見出し画像

自分の業は自分で得る

「村崎さん忙しそうですね」
「あ、加藤さんいらっしゃい。明日年休取るから色々済ませておかないといけなくて」
「旅行ですか?」
「そうそう、芸術祭を見に行くんですよ」
「あの県ですか?先輩が転勤したとこだ。新婚なのに修羅場になってるんすよ(笑)」
「なになにその話!聞かせてくださいよ」
「なんか村崎さん、小説家になりたいんでしょ?藤山さんが言ってました
「いやいや、冗談ですよ(笑)
でも面白そうな話を聞き集めてます」
「では。
その先輩、二股かけてたんすよ。元々付き合ってたのは隣の部署の先輩より年上の人で、もう一人は同じ部署の先輩より年下で、俺の先輩」
「分からなくなるから仮の名前を付けましょう。年上が…マコトで年下がサリ」
「ちょっと前の芸人さんの二股スキャンダルですか?ってかその人たちチョイスする?って感じだけど(笑)まぁいいや、それで行きましょう。
実は俺、先輩とサリさんが付き合ってるの知ってたんですよ。雰囲気で。
そしたらある日、先輩とマコトさんが飲んでる居酒屋に呼び出されたんですよ」
「彼女として紹介されたってことですか?」
「いや、その時は普通に飲んでて。でもその後も何回か3人で飲むことがあって。結構長く付き合ってたみたいです。なのにサリさんにも手を出してるから、俺知らないふりしてサリさんに、『先輩がマコトさんと付き合っている』ことチクったんですよ。ただの噂話って感じで」
「へー、サリさんどうしたんですか?」
「その時は平然としてました。内緒で付き合っていたので、俺も知らないことになっていたし。
でもその直ぐあと、サリさんから別れ話したみたいです」
「そんな最低な奴とは別れて正解ですよ」
「で、その後がすごくて。
サリさんと別れて半年くらいしてから、先輩が転勤するのをきっかけにマコトさんと結婚したんですよ。
サリさんも笑顔で祝福してたんですけど…」
「もう割り切ってたんですね、サリさんも」
「マコトさんは転勤から1ヶ月遅れて寿退社したんですけど、先輩のところに行った日の夜にサリさんがマコトさんにLINEで全部ぶちまけたそうです。ツーショットの写真とか、いかにもやった後のベッドの上での写真とか送って『お幸せに』って
「怖っ!なんでLINE知ってるんですか?」
「ね、ヤバいでしょ(笑)
マコトさんは浮気の証拠を先輩に突き付けたけど、物凄い周りの目を気にする人なのでこんなに早く出戻りなんて出来なくて、先輩と一緒に住んでるんだけど会話ないって。でも自業自得ですよ」
「なんで加藤さん、そこまで知ってるんですか?あとLINEは?」
「先輩本人から聞きました。
マコトさんのLINEは俺がサリさんに教えました。俺、今サリさんと付き合ってるんで」
「え?えー?!」
「付き合ってからサリさんに『先輩と付き合ってた』って聞いて、『え?そうなんですか?全然気づかなかった』って知らないふりしましたけどね。
別れる原因作ったのも、復讐しましょうってけしかけたのも俺だけど、二股してた先輩が悪いんだし(笑)」
(…一番ヤバいの加藤さんじゃん)
「何か言いました?」
「いえいえ;
興味深い話をありがとうございました。
(加藤さんも自業自得にならないようにね;)」

この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?気軽にクリエイターを支援できます。

ありがとうございます!
7

コノハ

熊本在住。アラフォー会社員。5の倍数日に更新しています。「みんなのフォトギャラリー」から使っていただいたnoteをマガジンにまとめています。
コメントを投稿するには、 ログイン または 会員登録 をする必要があります。