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聞いて聞いて、合宿に聞かされて 23/11/21

自動車合宿免許に来ましたよ。1日目。
情報量があまりにも多すぎる。会話における聞いて聞いて!状態だ。

一日外に出ないままで2000字の日記を書いてしまうやつに、その20倍とも言えるくらいの情報が配られている。
20倍の情報量なら理論的には40000字書けることになるけど、正しくは間違いだ。疲れちゃった日は書けない。

情報のインプットに疲れるとアウトプットに回すエネルギーがなくなるのかも。今日はどれくらいかけるかな。(4700字書いてました)
3日くらい何もない思い出すだけの日々が続けば、実際に40000字書いてみることもできると思う。

少なくとも15日間はこれかこれ以上の疲れが続くことになる。
「2週間ほど続く特殊な生活の形」、言い換えればプチ社会生活だ。
1か月半の間、継続して行うことはなかった「朝に起きて昼に活動して夜に眠る」を2週間かそれ以上は強いられることになる。
自分で選んだんだけどね。なかなかしんどいね。

目的は就職に役立てるため、あと社会勉強を兼ねてであって、車に興味はない。
興味が無いなりに触って一番に出てきたのは「え~もうこれロボットじゃんメカじゃん鉄塊こわすぎるよ」という正直な感想。
そもそも最初はみんなそうかもしれないけど、例に漏れずありえないほどにビビりだ。

母も父も母方父方遡っても、ほとんど最初に運転適性がなかったという話を聞いていたから覚悟はしていた。OD式適性検査ってやつで2Cタイプですって。和牛の等級みたいな分け方だ。

最初はこんなもんか、という達観もある。
経験値の問題であって、悲観する方がよくない。そう書いてあったし。
自分の性格上2週間に詰め込めるだけありがたいし、金銭的な問題でシンプルに折れられない。
注意事項の説明などで、事あるごとに金銭の話をされた。延泊や共同生活での罰則、寝坊や無断キャンセルの価格を具体的に伝えられる。
でもこうやって「罪に対する罰の価格はコチラ」みたいに伝えられたほうが、コチラとしては自律しやすい。

読み返して先に書くと、今日はとんでもなく長い日記だ。
既にかなり読まされていると思うけど、熱を入れずに知らない人の雑談だと思って見ていてほしい。

朝。
珍しく規定時刻に寝て規定時刻に起きることができた。
下調べが少なくフィーリングで焦りながら検索して、電車で隣の市に着くと集合時刻1時間30分前だった。これくらいはできんだな。
そうは言っても空きは1時間半しかないし、暇を潰そうにも遠くにはいけない。
結局すぐ近くのコメダ珈琲でモーニングとピザトーストを食べた。腹パンパン。正しくはパン・アンバタ・コヒ・ピザパン。

集合場所には思ったより人がいない。時刻丁度に案内の人が来た。
バスに乗り込む時点で案内はかなりフランクだった。年齢層若いし、こういう雑さも必要か。
一応学校というシステムでナメてかかれるみたいな部分はあれど、ここまでフランクなのは珍しい。
案内の人とスクールバス運転手が、乗り込む前すぐ仲良さげに会話を交わしていた。
荷物を載せるにしろ「えぇ!今日全員キャリーケース重たいんだけど」みたいな雑な会話が繰り広げられていて、気が緩むと同時に逆に怯えた。
そんなんでいいんですか?

到着。昼。
ついてすぐに受付と視力など検査と写真撮影。
その後食堂に……えっ食堂に!?!?

