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好きなことをする努力家はね最強なんですよ

自分の「好き」をどれくらい知っているのだろう。

「好き」に対してどれくらい情熱を注げるのだろう。
「好き」をどれだけ追求できるのだろう。


好きなものに対する努力って今からでも遅くない?



20代も半ばになった今、高校生の青春を目の当たりにしてこんなにもボロボロに泣くことになるとは思わなかった。

成績優秀な不良男子高校生の矢口八虎(やとら)が絵の楽しさに目覚め、藝大を目指すストーリー。

・ 夢に向かって努力する素直な主人公
・ 好きなものにかける熱い情熱
・ 絵の世界、藝大受験の世界

上記3点のどれかにビビビときた方は是非!

マンガ大賞2019の3位にも選ばれた作品なので知っている人も多いかもしれません。5巻が6月に発売したばかりで巻数もまだそんなに出ていないので今からでも読みやすいですよ。



夢に向かって努力する素直な主人公

八虎のこと不良だとかヤンキーだとかそういう言葉で紹介されているんですけど、読んでみるとあまりピンとこないんですよね。高校生でオールしてお酒飲んだり喫煙したりしていれば不良なのかっていうとそうでも無い気がする。それくらい八虎という主人公は「良い」のだ。

八虎は優しい。優しくて素直で器用で努力家。
人間関係も勉強もノルマのようにコツコツこなせる。

器用だけど、それ故に満たされない。


友達とオールしている時間は楽しい。楽しいことは本当なのに一方では「バカになりきれない自分がいる」とも思っている。

サッカーの試合を観ている時の八虎の心情が刺さる。

この感動は誰のものだ?
なんでこんなに大声出してんの?
他人の努力の結果で酒飲むなよ
お前のことじゃないだろ


「早朝の渋谷ってさ なんかいいよな」と言った八虎に、友人は「は?ゴミくさくね?」と言う。
友人の言うことも正しいと思う。実際に渋谷の街はゴミくさいかもしれない。

だけど、八虎はそう感じた。そして美術部の森先輩に思い切って早朝の渋谷の青さについて話すのだ。

「渋谷なんだけど その…静かで 青いんすよ」

その後の森先輩の言葉は1巻の中でわたしが最も好きな台詞。

「あなたが青く見えるなら
りんごもうさぎの体も青くていいんだよ」


八虎は美術の課題『私の好きな風景』でオール明けの渋谷の街を描く。友人にゴミくさいと言われた街を。実際には青くないビルを青に塗って。

好きなものを好きっていうのって
怖いんだな…

自分が良いと思うものを相手に否定されるのは怖い。みんな好き嫌いがあるって分かっている筈なのにそれでも怖い。でもそう思うのはそれが本当に好きなものだからだ。


描いた絵は時間が足りず未完成だった。
それでもその絵を見た友人は言うのだ。

「もしかして早朝か?これ」
「あっあっなんとなくわかる!」
「八虎にはこんなふーに見えてんだ」


その絵を描いたことによって八虎は生まれて初めてちゃんと人と会話が出来た、と思うんですよね。その時の八虎の涙はあまりにも美しい。本気じゃなきゃあんな風には泣けない。本気の人にしか流せない涙だった。


素直な八虎がぐんぐん成長していく姿を見ているのは単純に気持ちが良い。ひとつひとつ新しく知ったことに驚いたり感動したり、自分の成長に喜んだり。とっても微笑ましい主人公。
あと人を馬鹿にするような描写が無いっていうのも読んでいて気持ちが良いです。



好きなものにかける熱い情熱

なぜ藝大が良いのか。
芸術をやっていて将来お金になるのか。

今までの自分のノルマをこなしていく生き方からはレールを大きく外れる選択肢に悩む八虎。そんな彼への美術部顧問の言葉が熱いんです。

「好きなことをする努力家はね 最強なんですよ!」


そしてグサグサに刺さったのは、この言葉。

「好きなことは趣味でいい」
これは大人の発想だと思いますよ

いつからだったんだろう、趣味と仕事を分けて考えていたのは。
自分の「好き」に自信が持てなかった。わたしなんて、と思っていた。わたしよりも向いている人はいっぱいいる、わたしよりも詳しい人はいっぱいいる、とそう思っていた。

ねえ、わたしは誰と比べていた?

悔しい。今なら分かる。好きなら好き、それだけで良いんだって。やってみなくちゃ分からないのに、どうしても本気になるのが怖かった。自分の「好き」を否定されたらと思うと怖くて怖くて仕方がなかった。


だからわたしは八虎が好きだ。自分の「好き」に素直な八虎は、いつかのわたしの理想そのものなんだ。



絵の世界、藝大受験の世界

新しい世界を知れる作品が好き。

そういう意味でもブルーピリオドは面白い。
…いや、わたしも元芸術学部生ではあるんですけどね。


美術部員の夏休みスペシャルメニューが凄い。
過去の先輩たちも未達成だったという内容。

・デッサン7枚
・水彩3枚
・スクラップブック
・1日1枚写真
・作品1点

何の為にやるのかがハッキリしていて成る程なあ、と。


芸術の世界って正解がないから難しい。
受験やコンクールでは勝ち負けがあるけれど、基本的には点数で判断されるものではないし、上手い下手の基準だって人それぞれ。じゃあどうすれば上手くなったっていえるのか、目指す場所はどこなのか。

でも、だからこそ楽しいっていうのもあるんだろうなあ。


2巻では、志望校の好みに合わせて描かれる「受験絵画」に悩む様や、絵を描くのは好きだけど鑑賞が苦手、というようなことも描かれていきますよ。



高校生の頃に読みたかったなあと思いつつ、今読んでも影響を受けてしまうほどにアツくて面白いです。八虎と一緒にドキドキを感じていたい。


さて、まずは1話の試し読みから始めませんか?


余談ですが、読み始めたきっかけは恋人が「久しぶりに可愛いヒロインに出会った!」とウキウキで漫画を購入してきたからです。

「…僕の好きなヒロイン、女装した男の子だった」

と、大きくショックを受けていましたが。

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大麦こむぎ

1992年 東京生まれ東京育ち。音楽、本、映画、アートがすきです。

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