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虫嫌いを克服させる千本ノック 74本目 セグロアシナガバチ(背黒脚長蜂)の合体

昨日、家の門を閉めて、一歩踏み出したその瞬間に左肩の近くに羽音がした。振り返ると大型のハチが飛んでいるのが見えた。

羽音とともに姿が次の瞬間消える。

肩かどこかについていないか顔をややこわばらせながら探すも見当たらない。

すると、また羽音がしたのだろうか、それとも視界の隅に入ったのだろうか、記憶が定かではないが、門の真下に、スズメバチ!

わお!

ん?

違う。

アシナガバチだ。

しかも合体!

あわててカバンからTG-3を出す。

Pモード、いや、顕微鏡モードでイケる。

反対側からも撮ろうとしたが、カメラの影になってしまうので全身を入れようとするとこの角度しかなかった。

もともと今日はなんとなく60mmマクロをつけて仕事に行こうと思っていたが、(TG-3以外は)カメラを持って行かないと決断していた。

家に戻って撮りなおそうかとしたのだが、いや待てその間に行ってしまうかも、いや急げば何とかなるかも、いや今つけてあるのは300mmレンズだが付け替えるのにまた時間かかかるその間に…と逡巡しながら内開きの門を完全に開けてアシナガバチカップルをまたぎ、家のドアを開けるのに手間取っているうち、また不規則な羽音が聞こえてきた。

振り返ると飛び立とうとしていた。

やはり間に合わなかったか、それでも家の中に戻ったときではなくてよかった。

しかし、その飛び立つ瞬間は撮りたかった。

結合したまま、一方は南に、他方は北に飛んで行こうとしたのだ。

V字になって、そして離れ離れになった。

アシナガバチの交尾を見たのは、記憶にある限り2回目。

初めて見たのは葛西臨海公園で、確か11月23日だった。もう15年以上前だと思う。

あの時も聞きなれない変な羽音とともに目の前に飛んで来た。

それの印象をひとことで言うならば、レイプだった。

嫌がって、逃げようとするメスをオスが強引に上から押さえつけて、犯していた。

当時その言葉を私は知らなかったが、性的合意はそこにはなかった。

今回はそこまで強引なところは見られなかったが、最後はやはりメスがオスを振り切ったように見えた。

メスを組敷ける強いオスだけが子孫を残すことができる。

ふと思ったのだ。行きの電車の中で。

メスも強くなければ生き残れないが、強すぎるメスはすべてのオスを振り切ってしまい、やはり子孫が残せない。

オオスズメバチの場合だが、実際にメス(女王バチかどうかはわからない)がオスをかみ砕いて肉団子にしているのを見たことがある。動画も撮った。

弱いオスには厳しい世界だ。

メスを組敷ける強いオスだけが子孫を残すことができる。

メスも強くなければ生き残れないが、強すぎるメスはすべてのオスを振り切ってしまい、やはり子孫が残せない。

ところでこれはあくまでアシナガバチ(やスズメバチ)の世界の話であって、単純に人間の世界に当てはめてはならない。

メスの尻に敷かれているオスは、日本では多いかな(苦笑)?


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