見出し画像

あなたのクリスマスソングは何?/桑田佳祐『白い恋人達』の詞が良すぎる

こんにちは。
此島このもです。

先日職場の人達と「クリスマスソングといえば?」のお題で盛り上がったのでシェアします。

回答に年代が出るよね〜という話になりましたが私は芸能関係に疎いのであまりわからず。

アラフォーのお姉様は「マライアキャリーのやつ!」と言ってました。

1994年の曲だそうです。なんかお店の中とかでかかっているイメージがありますね。

アラフィフのお姉様は山下達郎と言ってました。

これは私も知ってます。吹奏楽で演奏したので。
でも演奏したことなかったら知らなかったんだろうな…。私が生まれる前の1983年の曲です。

ちなみにアラサーの夫はワム!と回答。

でもこれも1984年の曲なんですね。洋楽なので山下達郎とはまた違うんでしょうけど。


私は断然桑田佳祐です。

改めて聴くと桑田佳祐の声も良いですけど歌詞がべらぼうに良い…!!!

冒頭の「夜に向かって雪が降り積もると」からもう良くないですか?!

夜への時間経過と天気を表しているこの表現…!

文字で読むと「夜に向かって降り積もる雪って日本語としておかしい、あいまいで非論理的!」とも思えちゃうんですけど、
でも歌だと文字数が制限されちゃうのでいちいち「夜になり夕方から降っていた雪はますます積もり」みたいなまどろっこしい表現はできないわけじゃないですか。洗練されている…!

そして歌は耳で聴くものであり目で読むものではないので、多少あやふやでもすんなり頭に入ってきて情景を思い浮かべることができるんですよね。

そのあたりをちゃんと抑えた作詞ですよね。

あと「外はため息さえ凍りついて」とか「冬枯れの街路樹に風が泣く」とかめっちゃオシャレ〜〜〜〜!!!!! 単に風吹いて寒いことをこんなにオシャレに、そして曲全体を貫く悲しみの感情に寄せて表現できるなんてゴッドオブポエムじゃないですか……! しかもため息が凍りつくって、愛する人を失った瞬間のまま心が凍りついて止まってしまっている感じすら出ててめっっちゃ良くないですか?!

そしてこの曲、なんか「悲しい」「愛する人を失った」くらいのことは伝わってくるんですけど全体的にそれが匂わせで、何があったのか全然わからないんですよね。

それでも「冬枯れの街路樹」とか「あの赤煉瓦の停車場」とか、ロケーションに関してはなんか妙に具体的で頭に浮かびやすいんですよ皆さんにも見えますよね雪のまぶされた赤煉瓦の壁が!!

そういう「あいまい」と「具体的」の使い分けが絶妙でうまいよ〜〜〜〜!!


あと私が好きなのが「心折れないように負けないようにロンリネス」のところ。

「注意書きは否定系で書くな」ってよく言うじゃないですか。なぜなら「大声を出さないでください」だと読んだ人が「大声」の文字に注目してしまってかえって大声を出されるから。だから「静かにしてください」と書くのが良いらしいです。それは応援なども同様で、「ミスしないようにね!」だとかえってミスしちゃうそうで、「成功するといいね!」と応援するのが良いらしいです。

でもこの曲の「心折れないように負けないように」は否定系であるところが良いんですよね。

「負けないように」は注意書きルールで言うと「勝てるように」の方が良いんですよ。でも全体的に悲しい雰囲気のこの曲で「勝つ」は字面が強すぎて雰囲気にマッチしないんですよね。

「心折れないように負けないように」と否定系で言うことによってかえって聴く人を「心折れ」「負け」に注目させて、悲しみで折れそうな、負けそうな心を表現できているわけですよ!!!!

桑田佳祐すっげ〜〜!!


というわけで、久しぶりに聴いたら歌詞の良さに取り乱してしまいました。

それにしても山下達郎といいワム!といい桑田佳祐といい、なんか悲しい曲ばかりですね。
寒いからセンチメンタルになっちゃうのかなあ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?