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夜の散歩

夫が寝る前に
必ず犬を外に連れ出し排泄させる。

我が家の愛犬きなこは夫が大好きである。
寝る時は夫の布団の上、夫がご飯を食べているとその横で何かちょうだい❗️って目をして座っている。
散歩もたまに私が行くのだけど、夫が家にいたら私じゃ嫌だと夫の横から離れない。リードを持って行こうと誘ったら逃げてテーブルの下に隠れる。丸見えだけど。

でも夫が留守の時はちゃんと擦り寄ってくるお調子もの。今夜も夫はいたけれど、寒いから行きたくなくて私に寝る前の散歩に行ってと言ってきた。
その言葉に反応するかのように私から離れていくきなこ。

夫には持病があり血行が良くない。なので人一倍寒がりで電気代で破産しそうな勢いだ。なのでできるだけ寒い夜は散歩に行きたくないのである。
そして今夜も狭い家の中を追い回し、やっとの思いできなこを捕まえて散歩に出かけた。

南国土佐とはいうものの、山間部では冬の夜は底冷えがするくらい冷え込んでいる。今夜も近所のハウスでは明かりが灯っている。
吐く息は白くてできるなら行きたくないのだけど、一旦外に出て空を見上げると、満点の星空が迎えてくれているのである。
それほど標高は高くないのだが、街灯も少ないし、背の高い建物もない。まず目に留まるのはオリオン座。そして北斗七星。他にもたくさんの星座が楽しめるのだろうけど、すっかり忘れてしまっている私。しかも視力が悪く、裸眼は0.1もなく、コンタクトをしても0.6くらい、ギリギリ運転ができる程度であるが、それでも星はたくさん見えている。

子どもの頃は天体観測が好きで星座のことも色々調べたし、初めは興味なかったんだけど不純な動機で高校では地学部に入り、学校のプラネタリウムの操作までしていたこともあったのに、本当に何もかも忘れてしまっている。でも星を見るのは好き。
こんなにたくさんの星が見えると、ちょっとだけの散歩はもったいないと思ってしまう。
犬は帰りたいとすぐに振り向いて家に帰ろうとするのだけど、私は前に進む。仕方なく着いてくるきなこは尻尾を垂らして下を向いているけれど、そんなきなこに話しかけながら歩いている。

今日の職場での認知症のおばあちゃんの出来事や、さっきテレビで見ていた三代目J soul brothersのこととか、夫が空手着を選択したもののやっぱり干さないこととか。きなこはどう思っているかわからないけど、お母さんが1人でしゃべっているということは機嫌がいいってことはわかっているのかどうなのか。

車の通りもほとんどない夜の農道を、携帯のライトで照らしながら星を見て、犬に話しかけながら歩く50代の女は結構不気味かもしれない。うん、確かに私は変わり者だけど、意外と人からは羨ましがられる。そんなこともきなこに話しながら約30分、夜の散歩を楽しむのが好きなのである。

でもたまにパトカーに止められることがある。危ないので早く帰りなさいと。若い子でもあるまいし、こんなオバサンに声をかけるものはいないと思うがこの時代、何が起こるかわからない。でも危険だからと言って好きなことをやらないという考えは私にはないかもしれない。本当に怖い事態に出会したことがないからかもしれないが、恐れて行動できないことが1番怖いと思ってる。

感染しないように県外へ行くのは控えるように。という時期でもチラチラと旅行に出かけたりもしていた。私は絶対に感染なんかしない‼️と自分を信じていたし、いまだに感染してはいない。もちろん、できるだけの感染対策はするし、第○波とかいう時期には控えてはいるし。

とにかく自分を信じること❗️と、星空の下を散歩しながら思ったことであった。

3月、私が主催者になって開催するイベントがある。
まだまだ準備が進まず、焦りばかりが募っていくのだけど、きっとなんとかなるだろう。そんなモヤモヤがあったからか、星空の散歩でだいぶ心が落ち着いた。

きなこ、一緒に行ってくれてありがとう。朝もよろしくね♪

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