以前の記事で娘と出掛けて
旅みたいで楽しかったと言う記事を書いた。

その帰り道、娘と一緒に出かけられることに
成長を感じて嬉しくなった。それで、ふと思った。
私も母とたくさん旅してきたけど、同じように娘が成長したとか嬉しいなとか
たくさん感じていたのかなと。

母とは国内外色々行った。
お互い旅を共にする友人がそこまで多くなかったから
旅行したいと思えば誘い合う。
旅友だった。
結婚して子供が産まれてからは３世代旅行が定番で
母と二人っきりで出かけることはなくなった。

母は真面目でしっかりした性格であるが
ユーモアたっぷり。私と笑いのツボが合うのでよく二人で涙を流して笑い転げていた。その姿を見て父と姉は全くついていけてない、
というのが我が家のよく見るパターン。
旅行好きの彼女はいいホテルやお得なツアーを見つけるのが得意で
旅のことなら何でもお任せという感じだった。

しかし、彼女と旅行に行くと
いつもの母とは違う。
現地に着くとむしろ『お任せしますぅ〜。』というスタンス。
ランチはどこにする？次はどこ行く？何観たい？休憩する？夕飯は？
何を聞いても母は何でもいいよ。好きにしていいよ。
本心でそう言っているのだろうが、いつものお任せあれ！の母はどこへ行った？
何でもジャッジを私に求めてくるので、だんだんイライラしてきて最終日はもううんざりしていた。少しは決めてくれと思っていた。
母の頑張るところは旅行を決めるまで。あとは流れに身を任せるように旅を楽しんでいた。
二人旅をして私の知らない母の一面が見られた。

確かに旅行を一緒にしていた当時、私は留学帰りで海外旅行も連続で行っていた。海外に対してかなりの強気だった。
ある程度のことなら私の英語で何とかなった。
そんな姿を見て、母は私の成長を喜んでいたのかもしれない。
私が娘に対して思うことと同じく、
あんなに小さかったのに、一緒に旅ができて嬉しいとか、
頼もしく旅をリードしてくれるようになって成長したなぁ。とか？
まだ私の娘は小さいからそこまでは思わないが、成長して海外に一緒に行くようになって色々助けてくれたら、そう思うのかもしれない。
そうなるとやっぱり『お任せしますぅ〜。』というスタンスになるはずだ。
あの『お任せしますぅ〜。』の中には娘の成長を喜ぶ母の気持ちが含まれていたのかな。

そういえば最近母はこんなことを言っていた。
『いつかついて行くだけの旅行をしてみたい。行くところも食べるところも全部決めてもらうような。』
確かに母は家族のためにたくさん旅行を企画して旅先で色々決めてきてくれた。
それを私や姉は大いに楽しんできた。
旅行好きだから何でも決めてくれる母だと思っていたが
実は誰かにリードしてもらう旅に憧れていたのだ。
そうか！『お任せしますぅ』は母の好きな旅スタイルだったのか。
母は私と旅をして
娘の成長を嬉しく思い、娘に任せる旅ができた。
そう喜んでいる母の気持ちを知らず私は母にイラついていた。
今更、あの時の自分の態度を後悔する。
未熟な娘だ。

最近は母も私も介護や子育てでそれぞれのことで忙しい。
落ち着いたら母を旅に誘ってみようかな。
私に任せて！のツアーを企画してみよう。