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3ヶ月で100万円売上UP!楽天市場で売上を伸ばすために実践した3つの施策

こんにちは、東京のIT企業でマーケティングのお仕事をしながら、兼業で手元供養品の製造・販売を手がける「未来創想」という地方の中小企業でネット通販(以下EC)運営のお手伝いをしている先山(@koou0506)と申します。

noteでは実践を元にした地方中小企業のEC運営ノウハウを中心にお伝えしております。

今回はECを行なっている会社さんでは出店されていることが多いであろう、楽天市場において、短期間で売上を伸ばすために実践した3つの施策をご紹介します。

未来創想様でどのような取り組みをしているのかは、下記記事でまとめておりますので、もし良ければご覧ください!

また、サイト分析やコンテンツマーケティングに興味のある方はぜひ下記記事をご覧ください。

※本記事の公開にあたっては、「未来創想」様のご了承を得た上で公開させていただいております。ご了承いただき本当にありがとうございます。


それではここから、実際に取り組んだ3つの施策をご紹介します。

1,楽天主催のイベントに合わせたクーポン発行

お買い物マラソン


「郷に入っては郷に従え」

「モールに出店してはモールに従え」

楽天市場では月に1~2回程度、「お買い物マラソン」「超ポイントバック祭り」「スーパーセール」といったイベントを開催します。

このイベント期間には、楽天がポイント還元率を上げたり、各店舗がセールを行なったりするため、楽天市場自体に非常に多くの人が集まります。

特に「お買い物マラソン」では、「期間内に1,000円(税込)以上購入したショップ数に応じて、ポイント倍率が上がっていく仕組み」になっており、この期間で様々な店舗で買い周りされるお客様がたくさんいらっしゃいます。

参考:お買い物マラソンの仕組み(2021年5月時点)

お買い物マラソン②

自分も楽天での販促を考える際に、初めて実際に「お買い物マラソン」に参加してみたのですが、ポイント付与率がものすごく、こんなにたくさんポイントがもらえるのかと驚きました(笑)

ちょっと話はそれますが、マーケティング施策を考える際に、「実際に自分が消費者になってみる」のは非常に大事だと思います。

自分自身が実際の消費者になることで、どういった内容なら刺さるのか、届くのかが、より解像度高く見えてきます(自身が消費者になることが難しい場合は、該当する人に話を聞くように心掛けています)。

さて、話を本題に戻します。

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色々と調査をしていると、楽天ユーザーはこの「お買い物マラソン」に向けて、日々購入検討のものを「お気に入り」に登録しており、「お買い物マラソン」時にポイント倍率を上げるために、ついつい「余分なもの」まで購入してしまう、という消費行動が見えてきました(自分もハマりました)。

「余分なもの」というよりは、「購入のタイミングがいつでも良いもの(必ずしもすぐに必要ではないもの)」という言い方の方が正しいかもしれません。

「購入のタイミングがいつでも良いもの(必ずしもすぐに必要ではないもの)」は、消費者自身も購入の意思決定を下すタイミングが難しく、消費者は「何かしらのきっかけ(購入を正当化する理由)」を(心の奥底で)待っていることが多いです。

「お買い物マラソン」では、「購入ショップ数に応じてポイント倍率が上がる」ので、これが購入意思決定のトリガーとなり、「購入のタイミングがいつでも良いもの(必ずしもすぐに必要ではないもの)」も、「今ならもう1ショップ購入店舗を増やせば、ポイント倍率もアップするし、このタイミングでまとめてこれも購入しよう」という、購入のスイッチが入りやすいです。

さらに「お買い物マラソン期間に合わせてクーポンを発行」することで、「購入のきっかけ(購入を正当化する理由)」を二重で提供してあげることにより、購入のもう一押しを行なっています。

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また、楽天市場さんは売るための仕組みが素晴らしく、クーポンを発行することで下記「2」「3」のようなメリットもあります。


【クーポン発行の3つのメリット】
1,購入のきっかけ作りができる
2,お気に入り登録しているユーザーに、アプリで通知が行く
3,クーポンを取得したユーザーに、クーポン期限のリマインドメールが飛ぶ


