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ガラガラ、どんどん

ガラガラ、どんどん

「これはなんというんだい、だんな」

うちわをあおいで、男が狸へ声をかけた。

「鳴神といいましてね、ここがお囃子の通り道なんですよ」

この時期はこれのおかげでなかなか外に出れなくてねえ、とぼやきながら、狸は男にお茶を差し出す。

「おや、お客さんにこの湯呑は小さかったかな。すみませんよ、ここへ来るのは小さいやつばかりなんでね」

「それでいいよ。食べるのは、そいつだから」

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