順列Pと組合せCの使い分け〜その3〜
今回はこの記事の続きです。
組み合わせCについて
以下のような例を考えてみる。
$$
1,2,3,4,5
$$
の中から2つの数を選ぶ方法は何通りあるか考えてみる。
まず、何通りあるか数えて求めてみると、
の10通りである。
前回の記事で考えた順列の例と違うところは、選んだ後に並び替えないことである。
図のように、
選んで2桁を作る場合だと「12」と「21」は全く別物として数える。
しかし、今回は選んで並び替えなくていいので「12」と「21」は一括りで数える。
つまり、順列でやった「P」を用いた計算方法は数えなくてもいいものまで数えてしまうことになる。
では、どうやって求めるのか。
まず、5つの数字の中から2つ選んで並び替える方法は
$$
_5P_2 = 5\times 4 = 20\ (通り)
$$
だった。
この20個の2桁の数のうち「12」と「21」のように、取り出されている数が同じであるものは2つずつある。
なので、5つの数の中から2つ選ぶ方法は
$$
20 \div 2 = 10\ (通り)
$$
となる。
次に、
$$
1,2,3,4,5
$$
の中から3つ数を選ぶ方法について考えてみる。
2つ選ぶ方法と同じようにまず、5つの数の中から3つ選んで並び替える方法は
$$
_5P_3 = 60\ (通り)
$$
である。
この60個の3桁の数のうち「123,132,...」のように、取り出されている数が同じであるものは6つずつある。
この「6」は異なる3つの数の並べ方が
$$
3! = 6
$$
であることから導き出すことができる。
なので、5つの数の中から3つ選ぶ方法は
$$
60 \div 6 = 10\ (通り)
$$
となる。
同様の求め方で次の例を考えてみる。
8つの数
$$
1,2,3,4,5,6,7,8
$$
の中から5つ選ぶ方法は何通りあるか求める。
まず、8つの数を選んで並び替える方法は
$$
_8P_5 = 6720\ (通り)
$$
この6720個の数のうち、取り出されている数が同じものは$${5! = 120}$$個ずつある。(例えば、「12345」の場合は5つの数の並べ方なので、$${5!}$$で求めることができる。)
よって、8つの数の中から5つ選ぶ方法は
$$
_8P_5 \div 5! = 6720\div 120 = 56\ (通り)
$$
となる。
また、
$$
_8P_5 \div 5!
$$
は「C」を使って、
$$
_8C_5=_8P_5 \div 5! = \frac{8\times 7\times 6\times 5\times 4}{5\times 4\times 3\times 2\times 1}
$$
と表される。
他に、$${_{20}C_7}$$だと
$$
_{20}C_7 = _{20}P_7 \div 7! = \frac{20\times 19\times 18\times 17\times 16\times 15\times 14}{7\times 6\times 5\times 4\times 3\times 2\times 1}
$$
となる。
一般的に
$$
_nC_r = \frac{_nP_r}{r!} = \frac{n\times (n-1)\times \cdots \times (n - (r - 1))}{r\times (r-1)\times \cdots \times 1}
$$
であり、
異なる$${n}$$個のものから$${r}$$個選ぶ方法は
$$
_nC_r\ (通り)
$$
である。
まとめ
「P」と「C」の使い分け方は簡単にまとめると以下となる。
図のように、
取り出したものを区別して数える場合は「P」を使って計算する。
取り出したものを区別しないで数える場合は「C」を使って計算する。
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