる。
朱来儀:「…とりあえず俺達が鎖を切る フェイ、やるぞ」切るよ~~~~
汪飛:「はい…!」やるよ!!
では、少し苦戦しながらもなんとか鎖を切ることが出来るだろう。
KP:<聞き耳>をどうぞ。
朱来儀:ccb<=66 聞き耳
Cthulhu : (1D100<=66) → 8 → スペシャル
汪飛:ccb<=81 聞き耳
Cthulhu : (1D100<=81) → 26 → 成功
自分の頭上から、お経のような、低い歌声が聴こえてくるのが分かる。
その歌声は一人だけのものではない。
何十人もの、低くうなるような、抑揚のない声…。
それでも貴方は、それが何かを称える歌であることを本能で感じ取ることだろう。
朱来儀:「!?まずいな、」
汪飛:「!これが、儀式か…くそ、かなり時間が迫っているようだな…!」
朱来儀:「…まだ、間に合うだろ…出るぞ…!」
汪飛:「っ、急ぎましょう…!」
外に出てみると、異様な風景が目に広がる。
40人を超える島民全員が、そのダムを囲むように丸く円をかいて、両手を上げ、日が沈み始めて一番星が光る空に向かって歌を歌っているのだ。
だんだん目が慣れてくると、貴方は、その島民の異常さに気付くことになるだろう。
島民のその身体はまるで水死体のように、白くやわらかくぶくぶくと膨らみ、口や鼻、そして目の淵からは、泡のような胞子が噴き出している。
その中には広志とその家族の姿もあった。
朱来儀:キモ!!!
広志も同じく、その小さな身体は白くぶくぶくと粟立ちはじめており、眼球が溶け出したのか、片方の瞳が黒く落ちくぼんでいる。
そして貴方たちに気付くと、こちらに向かって一歩足を踏み出し、醜くしわがれた声で呟く。
広志:「なんでえ…これ、なんで…?にいちゃん…俺、どうなってんの…」
朱来儀:wwwwwwwwwwww
KP:なにわろてんねん
その姿はまるで腐ったエリンギのようだ、と貴方たちは思うだろう。
朱来儀:エリンギ…
この異様な光景をみた貴方たちは、1d4/1d10のSANCです。
汪飛:ccb<=96 SAN
Cthulhu : (1D100<=96) → 87 → 成功
朱来儀:ccb<=65 さんち+15
Cthulhu : (1D100<=65) → 97 → 致命的失敗
朱来儀:本当やだ~~~~!!!
KP:wwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
汪飛:1d4
Cthulhu : (1D4) → 1
朱来儀:1d10
Cthulhu : (1D10) → 9
朱来儀:バーーーーーカ!!!!!!!!!
KP:汪飛のSANが1減少(SAN:96->95)
朱来儀:ccb<=65 アイデア
Cthulhu : (1D100<=65) → 1 → 決定的成功/スペシャル
るどちゃん:死ね
朱来儀:short
Cthulhu :一時的狂気(7[7]) → 幻聴或いは一時的難聴(聞き耳半減。この症状の探索者に精神分析や説得などを試みる場合は技能値に−10)
朱来儀:1d10
Cthulhu : (1D10) → 3
今から7R、一時的狂気:幻聴です。
汪飛:「…こう、なるのか…悲惨だな…」
朱来儀:「な、なんだ、この、音…!?や、やめろ…!!?」混乱してるからその辺のエリンギ撃っちゃうかも~~
KP:なるほど、ロールどうぞ
朱来儀:ccb<=75 両手利き
Cthulhu : (1D100<=75) → 27 → 成功
朱来儀:ccb<=90 拳銃
Cthulhu : (1D100<=90) → 22 → 成功
朱来儀:ccb<=90 拳銃
Cthulhu : (1D100<=90) → 47 → 成功
朱来儀:ccb<=90 拳銃
Cthulhu : (1D100<=90) → 31 → 成功
朱来儀:右手終わりました!
朱来儀:ccb<=90 拳銃
Cthulhu : (1D100<=90) → 31 → 成功
朱来儀:ccb<=90 拳銃
Cthulhu : (1D100<=90) → 97 → 致命的失敗
朱来儀:wwwwwwww出た!