個人的には楽天市場で売上を伸ばすための1番の課題は、数あるショップの中から自社ショップに集客することだと考えているのですが、楽天市場ではクーポン1つ発行することで、楽天側で勝手にアプリ・メールでの通知を行ってくれ、簡単に購入見込みの高いお客様に情報を届け、集客することが可能になります。

仕組みとしてはざっくり下記のようになっています。

まず、クーポンを発行することで、自社商品をお気に入り登録しているユーザーに対して、アプリで「クーポン発行」に関する通知がいきます。

そこで、すぐに購入いただけなくてもクーポンさえ獲得してもらえれば、今度はアプリでの通知に加えて、メールでもクーポン期限リマインドの案内が飛びます。

参考:メールでの案内内容

クーポンリマインドメール

このような集客施策は自社ECサイトで実施しようと思うと、様々なツールを導入したり、データ連携をしたりしなければいけず、実現が大変なのですが、楽天市場ではきちんと仕組みが整っており、クーポン1つ発行するだけで、あとは楽天側が自動で勝手に行なってくれます。

これはモールに出店している大きな恩恵の1つだと思うので、モールの機能をうまく活用し、売上を伸ばしていきましょう!

※今後、楽天市場の仕様が変わったり、自分自身が気がつけていない機能もあるかと思うので、「クーポンを発行するとアプリやメールで通知がいく」くらいで受け取っていただき、実際に実施する際にはご自身で仕様を確認しながら施策を行なっていただくと、成果を最大化できるかと思います。


2,楽天内の広告をミニマム金額で全て試す

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2番目に手をつけたのが、楽天内の「①全ての広告メニューをミニマムの金額」で「②同時に」試すという施策です。

参考:楽天広告メニュー(2021年5月時点)

楽天広告一覧


「①全ての広告メニューをミニマムの金額」で試した理由としては、広告実施前にある程度、仮説や想定効果を考えることはできますが、頭でいくら考えても結局やってみなければ、どの広告が効果があり、費用対効果が合うのかが分からないからです。

ネットの情報や楽天担当者からのおすすめで、この広告が一押しみたいなものもありますが、店舗・商材によってどの広告が相性が良いのかは変わり、全ての商材に効果的な広告はありません。

楽天市場では基本的にどの広告も月額数万円の予算から実施できるので、自分の店舗・商材に最も相性の良い広告を見つけるためには、実際に試してみるのが手っ取り早いかなと思います。

また、「②同時に」試した理由としては、広告成果の検証期間を短くし、機械ロスを少なくするためです。

「優先順位を決めて、1つずつ広告を実施していく」という考え方もあるかと思います。

ただそのやり方ですと、例えば5種類の広告があった際に、1つの広告に1ヶ月の検証期間が必要だとすると、全種類の広告メニューを試し終えるまでに5ヶ月の時間がかかります。

これでは、効果の良い広告が分かった後に、より広告費を増やし売上を拡大していくフェーズに進むのが遅くなってしまい、売上が上がっていくタイミングが遅くなり、機会ロスに繋がってしまいます。
(また、検証期間が長くなり成果が出るのに時間もかかるので、モチベーションの維持も大変になります。)

上記でも触れましたが、どの広告も月額数万円の予算設定から実施できるので、機会ロスを最小限にし、熱量の高いうちにやり切ってしまうためにも、同時に走らせてしまうのが個人的には良いかなと思います。

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広告効果の検証に関しては、1ヶ月もあればデータは溜まり、概ね傾向は分かります。

未来創想では、1ヶ月目に「ミニマムの金額で同時に全ての広告」を実施。

1ヶ月間のデータを見ると、「クーポンアドバンス広告」と「RPP」の成果が良く、改善&拡大の余地がありそうだったので、この2つの広告に注力することに決めました。

そして、2ヶ月目以降は広告の調整を行いながら、配信ボリュームを拡大し、売上を伸ばしています。

少し話はそれますが、未来創想の場合は商材の特性もあり、「おすすめニュース広告:メール広告(クリック課金)」は、「インプレッションはしているものの、クリックされていない」という状況でした。

