窓際のおっさん14 公務員志望者減_技官は定員割れ続出 (2/4)クレームとパワハラ、職員を大事にしない役所組織

 会社にいると色々ある。どうにもならない事ばかりで、禄を食むためだけにひたすら受け流して暮らしている。時には反撃してみたり、動き回って相手を撃ち落とすこともあるけれど、会社全体としては何らプラスがない。それでも一筆積み上げれば、誰かの一遇は照らせるかもしれない。そんな想いで今日も筆を取る。

 前回は、技術系程むしろアナログで、効率化からほど遠い現状を指摘してきた。
また「こんなのすぐできちゃうでしょ?」の一言に端を発する、事務処理等ミスに対する誤った再発防止策の連続により、事務量が雪だるま式に増えていることを指摘してきた。

 今回はそうした内部の無駄だけではなく、役所の対人ストレスの問題を、おっさんの経験を交えながら紹介していきたい。

<明らかに間違っているモンスター市民や上役を批判しない>


 某政令市には、昔から一人、大量の情報開示請求をしてくるモンスター市民がいる。ウン十年と市役所に粘着する困った有名人であるが、こういうのをのさばらせてしまうのも問題である。

 知性に基づいたまともな改善意識や、社会研究のためのデータとして、情報開示するならば、その自由も権利も重要である。だが実態はド素人が単にクレームを言いたいがために悪用されている。

 それらの大概はこんなやりとりだ(おっさんが見たり体験した内容)。

 点検票の開示請求をし、専門知識もなく、私見で細かいミスを指摘しては、
 「こんな杜撰なことやってんのか!?いい加減な仕事してると〇〇政党に垂れ込むぞ?」
 
 事故災害発生で非常に危険な状況の直後、わざわざ現場に来て開示請求をし、そこで小さな事務処理ミスを見つけては
 「こんなことだから事故が起こるんだろうが!もっとちゃんと仕事しろ!」

 無秩序に100枚の書類の情報開示請求を行う。どう見ても量が異常な枚数だが、権利行使だと騒ぐのでやるしかなく。担当者は長い時間をかけて個人情報等を黒塗りしてチェック、更に逆に黒塗りしてはならない箇所をチェック、しっかり準備を行う。
 ところが、いざ引渡しの際、そのクレーマーは荒々しい口調で職員に詰問を開始し、100枚のうち10枚もめくっていない状態で真っ赤になって怒る。しかも開示請求資料を持ち帰ることもなく、怒るだけ怒って帰るといった蛮行を行った。

これらはもう、完全にテロリストのそれである。

 当該市役所における情報開示請求は、9割以上がその人物とも言われており、役所に害をもたらす意図があっての行動としか見受けられない。
 噂ではあるが、このクレーマーのために年間億単位の損害が発生しているとの試算もあった。更に病んで辞めてしまった職員や、この人物のせいで増えた大量の事務処理の追加作業を含めれば、将来に向かってもとんでもない額面、そして人的犠牲である。吊し上げて全額請求しても良いぐらいだ。

こんなテロリストは単に勇気を出してつまみ出せばいいだけではないか。

 事情を正直に公表するなり、毎度録音録画し、怒鳴ったり騒いだら警察を呼ぶなりすればいいのだ。やっつければまっとうな全市民は喝采すると思うが、役所はそれをやろうとしないのである。

 つい数年前、そうした事態を積み重ねてから15年程度経ったぐらいだろうか。
ようやくその役所は不当な開示請求に対する対処を規定、明文化したようだ。遅すぎる。しかしそれでも結局現場は規定を盾に対抗する勇気がなく、上役達も相変わらず部下に、ひたすら我慢と服従を命じているようだ。

<パワハラ・モラハラ・サビ残天国>

 
 2022年の時点で、某政令市の設備課はパワハラ・モラハラ・サビ残天国であった。他の課でもまだまだそういう話は聞くが、今回はおっさんの経験を話すと、

① おっさんが多少上の職位(主査)という理由で、おっさんに不機嫌な態度で執拗に残業抑制を命ずる課長。
おっさんの残業量が多すぎるという数値的根拠や、課長が本来すべき部下の業務量の把握、必要な話し合いもせず、ただ職位のみを理由として残業を批判する課長。
→黙らせるためにと、おっさんは頑張って残業を減らし、サービス残業も含めて、申告はかなり少なくした。
→しかし出張や他の課への応援の命を受け、どうしても必要な残業を申請した瞬間、自分で命じておきながら、コロッとそれを忘れて、同じ調子で不機嫌に詰め寄る課長。
→それに大抵おっさんが「応援で2週間も抜けるんですよ?」と確認すると更に不機嫌になり、「普段仕事をしているように見えない」「能力が低い」などと言われの無い叱責を始める課長。

② 周囲は①のように主査職がいじめられている状況を見て委縮し、自主的に土曜日曜祝日出勤、あるいは深夜遅くまで残業をしてしまっている。
 ところが、それを知っていながら「申請がなかった」などと言い訳してサビ残を放置する課長。自主的なサビ残の横行は、この上司が課長になった頃からと考えると、少なくともこの時点で5年以上とみられる。

③ ①でも紹介したように課長は「能力が低い」「仕事をしているようには見えない」などというパワハラワードを日常的に使用して詰め寄ってくる。
 また、そのパワハラ由来のミスや失態についても、一切の非を認めず、一方的におっさんを叱責して人事評価を下げる。
 たとえおっさんが無能でも、そうした言葉自体がパワハラでありNGであるが分かっていない課長。しかも、おっさんは拙くも1年目でちゃんと現場を回してはいる。これほど不当な仕打ちはないだろう。

このように、非常に精神を病むような出来事が、案外役所の中では起こっている。

 正しい判断をすることに非常に勇気とエネルギーが必要であるのは言うまでもない。しかし明らかな苦境に、本来助ける役にある上司や同僚も、助け舟を出すことがほとんどないように思う。
 それどころか、クレーマーや、パワハラ上司を擁護さえする。
例えば。。。

次回に続く

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