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「幸う国」は行方不明

「言霊の幸う国」
この言葉が目に飛び込んだ時
ハッと息を呑んだ。
ひとは「ハタ」と気づいた時
感嘆を発するのではなく
むしろ吸い込むのだ。
息を引き取るというけれど
命に幕が閉じられる時も
やはり吸い込むのだという。
「言霊の幸う国」という言葉を前に
なぜ息を呑んだのかと言えば
それが遠い幻影に見えたから
失われた憧憬に思われたから
途切れてしまったように感じられたから
胸を突かれたみたいに
軽い衝撃を受けたから。
それは、認めたくなかったこと。
「言霊の幸う国」が行方不明
そんなふうに思うのは
あんまり悲しすぎるけれど。

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