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窓際のおっさん36 組織人なら躊躇なく派閥に属せ(後編) 派閥は心を削るが、うまく折り合いをつけるしかない

 前回は、おっさんが組織内でグループに所属し、力を得た体験と、「派閥は悪なのか?いやそうではないだろう」ということを述べた。
 今回はその続きとして、派閥(というか組織内のグループ)において、不毛で煩わしいことは付き物であると言うこと。そして、それでも一定の折り合いをつけて、派閥と関わるべきであるとの意見を述べたい。

<派閥には確かに煩わしさや不毛さは付き纏う>


 派閥は煩わしい。だから、出世を一切拒否し、窓際で、特に言いたいこともなく、お給料くれれば何を言われても気にしないという考え方ならば派閥を避けても構わないとは思う。
 
 しかし、大半の人はやはり組織内でそれなりのポジションも欲しければ、最低限の要求も持っているように思う。

 確かに煩わしさや不毛さはあるけれど、自身の在り様に応じて、ある程度は派閥(グループ)に付き合っていくのが、組織では普通ではないだろうか。

 前回のおっさんの体験でも、協力してくれた自主研修グループに対して、おっさん自身のグループは畳んだとしても、今後も協力する流れになっている。

ああ煩わしい。だが、それを受け入れるしかない。


 組織の中で何かを変えるには、どうしても既存の派閥(グループ)を通じなくてはならず、組織人としての役割を果たすためにも、派閥を利用すると同時に、派閥に報いるムーブが必要であるとおっさんは理解している。

 無論100%仕事と呼べなければ、出来る範囲で良いとは思うが、かくも今後も煩わしい人付き合いは続けるつもりである。

<派閥対組織の戦いもまた、徒労感が大きい>


 また、派閥に属した状態での折衝は、組織同士のすり合わせと同様に手間がかかる。そして同様に不毛さが付き纏い、徒労感も大きい。

 少々具体的すぎて話が逸れるが、前回の人材育成課とのやりとりもまたそうだった。割と不毛なやり取りが続いたので、少しその内容を語ろうと思う。

組織の枠組みを踏襲することを主張する人材育成側の意見
VS
枠を取ってもっと活動しやすいようにして欲しいというおっさん側の意見


 この相反する価値観のぶつかり合いの中で、お互いの意見のすり合わせにひたすら時間をかけ、結局分かり合えないという状況があった。

 2年間のこちらの苦労は理解されず、やり方が悪いとばかりに、繰り返し人材育成課の基本スタンスの踏襲を迫ってきた。つまり。。。

①とにかくテキストベースの資料やチラシを、庁内PCの電子掲示板に載せ続けよ
②現状のまま、根気よく活動場所の確保にチャレンジせよ

 といった、流れである。

 ドローンは見て触ってナンボである。興味を持って楽しいと思ってもらわなければ入り口にすら立ってもらえない。だから定期的に活動の場所が必要なのであって、①、②を繰り返しても興味を持ってもらえず、興味を持って来てくれてもいい場所がないのでは肩透かしにもなる。

 そこを何度か説明したはずだが「ちょっとづつでもやるしかない」などと言われ、結局理解されず、論点がいつの間にか、人材育成課の枠組みにおける基本スタンスに帰るように話がすり替わっていく状況だった。

<派閥にいると心が削られる>

 こうした「相手に理解を求めつづけ、実らない行為」という苦行の数々を繰り返すと、流石に色々とトラウマも残る。

「フーンソレデ?」

「気持ちは分かるけどやっぱり制度上はうんぬんかんぬん」

「いや、全然伝わってこないね?結局何が言いたいの?」

 今回のドローンの件もそうだが、何か活動をしていて、結構キツイ物言いを、過去色々なところで何度言われたことだろうか。

 大概の人にとって「派閥争いは不毛」とレッテルを貼られるのは、深く入り込むほど、こうした不毛な戦いを強いられるからではないだろうか。

 しかも、自分が心底やりたいことならばまだしも、とりあえず所属した勢力の幹部あたりに、個人的な心情で犠牲を強いられることだってある。
 クソ上司だけでも面倒くさいのに、派閥派閥で更にその苦行が増えるのだから、派閥をネガティブに捉えるのも無理からぬことである。

<派閥に纏わる現実と折り合い>


 そんなこんなで、派閥は嫌だという人が沢山いるのだと思う。おっさんだって本音はそうだ。

 だが一方で、現実として派閥は常に組織内に存在し、組織内の何かのニーズをかなえるために動き続けており、組織に所属したことで、個人は大なり小なりニーズや問題を抱えるのだから、結果として否応もなく巻き込まれることになる。

 故に大事なのは巻き込まれるたびに拒絶したり、駄々をこねるのではなく、うまく利用したり、何処かで折り合いを付けることではないだろうか。

 折り合いの付け方として、おっさんは

「力を借りることと同時に協力すること」を意識し、その関係が一方的になったなら別の派閥に移る。

 逆に危険なのは「派閥=悪」という単純短絡思考で突っ走ることや、組織内で自身がニーズや問題を抱えているのに、全く派閥を意識しない行動ばかり起こすことである。これは反感を買うばかりで良いことがない。

<派閥の本質を理解すべし>


 派閥という言葉には、妙な報道や誇張された物語表現に煽られたものばかり目立ち、現実でも気持ち悪いグループからの声掛けを受けるなどの経験をすると、良いイメージを抱けないものだ。

 だが、実態としては語ってきたように、以下の通りである。

① 不毛で消耗する戦いを繰り返しつつも、組織内でのニーズを叶えることを指向して行動している。
②確かに煩わしいし、相互理解の面で心を削られる体験ばかりだが、折り合いをつけてうまく付き合っていくしかない。

大なり小なりニーズをもった組織人にとって、宿命的に関わりを持つものであり、善も悪もない。

 少々体験談のボリュームが増えてまとまりにかけた記事になってしまったが、こうしたポイントを意識することで、派閥を利用しつつ、賢く折り合いが付けられるとおっさんは思う。

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