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夜明けのハイウェイ

免許取得したばかりの旅の相棒、健明。
そしてペーパードライバーの僕。
運転の練習も兼ねて
以前岡山の備前へ共に行った
げんちゃんと3人で
今度は長距離、山口県への
旅行に行きました。
げんちゃんの乗る軽自動車に
僕と健明も運転ができるように保険をかけて。
1日だけ入れる保険とかあるんですね。
この時知りました。

夜のバイトをしていた健明にあわせて
出発は2時頃。
午前の(笑)
暗闇のなか、とりあえずげんちゃんの
運転からスタート。
僥倖の頃合いに寄った
宮島サービスエリアは
絶景でした。
まだ夜に眠る街と少しずつ瞼を
開き始めた空と海。
ようやく1日が始まろうとしていました。

夜明けの宮島


山口県に入り
高速を下りてから僕の運転スタート。
ビクビクと緊張しながら
でしたがなんとか
最初の目的地に到着。
日本海を臨む海岸に
いくつもの鳥居が並ぶ
「元乃隅神社」に行きました。
ちょっと奇妙ですが写真映えのする
スポットです。
近くの
小さな岩の穴から海水が吹き出す
「竜宮の潮吹き」も
拝んでいきました。

そこから運転は健明君。
向かった先はここもまた
インスタ映えスポット。
本州と角島を結ぶ
「角島大橋」。
海は綺麗だし、橋を渡る時は
窓を開けて叫びたくなるような
心地のよさ。
角島のビーチに降りたった私達。
目にしたのは大量のゴミや
どこからやってきたのか
わからない漂流物。
観光地の光と影を見ました。

何を思い立ったか
砂浜に打ち上げられていた
海に浮かぶブイのようなものを
ハンマー投げのように
思いっきり投げつけてきた健明。
必死な形相をして間一髪でよける僕。
その必死な形相に爆笑する健明。
いつかこいつに殺される。
そんな気がしました(笑)

謎のくだりを終えて
僕達は南下しました。
向かったのは宇部市の「カッタの湯」。
スーパー銭湯とカプセルホテルが
一体となった施設です。
カプセルホテルデビュー。
ワクワクしました。
夜ご飯は近くの和食屋さん
「一心」。
山口といえば
そう、「ふぐ」です。
初めて食べる「ふぐ刺し」
「あぁ、ふぐってこんなに歯ごたえが
良いのか。」
感動しました。

大満足で帰り、銭湯で
この旅の前の週に
四国で女の子に告白したことを話しました。
でも1週間便りはなく望み薄。
当時休学をした僕は大学三年生。
みんなは四年生。
もう就活も終わり各々の道の
スタートラインに立とうとしていた
時でした。

まだどこへ行くかも分からず
漂流していたかった僕。
「お前、その子のために人生賭けれるか?」

健明の問に答えることが
できませんでした。
普段おちゃやけている奴の一丁前な、
一丁前だけど核心をつかれた一言でした。

そして僕らは
各々のカプセルに入り次の日のために
眠りにつきました。


角島大橋
ふぐ刺し


合掌

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