小森 雨

青空文庫を中心に、すきな作品を読む朗読ラジオ。周波数の合うものだけ、どうぞ。

403 Forbidden

────4032個。
私があの人に救われこの硝子の箱を棲み家としてから今のでちょうど4032個目の泡。この泡はあの人が零す涙に呼応して生まれるらしい。それは私だけが気づき、今日まで守り続けてきた秘密。

あの日──── 袖口が濡れる事も厭わずに、弱っていた私を掬いとった両手から伝わったやわらかな気配。水の粒に反射する光のあまりの眩さ、濡れた袖に透けて見えた白い肌。湖面のような静けさをたたえた瞳に私

もっとみる

404 Not Found



白、しかなかった。
辺りを探ってみても指先に触れるものはない。どんなに注意深く見つめたって境界線らしきものもない。音もなにもない空間に白と僕、ほかにはなにも。ここ数日の激務に疲れきっていた。今夜は帰ってからそのまま眠ったはずだった。だとするとこれは夢なのだろうか。まいったな。思わず吐いた下向きな溜め息は白に混じってすぐに消えた。



「ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ       」

さっき

もっとみる

52Hzの鯨_音源

小森 雨

00:00 | 00:30

『52Hzの鯨』小森 雨
https://note.mu/komori_ame/n/n2f48bddd88cd
――――――――――――――――――
【音響お借りしました】
LapiLapi ‐ 石原けいこ様
d-elf.com様
DOVA-SYNDROMEよりKK様、hotaru sounds様

無料効果音で遊ぼう様
ACOUSTICA様
音人様
効果ON様
―――――――――――――――――

もっとみる

52Hzの鯨



「部屋中が海みたい」

紺いろのカーテンをしめて 文庫本を片手にベッドに腰かける。初めてここに越してきた日と同じ言葉を呟きながら。

夜に似合いそうな色だった、店先でひと目惚れしたこのカーテンはいまでもいちばんのお気に入りであり、雨の夜には深海色に染まる部屋で読書に耽るのがなによりすきな時間となった。

傍らにはまだ温かいお茶とポータブルラジオ、それから一昨年の夏ごろ近所の工房で作ったシーグ

もっとみる
00:00 | 00:30

宮沢賢治『銀河鉄道の夜』 二、活版所
音響: DOVA-SYNDROME http://dova-s.jp/より
「モノクローム」 by kyaai様
「HAL Says Goodbye to Astronaut」 byしゃろう様

効果音:効果音ラボ様
無料効果音で遊ぼう!様
On-Jin ~音人~様