カルビ丼定食だって。
普段食べるのは速いほうだけど、今日は誰より遅く食べ終わった。完食はした。

書類やテキストが配られ、どうやら校長が話す流れらしい。
気は軽そうだが威厳がある、白髪でオーラを感じる人が来た。ザ・ハゲてないタイプ仕事できるタイプの校長って感じだ。

この人の話は存外面白かった。
事故の具体例や視野角と認知の話から、心得にスムーズに繋げていて感銘を受けた。
話はどこでも聞く内容なのに、あまりにスピーチとして上手い。
「皆さんの前で話すのはこれが最初で最後になるんですが、伝えたいことはたった2点です。」とスラスラ話始めた時点で、あぁこの人は確実に話が上手なんだろうな、と察した。

注意を惹く力があるというか、聞いてほしいこと伝わってほしいことが簡潔明確で聴こうという気にさせられた。
曰く「全集中」「人を信用しないこと(かもしれない運転)」と「体調管理」だそうだ。なんか増えてたんだけど。いや面白かったけどね。
若者に合わせようみたいな「全集中」という語句の使い方じゃなくて、「いや辞書に載ってる言葉ですよ」みたいにそれを使っていてやたらキャッチーだった。

「気が逸れる」「認知→判断→操作」というのはどういうことかをスラスラとした話の中で「例えば、今何時ですか?…というと上にある時計を見ますよね。」みたいに具体例を出す。
見えていて認識自体はしているもの、それに意識を向けることの是非、集中とか判断とかの重要性に繋げていた。

過去にあった凄惨な事故の事例を、流れるようにペンを手に取りホワイトボードに描き始める。図としても綺麗に描かれていてノイズがない。
「話を聞くだけではつまらない」という当然の思いを、マジシャンみたいなエンタメ性で取り除かれた。

こういう人って頭良い高校の先生や大学教授には居るんだろうなと思いつつも、隣のテーブルのドレッドヘアーくんは心地よさそうに居眠りしていた。関係ない人には関係ないみたいだ。見た目通りのドレッドヘアーがいるなとは思っていた。

そもそも声が心地いい。「思わず聞き入る」ってこういうことかと思ったし、帰りがけにもし怪しい壺があっても買わないように注意したい。
人を信用しちゃいけないらしいしさ。

終わった時には立ち上がって拍手したい気持ちだったけど、もちろんしてないしそもそもできない。緊張でガチガチだったのでしてるかしてないか分からない程度の礼をしながら「しゃーしゃ(ありがとうございました)」と小声で呟くので精一杯。

次に出てきた準偉い人みたいな先生はかなりポンコツのようだった。初老で背の高く細いメガネでスーツのおじさん。
のっけからPowerPointを表示するのに2分かかるし、記入にあたって口頭で西暦を2028年と間違えるし、書類を配り忘れるし、別の記入でも今日の日付を11月23日と間違えるし。
恐らく教え方は問題がなさそうで、なぜか喩えは上手かったので変にツボに入りそうだった。
最近意図したみたいに変な人を見ると「仕組まれたようなコント感」を感じて笑いそうになる。この手のミスはそもそも面白いものだけど。

次に性格診断的な適性テストを受ける。
心拍数がハチャメチャに上がりつつも、満腹感のその先にいて判断力がひどく悪い。状況が理解できずにボールペンを走らせていない時間もあって、各問半分ずつくらい終わらなかった。
ちょっと診断としてのエンタメ性を感じただけに、不完全燃焼。結果は「メンタルクソ雑魚やで」みたいな感じだった。

その後も詳しい説明やゲーセンのような模擬技能教習が休む間もなく続いた。プチパニックであまり覚えていない。

あと常識かもしれないけど、実際に一日目に教習車に乗ると思っていなかった。
コレ!!!アカン心の準備が!!!と思ったが、僕のようなタイプに心の準備をさせると2年はかかる。
建前としては合宿にしておいてよかった。本音としては自分で選んだけどゲロきつい。実際に家から通ってたら行かなくなっていると思う。

同乗したのは頼りになる姉御肌の先生だった。

「任せなさいなこれで飯食ってんだから」と計3回は言っていた。
こんなのいちいち記憶してるから運転がボロカスなのかもしれない。
初対面で
「車に興味ない感じね?」
「あー、賢い人だね?」
「細かいこと気になるタイプでしょ」
「ネガティブだね」
「わかんないって言ってるけど感覚的にわかって動かせてはいるよ」
「メンタルよわそうだから多分あわない講師はいると思うよ」
とズバズバ言われた挙句、2つある周回コースのうち1つを重点的に回りスケジュール押し気味で今日は終わった。

