マカロニえんぴつ、Official髭男dism、HY

18日（木）に日本テレビ主催の音楽イベント『ROCK AX vol.2』へ。素敵な3組のライブをTOKYO DOME CITY HALLに観に行って来ました。

１、マカロニえんぴつ

3組の中で知名度は一番無いであろうマカロニちゃんがトップバッター。ガツンとトップバッターらしい先陣の切り方で疾走感のある45分間でした。
マカロニちゃんは1曲1曲が割と短めだから対バンイベントで曲数を多く披露出来るのが強みだよね。色んなタイプの曲があるから初見の人も楽しめるんじゃないかしら。

最近定番の『鳴らせ』からの『girl my friend』。
この始まり方、最高に好き。
『鳴らせ』はマカロニえんぴつを始めて聴くのにぴったりな曲だと思う。そんなマカロニ王道曲で始めて、大ちゃんのキーボードとはっとりくんの歌だけでイントロが始まる『girl my friend』。はっとりくんの歌詞と歌声の魅力に一気に引き込まれる。歌い出しの歌詞からして好きなんだよなあ。

分かりきった事だけを
確かめる夜が堪らなく好きだ

サビで繰り返される「本当にごめんね　こんな僕で」という歌詞。これだけ読むと情けない男の歌に思えるかもしれないけれど随所に散りばめられている歌詞を見ていくとどんどん物語が膨らんでいく。はっとりくんの歌詞からは、その歌詞内の人物像がとても具体的に浮かびやすい、気がします。

間違ったとこだけ塗り直したい
分かち合うほど無意味になる歓びに
今気付いたんじゃなあ

じゃあ、僕じゃない誰かとそれなりにね

ただそれだけ「あのねまだ」
なんで泣くかなあ
分かってる　分かってるから

王様のブランチのテーマソングにもなった『レモンパイ』、最新アルバムのリード曲『ブルーベリー・ナイツ』、マクドナルドの500円バリューセットのCMソング書き下ろし曲『青春と一瞬』と惜しみなく披露されていく曲たち。

ようやく『青春と一瞬』を生で聴くことが出来て嬉しい！マクドナルドのCM曲だからってポテトが揚がる時の音を入れていたり、バリューセットのCMだったから「セット」ってワードが入っていたり、遊び心も取り入れている青春ソング。10代はもちろん、かつて10代だった大人にも青さを思い出させてくれる曲だなあと。

はっとりくんの楽曲コメントもまた良いのですよ。

誰しもが一度は17歳だった。そして、誰かが今日も17歳だ。
希望に満ちたその美しい年頃はときに「青春」と呼ばれるが、当時の自分にとって青春は限りなく絶望に近かった。
退屈で退屈で、なのにその向こう側へ行くことは許されず。
「大人になりたいなら大人しくしなさい」と大人に言われているようで悔しかった。
だから夢中で恋をしたし、隠れてアルバイトをしたり美しい文学を無理やり頭に詰め込んだりギターを弾いたり、友だちと授業を抜け出して（笑えるくらい小さな）旅に出たり、とにかく退屈の向こう側へ行くことだけで頭が一杯だった。
思えば、あの果てしない退屈を全身で愛していたんだと、気付いたのは大人しい大人になってからだった。
青春はあまりに一瞬で、どの17歳もその無意味な希望には気付けない。

「日本テレビさん、最近お世話になっているんですよ。…バズリズム、ですか。…2019年バズるアーティスト10位に選ばれましたー！」

（拍手）

「10位。…10位ですよ。もっと格好良いバンド名だったら5位くらいいけたかなあ。King Gnuくらい格好良いバンド名だったらなあ。…いつまでもバンド名に引っ張られますね」

マカロニちゃんにとって初めてのホールキャパのライブ。ホールだからバラードが映えるかな、と言っていたけれど『two much pain』がエモさ爆発で非常に良かったです。

安心の言葉ならもう全て覚えた

形のないものばかりを追い求め過ぎたかな

痛みを分け合いながら、わざと傷つけてたな

はっとりくんの言葉選び、ほんとうにツボなんだよなあ。
最近のバンドマンの中で抜群に歌詞が好き。

ホールに映えるバラードを、と歌っていた次には「ライブハウスになれますか」というMCからの『洗濯機と君とラヂオ』で盛り上がる。
ここで終わりかなと思いきや「ライブハウスは逃げ場所です」の一言。思わず一緒に行っていた友人と顔をバッと見合わせてしまった。え、これって、つまり？！最近ぱたりとライブでやらなくなっていた、大好きで大好きな『ハートロッカー』でした！嬉しい。。行って良かった、ほんとうに。

