【食べる女たち】 小説の影響を受けがちな人生。 去年の夏、谷中のかき氷屋さんでアルバイトしてたのは、大好きな小説の舞台だったから、という理由もある。 着物を着られるようになりたかったのも、カフェのことをカフェーと呼びたいのも、また茶道を習いたくなっているのも、すべて小説の影響だ。 今回またひとつ小さな夢を叶えた。 食べる女/筒井ともみ 女性たちの食と性にまつわる短編集。 食べることは生きること、愛すること、それはとても色っぽいことだと感じられる一冊。 この物語が大
6時39分、目の前で始発の扉が閉まった。絶望。 なんとか電車に間に合うように、荷造りを手伝い、駅まで送ってくれたお母さんに優しくすることもできず、ありがとうも言わず、イライラしながらバイバイした。 6時56分、思ったよりすぐ到着した次発の特急電車に乗った。 上着も羽織らず駅まで送ってくれたお母さんがずっと見送ってくれている姿を見て、あまりの情けなさに涙が止まらない。号泣。 覚悟を決めて取り組む仕事もうまくいかない。 焦りばっかり募る。さらに号泣。 27歳にもなって、家