キャラクターに負けず教え方が上手い。教習車番号が14番にちなんで「うおお頑張れ14号!」「いや~対向の車は気にすんな私が謝っとくから~謝るのがいっちゃん得意だから」みたいな冗談を挟んでくる。
コミュニケーションが不足するよりは確実にその方がいいだろうし、プロの仕事を感じた。

僕は都度「えぇ~横からハンドルを??運転うま」「教え方うまいっすね」「なんでわかるんですか」と口に出していたので、無意識に「これで飯食べてるんだから」を引き出してたのは僕かもしれない。
「謝るの上手そうですもんね」みたいなナメた口をきいたのは謝りたい。偏見言い放題のアニメキャラかと思って。失礼すぎる。
ちょっと「コイツはツワモノだ…」みたいな溜息が漏れていたのを聞き逃してはいない。
でも講師が毎回変わるんだってさ。ほかの誰かに怒られたらしんどい。

臨時バスで男子宿舎に帰ると、すぐに夕飯が用意されていた。
ついでに寮長の自己紹介と寮の説明を受けた。
この人も偉く人当たりがいい。
おじさんなんだけど、母性強めのキム兄みたいな。

「会う人会う人が濃い」と軽く言いたくはないんだけど、どの人も確実に記憶にはこびりついていると思う。
僕自身が10年後20年後に、日記を読み返しながら詳細を友達に語っててもおかしくはない。

帰って部屋を形作りながらちょこちょこ教習ノートを見ると、サイドミラーの合わせ方のイラストメモが手書きされていることに気付いた。そういえば最初に質問しながら引っかかったとこだ。
サイドミラーの設定で引っかかる恥ずかしさはおいといて、これサポート手厚いとか姉御肌とかで済ませていいんだろうか。

いや教え方を間違えたら法とか人命とかに関わる重要な仕事だろうけど。
仕事の引継ぎにしろ覚えてほしいという熱意にしろ、バスに乗り込むまで3分もなかったのに描けるもんなんだ。
そういう仕事だプロだと言われればそうだけど、自分が逆の立場だったらここまで出来ないや。
プロ意識って言葉は、前の職場でかなり嫌いになってしまっている。

落ち着いて書いていたら、4000字を既に越えてしまった。本当なら誰かに電話するような内容だろう。

宿舎で食事を済ませたあと、初めて利用したトイレを早速詰まらせたり、余ってるシャンプーと歯磨き粉使っていいよと言われたり、このインスタントコーヒー寮長のだけど飲んでいいよと言われたり。
もっと書けば本当に1万字は超えそうだ。

宿舎で一緒になった2~3歳下の子らは5人ほどで構わず女とか性とかインスタとかの話をしていて、修学旅行みたいになっている。
暮らしていくからお互い様だし構わないけど、思いのほかうるさい。
ほぼ初対面から1週間でそのコミュニケーション力なのはちょっと恐ろしい。
みんな陽気って感じでもないけど、全員その時々で自動車免許を取る必要に駆られた人間なんだよな~って思うと少し合点がいく。
陽気に振舞わざるを得ないというか、そういう里の人間というか。

うだうだ書くのは一旦終いにしておかないと。
一応僕、勉強に来てるんですよ?

オンライン受講もあるみたいで、受講の区切りが0時回ってかららしい。
疲労やこれからのスケジュールを考えると、こんなに書けるのはおそらく今日くらいだ。

話の記憶を持って帰るよりは、学習記憶を持って行く気持ちで臨みたい。

ノートパソコンがあるから日記は暇つぶしとして事欠かさないけど、とりあえず休養と座学とお風呂を……もう23時!?!?
20時だったのに。お前は読み込むものも読み込まずに何を……。

とりあえず明日の朝に起き上がって、配置につくことを第一目標にします。
外からの診断で間違いなくメンタルクソ雑魚だと判明したからね。

タイトルは話を聞くことが多かったのと、聞いてほしい話が多かったのでこれにしました。

こなまるでした。

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