見出し画像

杞憂

中国、周の時代の杞の国(現河南(かなん/ホーナン)省開封(かいほう/カイフォン)のあたり)に、いまにも天が崩れ落ちて、身の置きどころがなくなると心配し、寝食を忘れて憂えた人があり、この人を心配して、天が落ちてくることなどはないと、いろいろ説明して、ようやく納得させた人がいた、と伝える『列子』「天瑞篇(てんずいへん)」の故事による。「杞人の憂」ともいう。
コトバンクより
https://kotobank.jp/word/杞憂-476573

8月19日SONIC MANIAに参加してきた
SUMMER SONICの前夜祭の位置付けにある
オールナイトイベントだ
サマソニにも参加したい気持ちも
もちろんあったのだがソニマニ一本にすることにした
死ぬまでにライブを観たいバンドの一つである
KASABIANがソニマニに出演するというのが最大の理由だ
なぜかサマソニ東京会場には出演せずに
ソニマニとサマソニ大阪に出演して去っていった

KASABIANの音楽がずっと大好きだった
学生の頃から何度彼らのアルバムを聴いて
ライブに行きたいと願ったことか
彼らのアルバムはいつ聴いても楽しくなる
1人で踊ってしまう
ライブに参加したらどれだけのものかと
何度想像したことか
死ぬまでにライブに行きたいリストを作成したら
トップ10に入ってくるバンドだ
(そんなリスト重厚長大なものになること間違い無しで恐ろしく、ちゃんと作成したことはないのだが)

それなのにメンバーの1人がバンドから消えた
まだ私がKASABIANを観たことがないのに!
それまでの来日公演を見送ってきた自分を恨んだ
KASABIANをもう観ることはできないのだと
ひたすら後悔するしか術がなかった

トムのいない状態で
KASABIANを存続すると思っていなかった
トム以外のメンバーで新たにバンドを組み直すとか
ソロ活動にシフトするとか
ともかくバンドは一旦解体されるものだとばかり
心に穴が空いた様とはこのことかとひたすら嘆いていた

けれども残されたメンバーはKASABIANとして
バンドを続けることを選んだ
意外だったが
考え抜いた結果だろう
バンドとしてKASABIANの音楽を
続けていくその決意

それでもまだ不安と心配が消えない
トムとサージのペアが好きだというのも
KASABIANが大好きな理由の一つで
その片方が居ない状態で
サージは大丈夫なのかと
心配な思いが消えずにいた
だから来日公演では全力で応援しに行こうと
そういう気持ちで臨んだSONIC MANIA

完全に私の考えが間違えだった
心配なぞもう必要無い
彼はもうバンドを続ける決意十分に
もう前に進み始め、だいぶ前を疾走していた

ClubFootのイントロが流れ
照らし出されたステージに
後ろ向きで現れたサージのかっこよさは表現し尽くせない
知らぬ間に笑顔が溢れるほどかっこいいライブの登場シーン
あそこまでのかっこよさはリアムギャラガー以外に私はまだ知らない

思い返すとリアムギャラガーのソロライブでも
同じ過ちを犯していた
ノエルが居なくて寂しく無いんだろうかと
応援する気持ちで臨んだのだ
これもばっちり私が間違っていた
彼ももう1人でロックンロールスターとして歩み始め、空を疾走していた

私は何回同じミスをするのだ
心配している自分に酔っていただけで
2人を信じ切ることができなかった
私の弱さに起因したものだろう

自分から目を逸らし
お節介にも他人の心配をするくらいなら
自分の足元ちゃんと見つめ直せと
死ぬほどかっこいいロックンロールスター2人に突きつけられてしまった
これは私も2人の様に
余計な心配していないで
前に進むしかない

学生の頃以来のオールナイトイベント
体力温存すべく
KASABIANはほどほどにする計画が
予定外に初っ端から全力出したため
その後は脱力状態で他のアーティストを観た時間もいい思い出だ

あそこまで全力でかっこよくロックンロールスターされてしまったら
全力を出さないのが失礼というものだ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?