わたしの好きなもの-③映画

好きな映画と聞かれたら

ナスターシャ・キンスキー主演の

『テス』〈ロマン・ポランスキー監督・英仏映画〉が思い浮かぶ。

随分前、1979年公開。

彼女の大きな

豹のような、

世の無条理に挑むような

鋭い瞳にくぎ付けになった。

見ていない方に簡単に

ストーリーを説明すると、

19世紀末の英国の

貧しい農家に生まれたテスは

成長するとその類まれなる美貌を

見込まれて、遠縁の貴族の農場で

働かせてもらえることになる。

そこの息子に見初められ、

彼から強引に身体の関係を持たされる。

結果、妊娠。実家にもどり、

子どもを生むが死産だった。

その後、純粋な宣教師と出会い、

恋に落ち、結婚するが、彼女が

子どもを生んでいた事を知り、

彼はどうしても、

許せなく、離れていく。

嘆き悲しむテスに

例の息子がいい寄る。

押し切られて、

貴族の妻になるが

愛のない生活に耐えきれず、

ついにその主人を殺害してしまう。

真実の愛に覚醒めた宣教師と

逃亡の旅に出るが、、

というあらすじだ。

当時の英国の田園風景や、

農民たちのたくましさ、

貴族の息子と関係を持つ

森の息を飲むような

生命力溢れる神秘的な美しさ、

苺を食べるテスの厚い唇のエロス

そんなシーンが今も鮮やかに目に甦る。

そんな風景の美しさとは、

対照的な当時の農民の女性の

虐げられた姿、

に強烈に引き付けられた。

真実の愛を知ってから、

訪れる悲劇の結末、、

だがテスは真実の愛に辿り着け、

幸せだったんじゃないだろうか………

映画の醍醐味は美しい映像美と

ヒロインの弱さの中に

隠し持った強さ、

ではないだろうか

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