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新緑に囲まれた劇場 静岡の「ストレンジシード」

昨年初めて行って「静岡で1番面白いイベント!」と驚いたのがストリートシアターフェス「ストレンジシード」。静岡市の街や公園で演劇が始まり、遊んでいる子供の声までもその一部になる。5月初めで外は暑いくらいだが、時折吹く涼しい風が心地良い。目の前の演劇が体現する表現の自由さにドキドキさせられた。

ストレンジシードがあってうれしいのは、街中で演劇関係者と思われるおしゃれな人を見かけること。普段の静岡では見かけない人たちだ。本番の数日前に青葉シンボルロードを通りかかった時はリハーサルをしている様子。カラフルな衣装がかわいくテンションが高まる。イベント当日にお昼を食べたお蕎麦屋さんでは、関係者らしき6人組を見かけた。

駿府城公園内の児童公園

会場の一つ、駿府城公園に着くと芝生の一角に人が集まっていた。サファリ・P「おちゃのじかん」が始まる。日差しと木々、芝生のコントラストが美しく、印象派の絵画から抜け出したようでうっとり。演者の動きやクラシカルな衣装が映える。ペットボトルのお茶を使った場面にくすっとする。

のあんじー「待たない!」はゴミ箱に入ったり、自転車に乗ったりと自由自在でエネルギッシュ。芝生から児童公園へ移動する演者について観客もゾロゾロと歩いていく。携帯で別の場所にいる同行者に「移動してるよ!」と話す人も。観客のおじさまに「吉本より面白いね」と話しかけられた。怪訝な顔で通り過ぎる通行人ももちろんいる。

相方が離れてしまい心配になるが、この後起き上がった

演者が観客の間を縫って歩く時もあり、距離感はゼロ。「こんなふうにセリフを発するんだな」と感心した。帰りがけには、ワワフラミンゴ「タヌキのへそくり」に遭遇した。

浅川奏瑛×演劇空間ロッカクナット「ビトゥイーンズ・パーティー」の終演後

街や公園が舞台になる。そう言葉にするのは簡単だが、実際観た方が何倍も楽しい。天気や風、物音、声も取り込んだ演劇はその時しか感じられないものだからだ。「静岡を観光するなら、ぜひストレンジシードに合わせて」と言いたくなるくらいおすすめのイベントだ。

投げ銭のお礼にもらったステッカー



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