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JANOG43 Meeting in Yamanashi に参加してきた

JANOG43に参加してきた

JANOGとは、JApan Network Operators' Groupを意味し、インターネットに於ける技術的事項、および、それにまつわるオペレーションに関する事項を議論、検討、紹介することにより日本のインターネット技術者、および、利用者に貢献することを目的としたグループ。
JANOG設立構想は、1997年2月にSan Francisco で開催された NANOG9(ナノグ,North America Network Operators' Group)の最終日、会場でもあった Grand Hyatt Hotelの最上階のバーで、参加していた日本の運用者を中心に「日本語でネットワークの運用技術を議論できるミーティングをやろう!」という意思の基に結成された。JANOGのこれまでは、"wiki風JANOG史"としてドキュメントに公開されている。

地方都市での開催が多く、なかなか足が向かなかったのだけど、今回は弊社からの登壇者に加えて弊社製品NEEDLEWORKのブース出展もあったので、初めてJANOG Meetingに参加してきた。

感想として、ITインフラを主事業にしている会社に所属をしている人なら定期的に参加をしたほうがいい、と思った。スポンサーによるブースの展示はあるものの、ビジネス色はあまり強くなくて、運用に関わるITエンジニアのための技術の祭典という雰囲気。Day2の夜に開催された懇親会は約600名の方が参加。写真を撮ってみたけど壮観。この殆どが運用に関わるエンジニアで、そして1つのフロアに入り切らなかったので別のフロアにも人がたくさんいた、ということに驚く。運営をされている方は本当に大変だったのだろうなあ、と有り難く参加させていただいた。

懇親会に出て感じたのは、数年前に比べるとエーピーコミュニケーションズのことを知っているという方が増えたということ。これは弊社の技術ブログであるtechblog APC、弊社社員のブログ てくなべ (tekunabe) などを読んで知っていただいた方、ここ数年はInteropやSecurity Daysなどに出展しているのを見かけた方、Developers Summit 2018に弊社社員が登壇したのを見かけた方、米ミランティスとのジョイントベンチャー 「ミランティス・ジャパン株式会社」を設立した会社として知っている方、などがいらっしゃった。大企業に属している人にはわかりづらい感覚だと思うが、大変嬉しい話だ。中小企業の小企業だった会社がBtoCでもないので名前を知られることもなく地道に事業を続けてきたが、ここ数年で変化が少し出てきたことが実感できた日でもあった。

運用自動化の行き着く先は?

弊社社員の横地も登壇したセッション「自動化の行き着く先は?」。運用自動化については、JANOG Meetingではいつも話がされている話題。しかし、自動化した後、運用担当者はどうあるべきかの視点が無かったのでは?という問いかけから始まった。会場からの質疑応答・意見では以下のようなやり取りがあった。

・一番良く聞く話としては、運用の手順は作る人と、使う人で分かれている。しかし、うちは自分が運用するオープンソースを読めるようにする、と考えている。手順書渡されて、それを操作する、では困る、としている。
チームのエースが書いたものを情報共有していくと、ジュニアの人もどんどん育っていく。
・クラウドサービスを作っている会社なので、運用自動化に目的とかではなく、サービスを出すためには、そうしないといけない。自動化しないとサービスがスケールしないし、働く人が大変なことになる。何で自動化するかを悩むことはなかった。
・運用ってそもそも何か。サービスのデリバリ。障害はそれを妨げる要因。自動化で圧縮していきたい。SRE本を読んで感銘を受けた。理想に近いと思うので、そこに近づけたい。やっていて思っているのは、サービス・システムの基本機能であるべき。
・Botなど、小さいツールをたくさんあると運用が楽になるものがある。かっこいい大きいツールだけではないよ、ということを知ると、ハッカソンなどにも参加する人が増えるのでは。

JANOG43 ハッカソン

JANOGでは2回目のハッカソン開催になるとのこと。ネットワーク運用業務の改善に取り組みたいけど、なかなか踏み出せない方々の背中を押したい。様々な組織のネットワーク運用者とソフトウェア開発者が一緒に肩を並べてテーマを取り組むことで、新しいネットワーク運用の形が見えてくるのでは。という想いで企画されたイベント。ハッカソンテーマは以下の8つ。

id1: トラッフィックコントロール最適化
id2: 「Linux標準教科書」のNotebook化
id3: NW構成管理とトラフィック経路の世代管理/ルータ状態の記録・保存および
管理、経路の見える化
id4: ルータの正常性確認の自動化
id5: ansible+githubフローでテスト自動化
id6: データ収集・オペレーション自動化によるNW運用の改善
id7: Telemetryを用いた障害検知と復旧の自動化
id8: NW flowとDNS 名前解決を合わせたデータ分析

優勝したのは「NW flowとDNS 名前解決を合わせたデータ分析」に取り組んだNTTコミュニケーションズに所属されている3名が集まったチーム。作成された資料を見たが、優勝チームも他のチームもレベルが高そうだった。次回か次々回は弊社からも複数名参加するとよいのでは、と思った。しかし、会社としてチーム参加するとおもしろいと思っていたけど、企画者の想いに「様々な組織にいる人が肩を並べる」があることを考えるとバラバラになったほうがいいのだろうか。

おそらく日本国内で一番経済効果があった地域の事例

JANOG43 Meeting in Yamanashiのホストを務める株式会社デジタルアライアンスについてのセッション
ICT技術や通信事業の地域における直接的な貢献がどんなものであるか分かりにくくなっている。そんな中で、JANOG43 Meeting in Yamanashiのホストを務める株式会社デジタルアライアンスは、放っておけば山梨県外に流出してしまう価値を県内に留めていて、さらにこれはおそらく価値の拡大再生産と地域への還流を起こしている、という話。
定量的な数値では、デジタルアライアンスがいなかった場合の山梨県情報ハイウェイの県内への経済効果は約13億円だが、デジタルアライアンスがいたことによる経済効果は約27億円と2倍の効果があったという調査結果となっていた。他にも定性的な効果として、雇用につながっていたり、県内の人材育成にもつながっているはず、とのことだった。ホストをしている企業はどのような会社なのだろうと興味を持っていたら、県内の企業が出資しあって客観的に目に見える地域への貢献をしているすごい企業だった。このような地域の話を知るきっかけができるのも地方開催の良いところなのかもしれない。

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