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人生の荒波にもまれて自己を失っている者は、天地と一体である自分自身を再発見せねばならぬ。

現代の人はとかく、目を人間社会にのみ向けたがる。
特に都会に住む者は、毎日の様に人間の作ったものばかり見ていて、つい天地を忘れがちである。
天地に目を向け、これを楽しむ事は何も詩人や芸術家の特権ではないのである。もし欲するなら、すべての人々に天地はその姿を目の前に展開してくれているのである。
人生の荒波にもまれて自己を失っている者は、よろしく天地の姿に目を転じ、天地と一体である自分自身を再発見せねばならぬ。

『氣と生活』藤平光一

自分が天地と一体であるなんて、
そんなまさかと思うかも知れません。
私にも実感があるかと問われれば
なんとなく、としか言いようがありません。
けれど、「人間の作ったものばかり」から
たとえ一時的でも目をそらすことはできます。
空を眺める時間
風を感じる時間
どこからか漂ってくる花の香りをかぎつけて
足下の枯葉の音を楽しむ
そんなとき、私たちは天地と一体になっているのでしょう。

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