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ばん馬の牧場見学を通して 〜特別編〜

いつもは牧場見学後に記録として色々書いているが、今日は少し別のことを。

vol.2で村田牧場での記録を書いたがその時の1歳馬について今回は書いていく。 
理由としてはオーナーが当歳の時から写真などを送ってくれ、牧場でも直接みる機会があり、初めてまともにばん馬の成長過程をみることができた。
個人の感想にはなるが勉強になったこと、これからの見解について書いていく。

まずは馬の紹介から。
名前は美桜里(みおり)
父はコウシュハウンカイ、母はヒカルピアス 
兄にジェイコマンダー、タイタスなどがいる。

美桜里(みおり)

初めて写真が送られてきた時から顔が父のコウシュハウンカイにそっくりでどこか大物感を漂わせるような雰囲気があった。

生まれて数ヶ月の美桜里

放牧地での美桜里も写真にてみさせてもらうことができた。
この時から既に顔だけでなく馬体もコウシュハウンカイに見えるくらいに逞しさを感じた。

放牧地での美桜里

少し期間があいて冬の美桜里も写真にてみさせてもらった。
冬毛と飾りも相まってとても可愛く女の子らしさを感じる。
それでも放牧の時から比べると馬体も大きくなり明け1歳とは思えないくらいの大きさまでに成長。
胴の長さ、腹回りも立派になってきた。

かわいらしいカメラ目線の美桜里

冬が明け春になると一気に大人っぽさを感じるが、この写真の少し前にみさせてもらった時はとてもお転婆だった。ただ馬体はみるみる大きくなり一瞬、今年デビューする馬かな?と思うくらい立派になっていた。

春頃の美桜里

夏は酷暑でもあったせいか少し腹周りが小さくなったようにみえたが、胴や脚はまた少し長くなったようにもみえる。

夏の美桜里

そして数ヶ月の時が経ち2度目の美桜里との対面。
みた時には思わず「うわぁー、大きくなったなー、本当に立派になった!」と声が出てしまった。
全てにおいてまた一回り大きくなったような気がしてとても感動した。
入厩直前ということもあり、心にくるものもあった。

入厩前日の美桜里

オーナーからの発表にもあったとおり、松井厩舎に入厩した。
馬運車に乗るのを嫌がったりすることもあったが、無事に厩舎に入り、ご飯もしっかり食べているとのことであった。
まずは環境に慣れて、能力検査に向けて身体をさらに大きくしてデビューしてくれるととても嬉しい。

生まれてから間もなくしてからここまで写真や実際に会ってみさせてもらい、成長過程を見ることができ自分自身とても勉強になった。
まだ1歳で幼いところが目立つが、春に会った時はちゃつの中をぐるぐる走り回ってたのに、入厩前日に会った時は気になるものや人には近づくも以前よりは落ち着きを感じられた。
お転婆な面があり、とても元気なのは変わってなかったからその面が競走馬として強く出ると活躍もできるのかな?

続いて血統について考えていこうと思う。
冒頭にも書いたとおり父がコウシュハウンカイ、母がヒカルピアス。
まずはクロスから。
マルゼンストロングホースの4×4×4
二世ロッシーニの4×5×4

クロス情報

これだけをみるとペルシュロンとベルジャン中心の血統に感じる。
脚の長さはマルゼンストロングホースからきているものはありそうだ。

父のコウシュハウンカイのサイアーラインはウンカイ→マツノコトブキ→二世ロッシーニのばん馬の王道路線。
サラでわかりやすくたとえるとディープインパクト→サンデーサイレンスみたいなものだろうか。
これからどんな産駒が出てくるかわからないが、コウシュハウンカイのような高重量でも活躍できる馬が1頭でも多く出てきてほしい。

続いて母のヒカルピアスについて。
ヒカルピアスの父はタカラキングという馬で父方の系譜的にはマルゼンストロングホースの直系になる。それ以外は比較的ペルシュロンが中心の血統構成となっている。

父はベルジャン色が強く、母はどちらかと言うとペルシュロン色が強く、品種的な配合からいくと同じ栗毛で流星があるコーネルトップを感じさせる血統構成だ。
兄のタイタスやジェイコマンダーも上の方のクラスで活躍できているため美桜里にも期待したい。

今回は1頭に絞って紹介してきたが、「馬をみる」という意味ではどこを見れば良いのか、どこがどのように成長しているかを見ることができたことについては今後同じようにみる機会があれば、活かしていきたい。

※今回、写真や美桜里のことについてはオーナーから許可をもらって書かせてもらっているので無断での転載等はやめてください。
1個人の見立てが入っている部分があるため、書いてあることをすべて鵜呑みにせずにみてもらえると助かります。

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