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過去の棚卸しとこれから

春らしい夜だった
少し暖かくて、羽織ものは手に持って歩いてもいいくらいに早歩きでお店に向かう

私が行ってみたかったお店
デートの時に予約するのはここ最近は私がするようになったけど、今は「私の気になるお店に行っていいよ」の合図だと思って、喜んで予約する

「予定通りの時間と場所でよかったかな?」
あ、LINEの返事してなかった
楽しみにしていますの言葉で心の中で私もー!と返事をしていたままだった
こんな風にLINEのこと、彼の中では業務連絡のツールであって、でもそこに愛情を載せたやりとりはできないこと(できないって笑いながら言われたからね笑)を知ったのは、去年の夏頃だったかな。
物分かりが悪い私はそのあとも懲りることなく拗らせては、ここnoteに殴り書きをして。
愛情を測るツール(返事の有無とかタイムリーさとか)じゃないと言い聞かせつつ、でも納得行かなくて。試し行為をしてはスルーされて余計に落ち込んでたことすら、懐かしく思う。

「めっちゃ汗かいたわー」
ってほぼ予約時刻と同時にやってきた彼
3週間ぶり。んーやっぱ好きな顔だなーって
思いながらとりあえず飲み物を選ぶ。

一つ前の居酒屋デートでは
メンタルばちぼこにされたあと這い上がってきた話だったけど、今回はもう少し穏やかな話だった。違った大変さはあるけれど、彼が鬱っぽくなるほどの激流ではなさそう。
ほっとする。本来の彼のペースで仕事ができる環境なら、私は嬉しい。

私は仕事のことよりも、今回会えないかもしれないと思った夫のことを話した。ふだん、それぞれの夫婦の話はしない。子どもの話はちょっとするくらい。

彼は一息ついてから
「結婚したらあかん人やん」
「んー。やっぱそうよね。人生で結婚はしないって決めてたらしい」
「なのに?!」「なのに…!」
「甘やかしたんやな笑」

甘やかすもなにも。
夫とはプチ遠距離で会えて月2。
2年付き合って結婚したけど正直私の周りからは
ほぼ反対されたし最初は祝福の言葉ではなく
「なんで?」だったなあ

今思えば、友の言葉は信じてもよかった
でもそうすれば、大切な子どもたちと出会えなかった
そして、彼とも出会うことはなかった

そんな言葉は重すぎるので
慣れない辛めのワインで流し込んで
何も言わずに微笑んでおいた

「今日は少し早めに帰る」
私の言葉にうーん、そっかーじゃあお店でよかって話をしてお店を後に

駅までは珍しく15分ほど歩く
夜風が少し暖かくてでも夜のひんやりもあって
彼はタバコを燻らしながら
私から少し離れている
タバコの匂いは別に嫌ではない
離れる方が嫌だから近づくのにそれに気づかずまた離れる

腹立つから(恥ずかしくてそんなこと言えない)
急に立ち止まって「あれ、なにー?」とか
アホみたいなことを言ってタバコの火が消えるのを待っていた

残念ながら二軒目にはいけなかった
けれど、テイクアウトでコーヒーを飲むくらいの
余裕はあったから2人でコーヒーを買う

やっと手を繋ぐ
駅も近づいてくる
マスクもなしノー変装の2人
構内も何気なく繋いだまま
バス停につく

さすがにハグはできない
ましてやキスもできない
手を繋ぐことだけで精一杯な私たちは
プラトニックな関係

繋いだ手は
簡単にほどけてしまう
そして私たちの関係性は脆い
いつも危うくて
いつ崩れてもおかしくない

バレることも怖いけど
何より急にいなくなることの方が怖い

お別れがちゃんとできる関係でもない

だから
会うたびにいつも思うんやけど
今日が最後だとしても好きを感じれた時間に感謝だなあって

彼の子どものことだけじゃなくて
我が子たちのことも思うと
これがベストだとは思わない

残念ながら
社会的には私たちは隠れてすごすべき関係性になってしまった
先輩、後輩の関係なら別に良かった
でも
お互いに気持ちを伝え合って
タイミングが重なった

後悔はしてない
少なくとも悩んで拗らせてしんどかった時期は経験せずに過ごしたかったけど、今までの私にはできなかった

でもね
やっぱ人間は成長する
何歳になっても変わりたいと思えば、そして変わるために正しい道を示してくれる人たちがいれば
生きやすくもなる
だから、今までは彼がいなくなることが怖くてその代わりな人をずっと探してたのね
分散しまくって、手当たり次第、とりあえずキープしてさ。ほんと失礼なことしてたと思う

彼の代わりなんていないんだよ
終わったらそれは彼との婚外関係が終わること
たぶん会うこともなくなってしまうんだろうな

気づけば、一年半くらい前に始まった関係性
連絡が1ヶ月来なくなったのは親御さんが急逝したからだったし、会わない期間が3ヶ月あったのは鬱っぽくなってたからだった
私がいつ連絡取れなくなるか不安で仕方ないって話したら、携帯の番号教えてくれた
LINEは業務連絡と言われたけど会った日はLINEしたいって言ったら、その日から帰り道にLINEするようになった
隙間でもいい、会えるなら少しでも会いたいって伝えたら、今日会える?って連絡くることも前はあった(今はないんかーいw

「この関係性にゴールはない。なのになぜこの関係を望んだの?」と彼に問いかけた私
今思えば、ゴール(目的)のために付き合う関係ではない。いま、この時間を一緒に笑って過ごせる相手が「たまたま」私なだけであって。

人生の伴侶にしてほしいとは思わない
いいところ取りをさせてもらっているのも
重々承知している

だからお願い
お別れはいつかする
絶対するから
もう少し先にその日を置いていてほしい

願わくば
まだ楽しくてときめく時間を楽しませてほしい

プラトニックでもいい
って思ってるのは半ば諦めでもあったけど
プラトニックなのに
こんなに楽しいのも不思議だなと自分で思う
前はキスできなっただけで怒ってたのに笑

今は彼をみて、感じて
笑えたらそれでいいかな

今月は彼は帯で災害支援に行くらしい
だからその前後は家族と過ごしたいと教えてくれた時、前までなら少し胸が痛んだけれど(痛める理由なんてないのにね。そんな立場ではない.)
そりゃそーよね、ゆっくり過ごしてねって当たり前に伝えることができてよかったと思う

私もちゃんと成長できてる🌱

また会える日を心待ちにしているこの時間すらも
愛おしく思う
いまは、本当に大好きなんだと思う

1日でも長くいられますように

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