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【運命論vs.意志 編】エドガー・ケイシーの占星学④ 占星学と意志

“……ここで理解しなければならないのは、いかなる惑星の作用も、太陽、月の位相、あるいは天体のいかなるものも、人間の意志力の支配をしのぐことはない、ということである。” 3744-3 ※1 p.11


BGM:バッハ BWV76 「Die Himmel erzählen die Ehre Gottes(もろもろの天は神の栄光を語り)」より

“ もろもろの天は神の栄光をあらわし
大空はみ手のわざをしめす。

この日は かの日に言葉をつたえ
この夜は かの夜に知識をつげる。

話すことも、語ることもなく、声も聞えないのに、
その響きは全世界にあまねき
その言葉は地のはてにまで及ぶ。”
      ――― 詩篇19:1-4


 エドガー・ケイシーの占星学についてのスピリチュアルのネタの4回目。
今回がシリーズ最終回になります。

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 今回は占星学に関して「運命論 vs. 意志」についてです。

占星術の信奉者には、占星術とくにインド占星術について読むと、運命論(宿命論)や運命論的な強制力を感じて動揺する人もいるようです。

「自分や自分の人生は運命によって定められていて、占星術のホロスコープはそれをあらわしている」といった窮屈な考えにとらわれる人達です。


さて最初に言っておくと、エドガー・ケイシーのリーディングでは、占星学的影響力に言及する際でも、運命論は否定されています。
意志、心がけ、選択、行為、努力といったことが尊重されています。

このことに関するケイシーのリーディングの紹介です。




引用・参考文献 ※


※1  マーガレット・H・ガモン『魂の占星術』 岡本祥子 訳 林陽 監修、たま出版 1990


※2  ジュリエット・ブルック・バラード『エドガー・ケイシー/大宇宙の神秘』 林陽 訳、中央アート出版社 1989


※3  光田秀『改訂版 眠れる予言者 エドガー・ケイシー』総合法令出版 2015


占星術の鑑定が外れる人たち?

 ケイシーのリーディングでは、占星学の鑑定が当てはまらないようなことにも言及されています。


“ 惑星の影響について、ケイシーが語っている中で、興味深いもうひとつの面がある。それは、占星学のチャート(出生図)の有効性についての質問に対して、彼が次のように答えていることである。

 現在(一九三三年)、全人口の約二〇パーセントが、物質的滞在(地球での滞在)を通じて得た衝動で行ってきたことに依存している。この経路を通じて示されているように、占星学のチャートと関係をもつ者もいれば、部分的にしか関係をもたない者もいる。自ら行ってきた行動のためか、占星学のチャートとは、全く正反対であったりする者さえいるのだ。” 5753-1 ※1 pp.14-15

“ 占星術でいうアスペクトは、その実体にとって肉体的な経験の一部となるかもしれないし、ならないかもしれない。なぜならそれは単に衝動でしかなく……” 3340-1 ※1 p.62

“ この実体の人生における星座や黄道十二宮の影響力に関していうと、それらはゆらめく程度でしかなく、実体の魂の奥深く存在する導引力ではない。これらは現在、地上界で主に教えられ、述べられている多くのものとは、相反するものである” 8-1 ※1 p.142

“ この実体は、全ての実体と同様に、あらゆる面の経験で、創造的な影響、または力を用いてきた結果、現在ここにいることがわかる。これは、ある人がカルマと呼び、またある人は民族的な遺伝の作用と呼ぶものである。
……
 ここで記録を解釈すると、この実体は、占星学の面からいって、太陽や月の位置、惑星に対する地球の相対的位置、黄道十二宮やその他の影響力などの作用を受けていないことがわかる。だがこれは、この実体の環境の一部とみなすことはできる。” 1796-1 ※1 p.143


意志、選択

 ケイシーのリーディングでは占星学的影響力から外れる要因として、とくに意志や選択に触れられています。


“人間の運命に最も強い力を及ぼすのは第一に太陽、次に地球に近い惑星、または出生時に上昇しつつある惑星である。ただし、ここで理解しなければならないのは、いかなる惑星の作用も、太陽、月の位相、あるいは天体のいかなるものも、人間の意志力の支配をしのぐことはない、ということである。” 3744-3 ※1 p.10-11

“ ・・・・・・その実体のこれまでの受肉の中に認められる占星学的な影響力・・・・・・は、実体の経験に「意志」がもたらされることで、非常に変化するかも知れない。……” 1719-1 ※1 p.62

“ ……意志の力は、物質的出生をした魂一人一人の体験の中に進歩も、退歩も招く選択能力を授ける要因である。……今日――今現在――それぞれの実体が、生と死、善と悪のどちらかを選ぶという状況におかれている。全ての魂は、肉体を持って生まれた際に、その選択を行うのである。

 占星学から明確な助けが得られないというのではない。しかし、占星学を信じる人々は、それを支配するというよりも、むしろ支配されることが多くなるものだ。占星学は、多くの例において真実である。だが惑星間のアスペクトは、サインやシンボルにすぎない。個人の意志以上に重要な価値をもち、重要な援助となる力などないのである。
 踏み台として、(惑星からの)指示を使いなさい、それを汝の経験の障害物にしてはいけない。” 815-6 ※1 p.63

“占星学的力に関して自分を応用することについて言えば、このような力は単なる衝動に過ぎないのである。それをどう活かすかは、人間のとる選択にかかっている。” 1710-3 ※2 p.51

“・・・・・・惑星同士の位置関係は特定の人生で人間が辿ってゆく傾向を作り出すが、これは自由意志を度外視しての話である。そこで、どうすれば意志力が惑星の力を克服できるのかを理解せよ。” 3744-3 ※2 p.57

“・・・・・・様々な天体の織り成す占星座相は単なる傾向にすぎないことを、この人は銘記すべきである。そのことを心に刻み、星の角度を信じてばかりいることで、あるいはそれに対抗しようとして、逆にそれらに力を与えてしまわないようにせよ。
……
こうした傾向にあなたが従ったままでいれば、物質的、精神的、霊的理解をもたらす創造力にではなくて、法則の餌食になるということである。” 826-15 ※2 pp.190-191


関連note: 【基礎編】エドガー・ケイシーの占星学① 星座のズレ、転生間惑星滞在、惑星の波動