KP:左手終わり!!
朱来儀:1d6+1d6+1d6
Cthulhu : (1D6+1D6+1D6) → 3[3]+5[5]+2[2] → 10
朱来儀:「嫌だ、止まれ止まれ…、!!」バンバン~~!!!
錯乱した来儀の撃った弾丸は、キノコと化した島民の集団に命中する。
空にはもくもくと暗雲がたちこめ、そこから、ぼつ、ぼつと、大粒の雨が落ちてくる。
島民たちはおぞましいうめき声をあげながら、それでも歓喜するように両腕だったものを振り上げ、雨ごいをする。
するとみるみるうちに雨足が強まり、あっというまに滝のように降り注いだ雨が、ダムの底に浸水していく。
朱来儀:キモッ
汪飛:「くそ、まずいな…!」
菜恵:「やめて!ここにいるのは私だけじゃないのよ!他の人もいるの!とめて!!」
菜恵が悲痛な声をあげてそう叫ぶが、誰もその声に反応する者はいない。
菜恵:「こんな…ひどい…」
貴方たちは気付くだろう。
彼女の瞳がさらに赤く光っていることに。
るどちゃん:クルタ族じゃん!
そして次の瞬間、菜恵は島民の集団に向かって拳を振り上げる。
菜恵:6d10
Cthulhu : (6D10) → 47[8,4,10,9,10,6] → 47
るどちゃん:!?!?!??!?!?
すると、彼女の拳から一筋の雷のような炎が飛び出し、彼らに《47のダメージ》を与える。
汪飛:「…!?な、なんだ…!?」
朱来儀:「…、!?」この男はダメです
島民の集団は真っ黒な炭と化し、その炎は周りの木々を燃やしていく。
戦闘開始です。
島民の集団1 (開始時には死亡)
島民の集団2 HP10減少
島民の集団3
広志の家族 HP12
広志 HP6
大穴の底はみるみるうちに浸水していくので、貴方たちは上に上りながら行動を行うこととなるだろう。
その際技能にマイナス補正などは入らない。
島民の集団は、空を見上げ歌を歌うばかりだ。
降り注ぐ避けようのない雨は、貴方たちの肌をピリピリと焼いていく。
貴方たちは毎ラウンド終了時に、この不浄の雨によりダメージを受ける。
~戦闘ダイジェスト~
菜恵の拳により集団3は焼き払われ、フェイの放った銃弾によって集団2は屠られた!
そして、狂気により混乱状態に陥った来儀は、広志とその家族を全キルしたのだった…
戦闘終了です。
朱来儀:「い、嫌だ…何だ、これ…、くそ、」発狂してるんですけど!
朱来儀:バーーカ!
朱来儀:お前の事嫌いだよ!!
汪飛:「…っ、よし、これで…!」
朱来儀:「う、…!!…止まれ、止まれ止まれ!!」耳ふさぎま~~~す
汪飛:「…来儀さん?何を…」
来儀の脳内に響いていた幻聴も、次第に薄れていくだろう。
(7Rは長く見積もっても1分半程度だろう、と思っての処理です)
朱来儀:「…っ、」
朱来儀:「あ、れ……治まった、か…?」
島民たちを薙ぎ払い大穴の上に登り切ったときには、山は炎に包まれ始めていた。
ここに長くいることは難しいだろう。
汪飛:「…これは、まずいか…っ?」
すると、菜恵が山のふもとを見下ろして「こっち…!」と走っていく。
その方向が船着き場であるということを貴方たちは知っているだろう。
汪飛:「!行きましょう来儀さん…!」
朱来儀:「あ、あぁ、フェイ…!」行くぞ~~~ウオオ
***
必死に走り、船着き場まで辿り着くと、そこには1隻の漁船があった。
菜恵:「よかった…」
朱来儀:「助かった、な」
汪飛:「…約束は、果たしてくれたようだな」
貴方たちが菜恵を見ると、気付くことがある。
燃えるような赤だった菜恵の瞳が、黒くなっているのだ。
そして、大地の上を、草の上を歩いているのに、その足元の草は焦げることはない。
朱来儀:「…?お、お前の瞳…黒色だった、か?」盲信者と同じだよ~~
汪飛:「…?変わっているような、それに、足元も…」
菜恵:「…!」
菜恵:「うそ、こんな日が来るなんて信じられないわ…!」
汪飛:「…怒りが力を増す、だったか…」
菜恵:「ええ、私…なんだかとてもすっきりした気持ちなの」
菜恵:「沸々としていた気持ちがなくなって。変よね、あんなことしてしまったのに」
汪飛:「…そうか」
