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『東福寺展』を観に行った【感想文】

《特別展 東福寺》

ということで、京都国立博物館に行ってきました。六年振りの国立博物館です。お世話になります。

会場に入ってすぐに、袈姿を着たお坊さんの姿を見かけました。現役のお坊さんと一般素人の私とでは、展示品の見え方も全然違ってくるはずで、いわば、当事者みたいなものですからね、お坊さんは。そら、観に来ますよね。

東福寺は鎌倉時代の創建ということなので、ざっと700年前の品々のその現物を目の前に見ている、という状況にまず感動します。

例えば当時の高僧が使っていたであろう仏具の杖や、着用したかもしれない袈裟などを見れば、そこに確かにその人が生きていた証をまざまざと見るようで、よりいっそう心が揺さぶられます。

古文書の類いの展示もたくさんあって、これは紙に書かれてあるからこその宝物。だとすれば、ペーパーレス化の昨今の世に、古文書という宝物はもう生まれ得ないんだろうな、なんて思いました。

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展示された毛筆手書きの文字漢字は、それぞれの手蹟の個性が芸術で、まるでデジタルフォントみたいにかっちりした楷書に感嘆の息を漏らしたり、虎関師錬《虎 一文字》は虎です、その跳ねはやっぱり尻尾やろと思ったり、反左書というものを初めて知って面白いと思ったのだけれども、冗談みたいなその書体書法は禅と何か関係があるのか知ら?ないのか知ら?

明兆の描いた《五百羅漢図》のコーナーに入ると、ここだけ急にポップ。彩色豊かだしコミカル。説明書きに四コマ漫画が付されています。羅漢さんたちの仕草や表情からストーリーを読み取ることができるわけです。つまり『写真でひとこと大喜利』みたいな見方もできます。

阿吽の二天王立像は高さ3メートル超というから見上げるほどの大彫刻です。大迫力です。有無を言わせぬ圧。胴も脚も太い。木造のようだけれども、こんな大きいのどうやって作ったの?と接ぎ目なんかをまじまじと探してしまいました。けっこう近くまで寄って見ることができます。

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大ボリュームの展覧会は、3フロアを使って200品目からの宝物を展示しています。
古文書を読むことができる人が興味を持ってひとつひとつの展示物を観て回ったら時間がいくらあっても足りないかも知れません。私は古文書スルーでした。。。

“物”から受け取るエネルギーを特に感じられる展覧会やったなー、と思う次第でありました。

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