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HKK入院日記 7日目 生まれ変わる

骨盤骨折した男の入院日記です。
ここまでの内容
→38歳(男)がニセコのスキー場にてスノボ中、立木に衝突
→左骨盤を骨折
→入院、手術(札幌徳洲会病院)

Day7 2019.3.5(火) ICUから大部屋へ

痛みと痺れは残るものの、患部の状態や身体の状態は良好ということで、ICUから病棟へ移動になりました。

個室は埋まってしまったということで、大部屋(4人部屋)に入ることになりました。

運良く窓際のスペースに入ることになりました。

大部屋はカーテンによって仕切られています。防音性はないので、いろんな音が聞こえて来ます。

ICUでの無機質な音のみ聞いていた耳に、咳の音やくしゃみの音、鼻をかむ音や話し声、などが入ってきます。

これが妙に嬉しかった。

自分以外に生きている人がいる。そんなことを音から実感できたからだと思います。

相変わらずベッドに寝たままなので、どんな人がどんな症状で入院しているのかはまったく分かりません。

看護士さんとの会話が聞こえてくるので、その会話内容から察して想像していました。どうやら他の2名は高齢男性のようでした。

自分のブースのすぐ向かいのブースには中年男性が入院していましたが、どうやらもうすぐ退院するようでした。電話で弟とおぼしき人と退院の段取りについて話しています。

この日から左足の痺れを抑えるための神経系の痛み止めを処方してもらいました。これでだいぶ楽になりました。神経の痺れの原因は手術時の処理にありました。腰を切開して骨を施術する際に神経を避けていたことが原因だったようです。神経の治りは1日1mmということで時間をかけて治るのを待つことになりそうです。

内服している痛み止め、痺れ用の薬、血管から直接入れている痛み止め、このコンボでどうにかやり過ごすことができました。

スプーンでも食べやすいように細かく切って出てくる食事。それぞれは少量ですが、1日三回決まった時間に出てくるので結構な量です。栄養もすごい。

食欲はあまりありませんでしたが、自分の血肉を作るためには体内で作れない栄養分を外から摂取するほかありません。無理矢理にでも食べました。といってもまだ半分くらいが精一杯。

手術前には動くたびに骨に響くようなつんざく痛みがツラかったのですが、手術後は傷口こそ痛むものの、動けなくなるような絶句する痛みは無くなりました。嬉しかった。

これにより、上半身を45°以上に起こすこともできるようになりました。痛みもなく、頑張れば垂直にベッドを傾けることもできるかも?という感じになってきていました。

体にはまだまだたくさんの管が繋がれ尿カテーテルも繋がったままでしたが、手術の成功を実感できてゆるやかに嬉しい気持ちになりました。


手術直前からSNSを更新していなかったので、手術終わったとTweet。

30時間ぶりくらいのTweetでした。普段はもっと頻繁にTweetしているので、久々のTweetになりました。

正直言って、ICUにいる間はiPhoneを触る気にはなれなかったです。しんどくて。毎日数時間以上スマホを見ている超スマホ依存な自分でも見れないほどのえらさ(しんどさ)だっとと言えば伝わる人にはそのえらさが伝わるんじゃないかなと思います笑

そういえば、手術は成功と聞いていましたが、この時点では具体的になにがどうなったのかはよく分かりませんでした。

この日、レントゲンとCTを撮影しました。
退院してから改めて見せてもらったのですが、この時点で僕の骨盤は新しいビジュアルに生まれ変わっていたようです。

レントゲン。かなりオシャレに仕上がっています。
ボルト?ピン?なっが。多いし。

左側から。だいぶ長い。

右側から。もう訳分かりません。

CT撮影。正面から。このメダルみたいな鎖みたいなヘアバンドみたいなのがプレートと呼ばれるもののようです。チタンか、ステンレスでできているとのこと。

CT横から。もう訳分かりません。骨がひび割れている部分は自然とくっついてくるようです。カルシウムとらなあかん。

ちなみに、骨折後にこうやってボルトなどを入れる場合、1〜2年後にボルト摘出することもあるのですが、僕の場合はこのまま拒否反応などがなければ一生入れっぱなしということです。骨壷にプレートも入れてもらえるかな。

この手術は寛骨臼骨折観血的手術という手術だったのですが、担当していただいた札幌徳洲会のU田先生は骨盤手術のスペシャリストで、転院先の病院で新しく担当になったU田川先生曰く「日本で5本の指に入る医師だと思います」とのこと。

U田川先生は引き継がれたこの写真を見ながら「上手に手術してもらいましたねー!よかったですね!」と仰っていました。

ヘリで運ばれた病院がここで本当によかった。ツイていました。

というわけでどうにか手術を乗り越え、とびきりオシャレな骨盤にドレスアップして、精神的にも身体的にも生まれ変わったような気持ちです。

そして、とにもかくにも入院生活が初めての大部屋にて再開したわけです。

続く

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