菜恵:「最期に、こんな気持ちになれるなんて…思ってなかったわ」
朱来儀:「………お前はこの後どうするつもりだ?」
菜恵:「…私はあの洞窟に行きたいの。あの美しい青の、私の洞窟…」
菜恵:「最期は、そこで…それが、私の望みなの」
朱来儀:「…そうか。好きにすればいい」
汪飛:「…なるほど」
菜恵:「ええ。…ねえ、まだ、ネックレス持ってる?」
汪飛:「あれか…確かここに…」
朱来儀:「……渡してやれ。これで終わりだな。」やっとだよ
汪飛:「…そうですね。思えば長かったような気もしますが…一日のことなんですね」
朱来儀:「…そうだな。早く帰って次の旅行のことでも考えるか。」
汪飛:「…ほら、あの子供からお前への贈り物だ。お守り、だそうだ」渡すよ
菜恵:「!ありがとう…!」
菜恵は嬉しげに微笑みながら、フェイの手を包み込むようにしてそれを受け取る。
貴方はその時、ピリッとした痛みを感じるだろう。
KP:フェイはHPを1減らしてください。
KP:汪飛のHPが1減少(HP:10->9)
汪飛:「…っ!」
菜恵:「ご、ごめんなさい、まだ少し、怒りがあるみたい…」
汪飛:「……いや、大丈夫だ」
朱来儀:「…?」わかんない・・・・
菜恵:「ええ…あの洞窟に帰れば、この怒りも、きっと消えていくわ…」
菜恵:「…あなたたちはそろそろ行って。今日は本当にありがとう」
汪飛:「…そうだな……行きましょうか、来儀さん」
朱来儀:「……あぁ。行くぞ、フェイ」
船に乗り込むと、エンジンはすでにかかっており、操縦席には操縦説明書が置いてある。
これがあれば船を動かすことも出来るだろう。
汪飛:「操縦したことはありませんが…何とかなりそう、ですね」
朱来儀:「あぁ、これなら、帰れそうだ」
汪飛:「はい…良かったですね」
朱来儀:出航します!!!
出航して菜恵の方を振り返ってみると、菜恵は小さく手を挙げて見送っている。
その表情はとても満たされているように見えた。
汪飛:「…」
朱来儀:「久しぶりの旅行だと思ったら…ひどい目に合ったな」
汪飛:「そうですね…船も海も、暫くは遠慮したいですね」
朱来儀:「わはは!そうだな。…次は何処に行くか 今度はこんなことに巻き込まれないといいけどな!」
汪飛:「それは御免被りたいところですが…次は、もっとゆっくりできる旅が良いですね」
朱来儀:「俺も賛成だ とりあえず今日は、帰ってゆっくりするか」
汪飛:「…はい」
船が幾分か進んだところで、菜恵が船に背を向けて走っていくのが目に入る。
その方向は、あの隠された洞窟のようだった。
***
船は波を切って進んでいく。
本土が見える。あと数時間もすれば着くだろう。
雨もやみ、空では夕焼けと夜とが混ざり合い、美しい星々がその姿を見せ始めた。
そこで、フェイは、体がムズムズとする感覚を覚える。
特にじんじんとして痛みの取れないその右手を見れば、白い胞子が、泡のように溢れ出てきている。
全身が熱い。
貴方はそう感じることだろう。
汪飛:「……!」
汪飛:「………これ、は………」
朱来儀:「?どうした、フェイ。」
汪飛:「…………いえ…………そうか……あの時、か」
朱来儀:「?…具合でも悪いのか?」おでこ触ろうとします…
汪飛:「!やめてください…!」避けます
汪飛:「…………すみません」
朱来儀:「!?」
汪飛:黙って船のデッキの方に出ます
朱来儀:「い、いや…フェイ…?」
朱来儀:「どうしたん、だ…」
汪飛:「…どうやら、俺もここまでのようです」
朱来儀:「え…」
汪飛:右手を見せます
その手の平からは、白い胞子が溢れ出している。
朱来儀:「………っ、!?」
貴方は否が応にも、全てを悟ってしまうことだろう。
朱来儀:「…ま、さか…………」
汪飛:「………俺も、感染した…ということでしょうね」
朱来儀:「ま、まて、まだ、何か、戻れば何か方法が…、戻ろう、フェイ、島に…、」
汪飛:「…戻れませんよ、もう…あの島は焼けて、菌は断たれて…本当はそれで終わる、はずだったんでしょう」
朱来儀:「…でも、何か残ってるかもしれない…、何か……お前を、救える方法…が、…」