この広告はクリック課金で、クリックされなければ費用は発生しないので、逆にほぼ費用0円で商品を露出できる手段と捉え、露出のためにミニマム予算で入稿し、露出を目的に実費数百円〜数千円/月で細々と配信しています。
(クリックされるようになり、購入につながらない場合は、コストが増えてしまうので配信を止めようかなと思っています)

優先順位をつけて取り組む方法だったら、そもそもこの広告は試していなかったかもしれませんが、とりあえず試してみるというスタンスで取り組んだことで、分かったことの1つかなと思います。


3,注力商品を決め、商品詳細ページを作り込む

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3つ目は「注力商品を決め、販売を強化したこと」です。

楽天市場で戦っていくためには、楽天市場内で埋もれずに露出されるために、モール内のランキングに表示されることが非常に重要です。

もちろん全商品ランキングに表示されることが理想ではありますが、無数に商品が存在する楽天市場でそんなことは不可能に近いので、限られたリソースを有効に活用するために、楽天市場で戦っていくための注力商品を決め、その商品でランキング掲載されることを目指しました。

注力商品は、下記3点を考慮し決定しました。

【注力商品を決める際に考慮したこと】
1,現在の楽天市場での売行き
2,在庫が十分に確保できるか
3,商品単体の利益率(販促費を吸収できるか)

それぞれ、簡単にご説明します。

1,現在の楽天市場での売行き

未来創想もそうなのですが、自社サイト・他モールなど、様々な場所で販売をしていると、販売場所によって売れ筋の商品は変わってくることがあります。

今回は楽天一番で戦っていくので、当たり前のことではありますが、実店舗や他モールで売れる商品ではなく、楽天市場で売れる商品を選びましょう


2,在庫が十分に確保できるか

せっかく販売数が伸びて、ランキングに表示され、より販売数が伸びるサイクルに入っても、在庫が確保できなければ、売上件数は伸びていきません。

ランキング掲載後、今よりも売れることも見越して、在庫が十分に確保できる商品を選びましょう。


3,商品単体の利益率(販促費を吸収できるか)

モールで注力商品をランキングに載せるためには、セール時に価格を下げる・クーポンを発行する・広告を重点的にかけるなどして、露出を強化して、購買意欲を掻き立てる必要があります

これらの販促を行う際に、最初からあまりにも利益率の低い商品(例えば仕入れ商品など)だと、販促コストを吸収できずに、売れば売るほど赤字になり、何のために販売しているのかわからなくなります。

適正な利益を出していかないと持続可能なビジネスにはなりませんので、きちんと利益面も考慮し、対象の商品は選定しましょう。

上記3つのポイントを意識し、商品を選定。
その商品に関して、商品詳細ページの作り込みを行いました。

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実際のページの作り込みでは、下記3点を意識しました。

【商品詳細ページ作り込みの際のポイント】
1,上部のスライドショー(画像)を見ただけで商品に関して理解できる
2,まとめ買いなどを活用し、その他商品へ誘導する
3,レビューを書いていただけるようにレビュー特典をつける
おまけ:会社の案内を入れる

商品の一例(アプリor SPでご覧ください)
https://item.rakuten.co.jp/e-mirai/t402/

こちらも1つ1つ説明していきます。


1,上部のスライドショー(画像)を見ただけで商品に関して理解できる

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楽天市場では、対応しなければいけないデバイスが大きく分けて3つ(①PC、②SP、③アプリ)あります。

この中で特に対応しなければいけないのが、流入の大半を占める②SP、③アプリ経由なのですが、表示のされ方が若干異なります。

売上を最大化するためには、全てのデバイスでページを作り込む必要があるのですが、そもそも若干表示のされ方が違い、また度々仕様変更もあります。

商品詳細ページの作り込みは商品の魅力をきちんと伝える上で大事なのですが、3つのデバイス全てを作り込むのは大変ですし、せっかく作り込んでも楽天側の仕様変更により、作り込んだ内容が表示されなくなったり、崩れたりする可能性も0ではありません。

