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仏教が説く善と悪ー七仏通戒偈を味わう

易しくて難しい七仏通戒偈(しちぶつつうかいげ)

七仏通戒偈は仏教を総括するものとして伝えられております。この偈はお釈迦さまとそれ以前の六仏のお教えにも通ずる仏教の真髄とされています。

七仏通戒偈
諸悪莫作(しょあくまくさ) 諸の悪を作(な)すこと莫(な)く
衆善奉行(しゅぜんぶぎょう) もろもろの善を行い
自浄其意(じじょうごい) 自ら其(そ)の意(こころ)を浄くする
是諸仏教(ぜしょぶっきょう) 是(これ)が諸仏の教えである

内容をご覧になって皆様はどのようにお感じになるでしょうか。

「仏教の真髄という割には随分簡単な内容だなあ。」

と思われるでしょうか。あるいは、

「わかるような気もするけど、よくよく考えるとよくわからないなあ。」

という感じでしょうか。もしかしたらその両方でしょうか。

歴史を遡りますと、この七仏通戒偈を聞いて大きな衝撃を受けた人物がいます。それは、唐代の詩人として有名な白居易(はくきょい)です。

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