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なぜ”理解ある彼くん”はいなくなってしまうのか

僕の妻は社会不安障害です。 SNSで度々、発達障害やうつ病と上手く付き合っていく、という内容の漫画が話題になります。 多くは、今まで大変だったけど良き理解者が現れて前向きになった、というものです。 いわゆる”理解ある彼くん”の登場で人生変わった、ってやつですね。 しかし、そのような漫画とセットで話題になったのが、漫画の作者がその後離婚や破局してる、ということです。 もちろん、みんながみんなそうなっているというわけではないでしょうが、そういう傾向があるようで、「理解ある彼く

    • 発達障害カミングアウトの件で感じたこと

      僕の妻は社会不安障害です。 先日、ユーチューバーの方が「自分は発達障害でした」と公表して、話題になりました。 妻は発達障害の診断もあります。 この件については、「自分は発達障害だと発覚しました。だから今まで周りに迷惑かけたのはそのせいです」と、発達障害を免罪符的に扱っているのであれば、確かに批判が集まって当然だと思います。 発達障害を持っている人たちはずっと悩みながら障害と付き合ってきたわけですから、それを「じゃじゃーん!」みたいな発表のされ方をすれば嫌な気持ちになるで

      • 個々の事情は見えないもの

        僕の妻は社会不安障害です。 僕たちの生活は一見上手くいってるように見えますが、実際にはかなり綱渡りな状態です。 妻の症状が悪化したら大変、というよりは、むしろ僕の方に問題が発生したら重大となります。 例えば僕が病気になって入院とか。 現状、妻は買い物等を一人ですることが難しく(他人とコミュニケーションができない)、かつ、家で一人で居ることも長時間となると厳しいです。不安症状が出た時に一人だと対処ができないからです。 妻の実家には全く頼ることができないわけではありませんが

        • 薬は悪ではない

          僕の妻は社会不安障害です。 「薬では治らない」 というイメージがあります。 僕もそう思っていました。 確かに、精神障害を”治す”薬はまだ無いかもしれません。 しかし、 「薬は悪」 かというと決してそうではありません。 精神の薬は”対症”薬であることがほとんどです。 気持ちの落ち込みを抑える、昂ぶりを抑える、不眠を解消するなど。 根本の治療のためのものではありません。 飲む必要が無いに越したことはありませんが、飲んだら楽になるような状況なら飲んだ方が良いと、今は思ってい

        なぜ”理解ある彼くん”はいなくなってしまうのか

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        • 妻は社会不安障害です。
          24本

        記事

          休めない楽しめないという病

          僕の妻は社会不安障害です。 休む 好きなことをする おいしいものを食べる よく寝る 規則正しい生活をする 適度に運動をする これらは、心を健康に保つために有効なことであることは確かだと思います。 しかし、これはあくまで精神疾患に””ならないため””のものです。 精神疾患を””治すため””のものではありません。 ひとたび精神疾患を患ってしまうと、上記の『心に良いこと』ができなくなってしまいます。 休む→何もやってないと落ち込む 好きなことをする→元々好きだ

          休めない楽しめないという病

          療養中なのに元気そうな人を見かけたら思い出してほしい話

          僕の妻は社会不安障害です。 うつ病などの精神疾患を抱えていて、かつ病気であるということを知られている人は、「体調どう?」とか「元気そう」とか言われることが多いのではないかと思います。 夫である僕も「奥さんの体調はどう?」と聞かれることが多いです。 この辺でも周りの認識と実情とに乖離があると感じています。 これは妻の場合になりますが、精神疾患であっても、四六時中うつうつとしているわけではありません。 むしろ9割がたは普通(元気)です。 ただ、ほんのささいなきっかけでどん底

          療養中なのに元気そうな人を見かけたら思い出してほしい話

          プロゲーマーの障害者差別発言とその処分について

          僕の妻は社会不安障害です。 先日、プロゲーマーによる障害者差別発言の問題がありました。 もちろん、決して容認はできません。 発言した当人はおそらく差別主義とかではなく、無意識に出た言葉だと思いますが、無意識下にまでその言葉が浸透していることこそが問題だと思います。 eスポーツやゲーム配信といった子どもにも人気のコンテンツでそういった言葉が定着してしまう危険をばらまいたことは罪深いです。 そんなつもりはなく言葉だけマネして言うようになれば、被害者はもちろん、不要な加害者も生

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          ウィル・スミスの件

          僕の妻は社会不安障害です。 アカデミー賞授賞式で、ウィル・スミスが妻の病気を揶揄されたとしてクリス・ロックに平手打ちをしました。 この問題、僕としては決して部外者ではいられないものです。 なぜなら、僕はウィル・スミスと同じく病気(障害)の妻を持ち、そしてクリス・ロックと同じコメディアンだからです。 まずこの一件についての僕の考えですが、ウィルの主張には100%同意し、ウィルの取った行動(ビンタ)を100%否定します。 妻の病気を揶揄されて(クリスは病気のことを知らな

