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明日吹く風のゆくえ

砂漠のオアシスを奪い合わねば
生き残れなかった人々とは
あまりに異なる歴史を
私たちは生きてきた。
幾重にも連なる山々
やまず循環する海
巡りゆく季節
幾多の恵みをもたらすそれらはしかし
時として大蛇に変わる。
助け合うことでしか、生きられなかった。
うやむやにすることも
無言でいることも
意味のあることだった。
砂漠で築かれた文化を受け入れて
私たちのなかに
何が起きたのだろう。
当たり前と言われること
常識だと位置づけられること
その多くは
異質なまま燻り続けていないだろうか。
私たちが見失いつつあるものは
あまりにも深く、永く、大きなもの。
そしてそれゆえに気づかない。
何万年もの時が
今、霞の彼方に消えようとしている。

みなさまからいただくサポートは、主に史料や文献の購入、史跡や人物の取材の際に大切に使わせていただき、素晴らしい日本の歴史と伝統の継承に尽力いたします。