汪飛:「………何となく分かるんです。こんな仕事をしてきたからですかね…死に対する嗅覚、のようなものでしょうか」
汪飛:「命を軽々しく棄てるつもりはありませんでしたが…いつかは、と覚悟はしていました」
朱来儀:「やめろ、そんなこと言うな、だって、ほら…次の旅行だって…、な、フェイ…今度は…、次は…日本じゃなくてさ、違う国なんて、どうだ、……新しいとこに、二人で…………」
朱来儀:「まだ行っていないとこ所を、二人で巡るんだ…、色んなとこのお土産とかもってさ、ボスも喜ぶと思うぞ……な、フェイ…っ、」
汪飛:「………………」
朱来儀:「お前はケーキが、好きだから、そういうので有名なところも、いいな…っ…ホールケーキだって、なんだって買ってやる…、なんならアイリスとぴょん吉の餌だって、…だから、…っ…だから、フェイ………、」
汪飛:「………そんな顔、しないでください…なんて、俺が言うのは酷かもしれませんが……」
朱来儀:「いやだ………いやだ、フェイ……ボスもモブもアイリスもぴょん吉だって…、みんな、みんな俺達の事を待っている……一緒に帰ろう、…っ、」
汪飛:「……………」黙って首を横に振るかな…
朱来儀:「……っ、フェイ…」
汪飛:「…アイリスたちのこと、よろしくお願いします」
朱来儀:「…駄目だ、フェイ…、俺は、お前が居ないと…、…」
汪飛:「…………来儀さん」
汪飛:「これ、覚えてますか」自分の左手を見せます
朱来儀:「……っ、なん、だ」
汪飛:ccb<=75 手品+10
Cthulhu : (1D100<=75) → 6 → スペシャル
フェイは、貴方の視線を手のひらに誘ったまま、その拳を握る。
……瞬間、その手には一輪のバラが現れる。
汪飛:「…俺にとっては、少し思い入れのある手品なんですが…」
朱来儀:「…っ、これは……、」
汪飛:「……笑って、ください」
朱来儀:「…ダメ…だ、出来ない……っ、」フェイ君の方が笑顔上手だね。
朱来儀:「……、まだ、練習中のものがあるって、いつか見せてくれるって、言っただろ、……」
朱来儀:「最初は、お前が何考えてるか、わからなかった…感情を表情に出すのが下手くそなお前の事が…、」
汪飛:「………」
朱来儀:「でも、…、でも、お前と一緒にいるうちに…お前の色々な一面を知ることができて…、お前にも色々な表情があることを、知った…俺は、そんなお前にどんどん惹かれていった、んだ…、下手くそだったくせに…、今は俺より上手、になったな…」
朱来儀:「でも、足りないんだ…、もっと、俺はもっとお前の事を、知りたい…、フェイ…っ…」
朱来儀:「…お前と、一緒に居たい……っ、」
汪飛:「……っ、」
汪飛:「…ずるい、ですね……」
汪飛:「……俺は最初、貴方のことを…笑わない人だ、と思っていました」
汪飛:「別に気にはしませんでした。こんな世界で生きる以上、誰だって多かれ少なかれ事情を抱えていますし……でも、中でも俺は特別嫌われているんだろう、と」
汪飛:「…それが、いつの間にか変わっていって……幸せそうに笑う人、だと…そう感じるようになっていたんです」
朱来儀:「それは、…お前が居たから…っ」
汪飛:「分かって、いたんですよ、…自惚れではなく、それが俺在ってのものなんだと。貴方が、たったそれだけのことであんな風に笑うのが…俺は、嬉しかったんです」
朱来儀:「俺だって、お前といられるだけで、十分幸せだった…、…何で俺は生まれてきたんだって、何度も、何度も思った……お前は、そんな俺に俺に生きる意味をくれたんだ……俺を、置いて、行かないで…くれ、フェイ…嫌だ…っ、…」
朱来儀:「お前が好きなんだ…、」
汪飛:「………っ、本当は、俺だってこれからも……っ」
汪飛:「……すみ、ません…いけませんね、これ以上話していると…行けなくなりそうです」
朱来儀:「嫌だ、…ダメ、だ、フェイ…行くな…」
汪飛:「…行かせてください、貴方が好きだと言ってくれた俺が、俺じゃなくなる前に」
朱来儀:「…フェイ…、フェイ…っ、いや、だ…お前のいない世界なんて俺は…っ」
汪飛:「…さよならですね、来儀さん。俺にとっても、貴方はずっと…大事な人だったんですよ」
汪飛:行くよ!!!