          ウィル・スミスの件

          病名と症状は分けて考えるべきではないか

          僕の妻は社会不安障害です。 障害年金受給の更新でした。 担当医さんに診断書を作ってもらい、更新申請し、審査があって、今回は更新ということになりました。 当然ですが、審査があります。 その審査の時に、「この病名(診断名)では通らない」ということが多々あるようです。 病名によってランク分け(?)があるのです。 「うつ病」という精神病だったら通るけど「社会不安障害」という神経症ならよほどのことがないと通らない、というような。 この病名だと審査が通らないからとお医者さんが診断書を

          病名と症状は分けて考えるべきではないか

          「楽しまなければならない」というプレッシャー

          僕の妻は社会不安障害です。 クリスマスにお正月と、年末年始は楽しいイベントが多いです。 しかし、本来なら楽しいはずのイベントも、「楽しくなければいけない日」というプレッシャーになってしまうこともあります。 今回のクリスマスは、正直”何事もなく”というわけにはいきませんでした。(基本的には良い日でしたが) クリスマスだから、アレしてコレしてどこ行って…とやりたいことはたくさんあるのですが、その一つでもできなかったり上手くいかなかったりすると気持ちが沈んで全て嫌になってし

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          障害者が利用できる制度、完璧に利用できてる人マジで0人説

          僕の妻は社会不安障害です。 これは僕たちに限ったことではないですが、 手続きが難しすぎます! 障害者じゃなくても、引っ越しした時の諸々の住所変更とか免許の更新とかめんどくさいですよね? 障害者やその他社会福祉を受ける者にはその手続きが数倍あります。 うちの場合、結婚と引っ越しがほぼ同時になってしまったので、更に大変でした。 旧住所の役所に行ったり新住所の役所に行ったり妻の実家の方の役所に行ったり年金事務所に行ったり…、よく分からないので何度も無駄足を踏みました。

          障害者が利用できる制度、完璧に利用できてる人マジで0人説

          欲しいのは「理解」ではなく「寛容」

          僕の妻は社会不安障害です。 社会「不安」障害というだけあって、不安になることに関してはプロフェッショナルです。 一方、僕はかなり楽観的な人間です。 正直、妻がなぜ不安がっているのかが全く分かりません。 極端な時は、「晩ごはんの材料が無い」といって心を乱していることもあります。 これを僕が理解しようとするとあまり良い方向には進みません。 結局”理解できない”からです。 理解できるものではないのに理解しようとすると、「こんなことで不安になるなんて君がおかしい」みたい

          欲しいのは「理解」ではなく「寛容」

          病気は、みんな違ってみんな悪い

          僕の妻は社会不安障害です。 SNSには「コレでうつが治った」的なものがけっこうあります。 大きく分けて2種類あると思っています。 1つは、「その方法を教えます」といって本やセミナーや宗教へ誘導するガチのヤバいヤツ。 もう1つは、シンプルに自分やその周りで実際にあったことを報告しているだけのもの。 前者は言わずもがな近づかない方がいいのですが、やっかいなのは後者の方で。 もちろん、その方の症状が改善したことは喜ばしいことなのですが、その改善報告を見て、「こうやれば治

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          「ヘルプマーク」付ける付けない問題

          僕の妻は社会不安障害です。 「ヘルプマーク」というものがあります。 主に病気や障害がある人がそれを周囲の人に知らせるために付けるものです。 見かけたことはあると思います。 妻には障害がありますが、ヘルプマークは付けていません。 メリットよりデメリットの方が大きいと感じるからです。 基本的に外出時は僕がいっしょなので必要ないということもありますが、ヘルプマークを付けていることによって、”障害アピール”をしていると捉えられることを懸念しています。 「障害者には見えない

          「ヘルプマーク」付ける付けない問題

          「死」が近い

          僕の妻は社会不安障害です。 最近は以前よりは少なくなりましたが、突然気分が落ちて「死にたい」とまで言うことがあります。 ”死にたいという人はなかなか死なない”などと言われることがありますが、それははっきりとNOです。 死んでしまったら「死にたい」と言うこともできません。 たしかに、”死にきれなかった”例も多くありますが、死に向かっていく回数が多ければ多いほど、成功(?)してしまう可能性も高くなります。 現に妻も幾度となく危ないところまでいってしまいました。 薬を何十錠

          「死」が近い

          ”助ける側”として気をつけていること

          僕の妻は社会不安障害です。 障害者は助けてあげるべき。 これはまあ間違いないでしょう。 そもそも困っている人はみんな助けてあげるべきですが。 でも「助け方」って難しいですよね。 特に精神障害は見えづらいからなおさら。 僕も妻に対して良かれと思ってやったことが”ハズレ”であったり、むしろ逆効果だったなんてこともあります。 そういう時に、「せっかく助けてやったのに」という思考にならないように気をつけています。 配慮したつもりでも、それが的外れなこともあります。

          ”助ける側”として気をつけていること