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【まつもとゆきひろ氏 特別講演】20代エンジニアのためのプログラマー勉強法 レポ 2019/3/30

2019年3月30日に開催されたRubyの生みの親、まつもとゆきひろさんの20代エンジニア向け講演会に滑り込み参加できたのでまとめてみました。


死なないために勉強をする

現代は過去よりも罠の多い時代、だからこそ蛇のように賢い戦略が必要。

漫然と流されるままに生きるのではなく、自分は何をしたいのか、自分はどういう未来を作りたいのか、改めて自分のことを考える。


20代は自分の人生に大きな影響を与える時期

大きな成果は若い頃の方が得やすい。
 例)アインシュタインがノーベル賞を受賞した論文を書き始めたのは26歳
  MatzさんがRubyつくりはじめたのは27歳

若いことはアドバンテージ!モラトリアムはもったいない!

・体力がある。
・発想が柔軟である。
・大学時代の記憶が鮮明なので大学で学んだことを応用できる。


社会人がなぜ勉強しないといけないのか

勉強は”お勉強”ではなく”成長するための方法”
例えば高収入が欲しい、嫌なことはしたくない、好きなことでいきていきたいといった目標を達成させるために、現在の自分よりも高いレベルの自分になるための勉強が必要。勉強は成長の手段。


What 何を学ぶか

・好きこそ物の上手なれ。
・インベントリ(棚卸し)をする。
・得意、趣味、興味、思考、背景といった自分の性質について考えることが大切。


Where どこで学ぶのか


・学びやすい環境というのは周囲との関係が大事 
・『7つの習慣』二者の関係で取引をするとき、持続可能な取引はwin-win か no-deal のどちらか。そもそも取引しない=逃げてもいい、搾取する人からは逃げる。
・「逃げちゃダメだ!」はろくなことにならない。


When いつ学ぶのか


・”ヒマの撲滅”をする。 暇だという人は時間の使い方が下手。
・睡眠時間を削るのはダメ、脳に悪い。
・無意識の優先順位と意識の優先順位をはっきりさせる。
・情報収集のフォーカスを変える
 例)twitterのフォロワーを減らす、チェックしてるサイトを減らす。


How どうやって学ぶのか


・インターネットと共にいるが、知らない知識は検索できない。
・概要の把握が重要。インデックスを増やす。
・好奇心を育てる。知らないことを知るのは楽しい。


妥協と打算

・どこまで妥協して、どこまでは譲れないのかを決める。例) Matz氏が就職するとき、言語をつくる仕事がしたいと思ったがそんな会社はないので妥協してUnix系で働けるところにした。
・人間の判断を信用しない。例)昔はオープンソースで食えるようになるとは思っていなかった。
・打算なく好きなことができるようならラッキー。


アウトプット


・知識の概要を把握するコストは下がっているので勉強するだけでは差別化に繋がらない。なのでアウトプットが重要。例) ブログ, Note, Qiita
・何もしていないのに人にわかってもらおうとするのは無理。
・アウトプットを繰り返すことで最適化される、人間の可塑性にかける。人は変われる!


成功するために何が必要か

「おおよそ、持っている人は与えられて、いよいよ豊かになるが、持っていない人は、持っているものまでも取り上げられるであろう。」(マタイ福音書13章12節)

知名度は価値に変換可能。アウトプットしないと知られることはない。
お金があれば広告によって認知度を上げられるが、お金がない人はキャズム理論が役立つ。

キャズム(溝、価値観の違い)を超えるのは難しいからニッチを攻める


Matz氏の場合
言語開発者という局所的なところで認知度を高める。

東京で日本一のプログラマになっても「あ、そうなんだ」で終わるのが、
地方だと知事や市長が会いに来たりする。

日本で一番有名なプログラマ→ 講演や執筆等の横展開ができる。


3つの重要なこと

1.基礎を抑える
いいプログラムを書く人はアルゴリズム、コンピューターアーキテクチャなど基礎の知識をしっかり理解してる。

2.英語を学ぶ
・18億人と話せる。
・新しいテクノロジーが発生したとき人よりも早く知れる。
・タイムマシン経営ができる。例)ソフトバンク

3.コンフォートゾーンを出る
自分の居心地のいい場所にいると成長がない。



質疑応答

Q. 日本のSE業界に足りないものは?
  合理的判断と生産性が足りない。過去からの習慣を変えようとしない。
 生産性が上がらないから給与が上がらない。

Q. ニッチなことをする時の不安はどう解決すべきか?
 日本の学校教育が悪い。他の人と違うのがまずいとか。
 だいたいの不安は思い込み。ニッチじゃないと競争に勝てない。

Q. Ruby開発時に挫折しなかったのか?
 公開前に2.3年作っていて、公開しなくても誰にも迷惑がかからないため、バグが起きるとやめようかと思うことがあった。小さいタスクに分割してそれを達成することを目標にしていた。

Q. なぜRubyが死んだと言われると思うか、また今後Rubyはどうしていくのか?
 新しい技術を求めている人からすると、Ruby on railsがそういったコミュニティの中で話題になったのがだいぶ前。知的好奇心を刺激しないジャンルになっているのかもしれない。本当の意味でのRubyの死は訪れないのではないかと思う。死んだの定義が人によって違う。
 Rubyの得意でない部分、一つは科学技術計算。サーバーサイドのマルチコアに対応できるようにする。CPUがボトルネックになっている部分を希望としては来年には改善する。


最後に

考えることを諦めないでください、考え続けると道が拓ける。by Matz


感想

Matzさんがアウトプットの重要性を何度も仰っていたのでNoteを初めて投稿してみました〜。
実は前日に沖縄へ帰る予定だったのですが、飛行機が欠便になり何かイベントはないかと探していたところ、Matzさんの講演があると知り速攻で応募して補欠から繰り上がり参加できて本当によかったです!!!
プログラミングを学習し始めてまだ日が浅い私には技術的な話が少なく腹落ちしやすい内容ですごく助かりました。。
とにかく今後すべきことは、基礎を学ぶ!英語を学ぶ!コンフォートゾーンを出る!そしてRubyの学習を進めていくぞ〜〜〜!!!




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