フェイの体が宙に投げ出される。
朱来儀:「フェイ……!!」
朱来儀:手を……伸ばし…ます
伸ばした手は、もう二度と触れ合うことはない。
ふわりと浮いた体は、重力に従って海へと吸い込まれていく。
春の海は優しく貴方の体を受けとめ、その奥深くまで呑み込もうとする。
ひやりとした温度が心地よかったのも束の間。沈んでいくほどにその世界は冷えきり、暴力的な温度が貴方の熱を奪っていく。
光の届かない海の底はひどく暗く、静かで、畏怖すら与えるほどに強大だ。
汪飛:(……静かだな…いつも賑やかだったあの場所とは、大違いだ)
汪飛:(………最期は、一人か)
酸素を失ったせいか、人の形を失ったせいか、次第に貴方の意識は暗くなっていく。
もう貴方には、先ほど別れを告げた人の姿も、声も、思い描くことは出来ない。
物言わぬただの物体となる貴方の最期は、誰にも見届けられることはなく。
——たったひとりで、静寂のなか永い眠りへと落ちていく。
これにて汪飛はロストとなります。お疲れ様でした。
***
貴方の眼の前で、フェイは海へとその身を落とし、地球へと還っていった。
それは一瞬の出来事だが……貴方にとっては、永遠にも思える時間だった。
黄昏の色を失い、夜に染まった水面は、貴方の大切な人を奪ったとは思えないほど、残酷なほどに美しく煌めいていた。
貴方の頬を伝う涙は、そう簡単に乾くことはなく——そう、まるで堰を切ったかのように溢れ出してくることだろう。
——どれほどそうしていただろうか。
温い風が頬を、そこに残る涙の痕を撫でる。
茫然と海を見つめている貴方を包んでいた夜の闇は、次第に晴れ始める。
貴方の心に立ち込める、晴れることのない陰りなど置き去りにして。
昇る太陽が、嫌味なほどに眩しく思えるだろう。
陽の光によって拓けた鮮やかな視界とは裏腹に、思考は曇っていく。
虚ろな意識の中、貴方の体は、足は勝手に動き、いつの間にか祖国へと辿り着いていた。
見慣れたアジトの扉、それに手をかけようとした瞬間、ふと自分の手に何かが握られていることに気付く。
紅と群青の混じったような色の宝石が埋め込まれた、古びた懐中時計だ。
見覚えのないものだが、何故か貴方はそれを捨てる気にはなれなかった。
そしてその懐中時計を認識した瞬間、貴方の意識は明確なものとなる。
——自分は今まで何をしていたのだろう。
確か日本の離島へと旅行に出かけたはずだが、そもそも何故そんなことをしようと思ったのだろう。
自分はひとりで出掛けたのだろうか。誰かが隣に居たような気がする。
だが一体それが誰なのか、貴方には全く心当たりがない。
そこにある、確かな違和感。しかし貴方はそれに対して答えを出すことが出来ない。
記憶に一点の曇りを抱えたまま、貴方は、"貴方たち"の帰りを待つ空間へと足を踏み入れた。
お疲れ様です。シナリオクリアです。
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