そこに居るから分かること

ブックマンションをオープンさせたのは2019年7月17日。それ以来、オープン日の9割方お店に立ち続けた。

ブックマンションの紹介記事(※noteの投稿ごとに取り上げていただいている記事を変えています)
https://suumo.jp/journal/2019/07/17/165810/

”みんなで持ち寄り、みんなで運営する本屋”を掲げてオープンしたお店ではあるので、お店番は希望された方にお願いしている。とはいえ、スタートしてみると忙しい方や会社員でなかなか時間がとれなそうな方などがいて、主には僕自身がお店番に立つことが多い。

開店前はいろんな方にお店番をしてもらえることで「運営の負担が減るかも」という意識が強く、自分がお店に立つことをそこまで楽しみに思っていなかった。

それが今は楽しみに変わった。(あくまで今のところ。)

「お店番、気疲れするでしょ」
「ずっと座っていたら腰痛くなりそう」

と言われることが多いが、当てはまりはするものの、それ以上に面白い。

何が面白いのか?

単にお店番をしているだけでいろんな人に出会える。

道ですれ違った人に話しかけることはできないが、お店に来た人には話かけることができる。特にお客さんが少ない平日は。

狭い店内でお客さんと自分の1対1の場合、どうしても緊張感が産まれるので、お客さんが入店されると積極的に一言声をかけるようにしている。それだけでも緊張感が多少和らぎ、以降の時間はあまり意識しなくてすむ。

なかには一言声をかけた際に積極的に返答してくれるお客さんもいて、そんなお客さんとの会話が面白い。聞くと遠方からの来客も多く「どうやって知ったんですか?」と聞くと「Twitterで知りました」や「新聞を見て」や「ネットの記事を見て」と言われる。知った上で来ていただけるなんてただただありがたい。

・都内の大学の図書館の館長
・台湾から来た本屋さん好きの旅行者
・福岡から来た間借り本屋さんに取り組もうとしている方
・近くの高校生
・親御さんをみとられた直後の年配の方

普段の生活は全く異なるものの、皆、何かの縁でブックマンションを訪れている。

1時間以上滞在する方も多く、お客さんがお店を出るころには、ちょっとした知り合い以上の関係だ(と勝手に思ったりしている)。もはやお客さんと店主という二項対立ではなく、人と人の関係を意識する方が強い。

最近ではブックマンションを”本のある空間が好き”と思う人との出会いの場と思うようになってきた。

「世の中には本当にいろんな人がいるものだ」お店番をしていて強く思う。そんなことをしみじみと感じられるのはお店番として居る人の特権だ。始める前には全く見えなかった世界がカウンター越しにあった。

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