Take Me Out to The Ball Game!! 第70週

 今日は勝負の日だと心に決めてきたのだから、女神にはできる限りのもてなしをせねばならない。これが男の矜持というものだ。それに、テレビ中継で見た外野席の応援に尻込みしたという事実もある。それが透の限界というものだった。

「これぐらいは大したことないよ」

 裏では様々な事情があったものの、透は女神にそう答えた。

「そういうことならいいけど……でも、ありがとうね」

 完全には納得していない様子だったが、それでも女神は笑顔でチケットを受け取った。そうして2人は連れだって歩き、目的のゲートへと向かっていった。「8ゲート」と書かれた入り口にたどり着くと、すでに人の流れがドーム内に向かって動き出していた。その流れに乗って、透達もゲートをくぐる。

つづく

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