そしてラストは『ミスター・ブルースカイ』でした。45分の持ち時間でこの9曲は贅沢だったなあ。マカロニちゃんいつもセトリがバランス良くって嬉しい。

２、Official髭男dism

1曲目でいきなり『ノーダウト』だったから、あのイントロが流れた瞬間の割れるような拍手と歓声にクラクラ来ちゃった。ああ、すごい。スターだ。

月９ドラマ『コンフィデンスマンJP』の主題歌で一気にブレイクした髭男。これを1曲目に持ってくるのずるいなあ。お客さん半分以上は髭男ファンだったんじゃないかしら。

3〜4年前くらいに数回ライブを観ていてその度に「圧倒的な歌唱力！」って思っていてそれは今回ももちろんそう感じたんですけど、前に観た時とあまりにも違くて驚いちゃった。

ワンマンじゃなくて対バンイベントなのにメンバーだけじゃなく金管等のサポートメンバーが5人もいた！（ひとりものすごくノリノリなお兄さんがいて思わず目がずっと追いかけてしまったよね。）
衣装が違った！昔のお揃い蝶ネクタイのスタイルも可愛くて好きだったなあ。あ、お金かかってる！って思わず思っちゃった。

そもそもわたしが初めて観た時って新宿LOFT、の隣のbarスペースだったもんなあ。キャパ100〜150人。ステージの大きさ約11平米。イオンのイベントスペースでライブをやっていたような頃。
それが、今じゃ、ねえ。すごいなあ。圧倒されちゃった。

『Stand By You』聴けると思っていたけれど、実際に聴けた時はとっても嬉しかったなあ。良い曲。途中の早くなる手拍子のところ、ちょっと笑っちゃった。面白い。こんなにも早いスピードの手拍子なかなか無いよ。

邦画のミュージカル映画って全然無いけれど、この曲は歩きながら聴くと映画の主人公のような気持ちになれて気分が良くなります。

ラストがいちばん好きな『異端なスター』だったの嬉しかった。
嬉しかった、んだけど、こういうアレンジなのか、ってちょっぴり思っちゃったなあ。この曲こそ聡くんの圧倒的な歌唱力が映える曲だと思っているんだけど、バックミュージックが豪華だったから勿体無く感じてしまった。聡くんがどんな演奏にも負けない歌声なのが悪いんだ…！
こういう二面性のある曲だったんだなあ。こんなにもみんなが腕上げて聴く盛り上がる曲だったのね。そういうイメージが無かったからびっくり。そうか、こういう曲だったのか。

照明が落ちて、スポットライトが照らされて静かに力強く歌われる『異端なスター』の方が個人的には好きだったな。とはいえ、ラストの部分はいつ聴いてもぶわあっと感動してしまう。

相変わらず、歌がうまい、、！

３、HY

ベテランだよ、大ベテラン！青春の先輩だわ。

フェスでちょっとつまみ食いみたいに観ることはあったけどこうしてたっぷり観るのは初めて。1曲目は『隆福丸』でした。沖縄出身ということでSEから沖縄感満載で癒された。

『AM11:00』のイントロで思わず身体が跳ねる。
サビで突然「歌って！」って言われてスラスラ歌えた自分にすこし驚いちゃった。歌えるものだねえ。中高生の時に聴いていたもんなあ。

MCが面白過ぎました。

「今日は私たちが最年長ですね」
「19年やってますからね」
「皆さん衣装も格好良くてねえ」
「私なんて古着屋で買ったような服で…」

「今日マカロニえんぴつ観に来たよーってひと？（はーい！）今日Official髭男dism観に来たよーってひと？（はーい）じゃあ、HY観に来たよーってひとー？（全員はあーい！）…ぜっったい嘘！」

「華のないメンバー紹介します。ただのノッポ（ギター）と、EXILEとDA PUMPを混ぜたような二人（ドラムとベース）と、ただのデブとガリ（ツインボーカル）です」

そんな面白いMCの流れから「やりにくいわ！」と突っ込みつつ『366日』へ。

ぶるっと震えてしまうほどの圧倒的な歌声。歌のパワーを全身でひしひしと感じた瞬間でした。上手いとかそういう次元じゃなくて歌自体の力が凄かったなあ。感動してしまった。

ラストが大好きな『ホワイトビーチ』！
これも「歌って！」と言われてスラスラ歌える。振り付けもあって楽しかったし会場全体の一体感も感じられてとにかくハッピーな空間がまるごと全部愛おしかった。

あ、あと男性ボーカルさんがやたらとお客さんを褒めてくださるのが新鮮で嬉しかったな。ちょっと面白かった。
歌ってっていう箇所で歌うと「綺麗な声です」「素敵！」「うん、力強い」とかいちいち褒めてくれるの可愛らしかったなあ。

いちばん面白かったのは「新曲聞いてくれますか？」に会場がいぇーい！って盛り上がった時に言った「…優しいっ！」っていう反応ですね。笑

どうやら同じ日に東京ドームでは嵐のコンサートだったみたいで帰りの水道橋駅がすごく混んでいたんですけど、駅員さんがホーム上で列整理して下さったので全然混雑が気にならなかった。慣れている駅ってすごい。

歌にパワーを貰える素敵なイベントだったなあ。
日本テレビさん、ありがとうございました。