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彷徨うおっさん48 怒るじじいと泣く女(2/4) 涙に埋もれる大事な話 と 不機嫌じじいを気遣う仕事

 前回は、怒るじじい(感情のお人)と仕事で対峙した時の体験談と、昭和的価値観に基づいた人物特性について、紹介した。また、泣く女は全世代に存在するのではないかと指摘した。
 今回はその続きとして、泣く女に係るおっさんの体験談をお話しする。そして、怒るじじいのせいで、現代社会を生きる働く男たちが辛くなっている現状についても述べたい。

<泣く女も感情の人 続き>

 おっさんの体験談を話す。

 ある年配女性の友人で、経営に困っていた人がいた。
 節約や経営管理の相談を受けていたのだが、その割に贅沢な生き方をしており、会って話をするたびに、ファミレスだの喫茶店だのと連れまわされ、結構な出費が出ていた。

おっさん
「ここの食事代は経費にしてください。」

年配女性
「はい、そうですね。有難うございます。」

おっさん
「領収書頼みましたか?」

年配女性
「そういうの分からないんです。管理もできなくて。」

おっさん
「管理が難しいのであればせめて出費自体を減らさないと。。。仕事だけではなくて普段の生活も同じですよ。」

 毎度毎度こんな具合で、事務所家賃滞納しているのに平気でお茶に行こうとするので、本当に一緒にいてモヤモヤしたものだった。

 年配の友人のそうしたお金のかかる付き合いに耐え切れず、おっさんは平日職場に持っていくことのある簡素なお弁当のつもりで、相談の場におにぎりを持ち込むことにした。
 だがそうして、おにぎりを一つ振舞いながら相談に乗っていると。。。

急に涙ぐみ始めた。


 コンゾーさんの苦労が偲ばれるとか、若いのに頑張ってきたのだとか、おにぎりが美味しいだとか。。。

 ドライな節約のつもりが、勝手に感激して、安っぽいお涙頂テレビ番組みたいな雰囲気になってしまった。

 一方の相談事である支出や資産管理については相変わらずで、涙に埋もれておっさんのアドバイスも耳に入らず、無理です、できないの堂々巡り。
 おっさんはため息とともに首を横に振ってしまった。

まったく、開いた口が塞がらない。


<怒るじじいのせいで、働き盛りの男は仕事が辛い>


 そんな具合で、世の中には過剰な感情の波が溢れており、その中でお金を得て生活することは苦行である。

まさにこの世は人情活劇。 男はつらいよ とはこういうところか。


 怒るじじいに合わせて、仕事では徒労が多い。

 じじい共は小さなミスや抜け漏れでカッカしたり、グズグズと文句を言うものである。よって些細なことなのに、気遣いばかり増えて余計な仕事が増える。

 こんな具合に。。。

 どうでもいい書類の作成、怒るじじいが決済するので、はてどうしてくれよう

 → 書類作成のルールを見ると、過去の経験から、どうやら事象によってではなく、人によって書類の書き方の解釈が分かれる案件のようだ

 → ひとまず怒られると面倒だから、該当する解釈以外について、時間をかけてミスなく完璧になるまで繰り返し確認しとこう

 → よし完璧だな、さて残る解釈だが直接聞きに行くか? いやできない。。。 相手は部長様。しかも気難しいのなんのって。多分直接そんなことを聞いたら、失礼だろ君とか言いやがるだろう。

 → 誰か知ってそうな人いないかな、なるべく部長に信頼されている人は。。。どの人もパッとしないな、前任に電話しよっと。

 → はいはい。なるほどそういう解釈か、どうも有難う。よしできたぞ!

 → 課長「えーっと。。。これはちょっと変じゃないの?」 

 → おっと、そうきたか、課長も無視できないしそこは直して後は口頭でなんとかしようっと

 → はいはい直しましたよ課長さん、で、やっとOK?、よっしゃこれから部長に見せに行きます。

 → 部長「なんでこっちの解釈にしちゃったの? 違うでしょ! ちゃんと勉強してよ!」

→ がああ! (感情の)パワーが違いすぎる!


 かくも怒るジジイのような面倒臭い相手だと、感情由来の手順や遠回りが多くなる。しかも結局浮かばれない。

 

次回に続く

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