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レコード棚を順番に聴いていく計画 Vol.24

【過去の投稿です】


[32枚目]●ジーン・ライス『ジャスト・フォー・ユー』<BMG>(91)

https://www.discogs.com/ja/master/201280-Gene-Rice-Just-For-You

囁きや溜め息のようなトーンから、グッと力の入ったトーンまで自然に流れていく。盛り上がりの熱気は、放射熱というより摩擦熱。「テンダー」を絵に描いたような歌い手である。

①②でウォーミング・アップ。③の大バラードへ向かう。④は③に似た感じだが、③が純粋な愛、④が官能的な愛(ナイス・バディという歌詞も)を歌っている気がする。タイトルからの妄想だけど・・・。テーマはどうあれ、すっかり引き込まれていく。

⑤~⑦はアップ・テンポ。⑦でピークに達する感じ。 続く⑧は、キャロル・キングの「イッツ・トゥー・レイト」。キャロルの透んだ歌声に比べれば、かなり粘つく印象。正に「遅すぎた」との想いがジワジワと伝わってくる。キャロルは、黒人音楽界にも数多くの楽曲を提供し、よくカバーもされている。メロディーの良さだけでなく、歌ってみたくなるテーマやフィーリングがあるのだろう。

⑨⑩で、アルバムは火照りを残しながら静かに閉じられる。

プロデューサーはスタン・シェパード。私の苦手な打ち込み音も全く気にならず。また、特にバラードの要所要所でアーバンかつ密やかな雰囲気を出す、サックスのジェラルド・アルブライトにも拍手。

ジェラルド名からの連想ではないが、ジェラルド・アルストンが好きな人は絶対気に入ります。王道の極みである。

No One Can Love You Like I Love You

Let's Do It Again

I Believe

It's Too Late


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