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それでも話したい

「生理つらい」「女つらい」。
発信は賞賛に値し、共感のアピールでも点数がもらえる。

しんどさを感じてしまったのは、どうしてだろう?

ひとつめは、ごく個人的な理由。

超バズってるじゃん。マジョリティが理想としているのはこの状態なのかもしれない。つらいことに対して、まわりの理解がある状態は生きやすい。私もそう思う。日記の一部を公開するようになってから、昔より生きやすくなったし。

とはいえ、大声で叫べないのだ。とても個人的な理由だけど、私は生理のある身体を受け入れられていないから。だから、オープンにするのがあたりまえになればなるほど、言えない私は追いつめられてしまうのではないか、と。

個人的な理由だけど、同じように思う人、いないわけじゃないんじゃないかな。

生理について誰もが発言するようになったら、生理のある身体である現実を突きつけられるシーンが増えて、つらいだろうなと思う。その頃には、社会の変化によって、私も生理のある身体を受け入れられるようになっているのだろうか。

…ってここまで書いて1ヶ月下書きにしたままにしてた、ら。
#nobagforme (生理用品を購入する時に「紙袋いりません」という選択肢をもつことを推奨するプロジェクト)で さまざまな声が明るみに出た。よかったと思う。すこし議論しやすくなったと思う。

プロジェクトは「選択肢をもつことを推奨」なのだけど、受け取る人によっては「紙袋いりませんと言うことを推奨」されているように感じてしまって、はずかしいし嫌だ…って思う人もいたみたい。それもいいよね。

田中ひかるさんの『生理用品の社会史』を読んだ。苦手だけど勉強してみようと思って。

「タブーという言葉は ポリネシア語の『月経』が語源」や、「日本初のナプキンは1961年(!)」、アンネ社の秀逸なキャッチコピーの数々、生理用品ビジネスのこと…新たな市場ってこうやって開拓されていくのかー!などなど。おもしろかったよ。苦手な話のところはおなか痛くなってしまったけど、がんばって読んでみてよかった。


時代や国をずらしてみることで、客観的な視点をもって生理のことをみることができた。


しんどさを感じたふたつめの理由は、他の人(主に男性)が何も言えなくなってしまいそうだったから。「女はこんなにつらい」「私がこんなに大変なのに旦那は!」「台湾の男はこうなのに日本の男は…」

「おれもつらいです」なんて言ったら「はあ!?(社会的に優位である)男のくせに何言ってるの!?」と怒られそうである。そういうつもりはないにしろ。

女性が生きやすい社会になれば、男性も生きやすくなる。よく言われること。もし「男が大黒柱」「40年働くのが当然」じゃなくなったら、楽になる、とか。

仕事一辺倒で生きてきて、このままだとヤバイ!と思ってカメラや小説執筆に手を出す40代のおじさんの気持ち…ちょっとわかってしまう。

いまは男性優位社会だから、男性が女性側に歩み寄って、状況を変えて、それからじゃないと「男つらい」は言えないのかなあ。言いづらいだろうな。受け入れてもらえる土壌も仲間も少ない。

一般人で制服でスラックスかスカートか、スーツでパンツかスカートか選ベるようにするべき!の話をして、味方がたくさんつくのはほとんど女性だ。

何かを主張するとき、別の立場にいる人のことも頭の片隅に置いておかないといけない。でも、それで何にも言えなくなってしまったら元も子もないなとも思う。

どういう態度でいるか迷うけど、勇気も明確な主義主張もなくてダサいけど、せめて発言があったとき「私のほうがつらい!」じゃなくて「そうかもしれないね」って言えるようになりたいと思います。例え、考えが違ったとしても。
(自分の場所守るので精一杯な現状、情けねえ)

昨晩、優等生でマジョリティにいるようにみえる人が、あることについて「これ流行ってるけど、おれは苦手でつらいんだよね」ってぼそっと教えてくれた。
マイノリティの肩だけ持つわけじゃないけど「あ、案外言ってみても大丈夫なんだ」が積める存在でありたい。

最近読んだ本。



あと、すばるの「わたしたちとフェミニズム」もよかった。web上で読めるよ。

おしまい。

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急に雨が降ってきた時の、傘を買うお金にします。 もうちょっとがんばらなきゃいけない日の、ココア代にします。