そこで、②SP、③アプリで共通の表示であり、今後の仕様変更の影響も受けにくいであろう、スライドショー(画像)を最大限活用することにしました。

今までは単純に商品の画像を入れているだけだったのですが、画像内にテキストで説明を添え、画像を見るだけで商品の特徴を分かるようにしました。

また、商品の紹介だけではなく、「まとめ買いで案内しているセット商品の案内」や「オプションに関する説明」も盛り込み、スライドショー(画像)を見るだけで必要な情報が全て分かるようにしました。

参考:セット商品の案内

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参考:オプションに関する案内

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スライドショー(画像)活用の1番の目的は記載したように「メンテナンスコストの最小化」なのですが、購入者側のことを考えてみても、楽天市場で買い物をする際は、ページ下部に書いてある説明は面倒で読まないという人が多いのではないでしょうか?

実際に身の回りの人数名に、楽天で購入する様子を見させてもらい、話を聞いてみても、スライドショー(画像)をさっと見て判断している人は多い印象です。

購入者に必要な情報をきちんと伝え、意思決定してもらうという面でもスライドショー(画像)の活用は有効だと考えています。


2,「まとめ買い機能」などを活用し、その他商品へ誘導する

まとめ買い

注力商品はモール内で自社ショップに集客するための入り口商品の立ち位置なので、注力商品から他商品を見ていただくために、「まとめ買い機能」の活用をしています。

未来創想の場合は、自社ECサイトの方でよく売れているセット商品を案内するために、セット商品のご提案をしています。

また、ページ下部では「カラーバリエーション」や「同シリーズの商品」の案内をすることで、注力商品(入り口商品)から入店していただき、未来創想のショップ内を回遊していただけるようにしています。

参考:カラーバリエーションの紹介

カラーバリエーション

参考:同シリーズの商品の案内

バリエーション


3,レビューを書いていただけるように、レビュー特典をつける

レビュー特典の案内

ご購入いただくにあたり商品自体・価格・送料等が重要なのはもちろん、実際に手に取って見ることのできないネットでの購入では、レビューは非常に重要な要素となっています。

実際に、株式会社ドゥ・ハウス様が行った調査では、「レビュー・口コミ」を重視する人は、女性28.4%、男性18.3%という結果が出ています。

参考:「ECサイトの使い分け」に関する調査結果

インターネットサイトで購入する際に重視していること

また、楽天市場では検索時の並び替えで、「レビュー件数順」「レビュー評価順」があることからも、レビューを置く集め、高評価を得ることは、楽天市場で戦っていく上で、非常に重要なポイントの1つと言えると思います(個人的にはよくこれで並び替えます)。

こちらに関しては様々な店舗さんが行っていることですが、ただ単に「レビューを書いてください」とお願いしても難しいので、気持ちばかりですが「特典(お礼)」をつけて、レビューを書いてくださるようにお願いしています


おまけ:会社の案内を入れる

会社紹介


最後にもう1つ、商品詳細ページを作り込む際に工夫した点をご紹介します。

それは、商品詳細ページ内に会社紹介を入れるという点です(やっていない店舗さんは多いのではないでしょうか)。

楽天市場では、お客様は楽天に買い物に来ているという感覚なので、せっかく自社の商品を見つけてくださったお客様に、自分のお店・会社に関して知ってもらう、覚えてもらうということは非常に重要だと考えています。

また、会社の案内を入れることで信頼性が増し、安心してご購入いただくことにもことにも繋がるのかなと考えております。


参考:楽天ランキング

楽天ランキング

ご紹介してきたような形で商品詳細ページを作り込むことで、実際に楽天のランキングにも掲載されました!

タイミングによっては1位も獲得でき、ランキングに掲載されることで、ランキング掲載された商品はもちろん、上記でご紹介したように回遊性を高めていることもあり、他商品の販売にもつながり、サイト全体の売上向上に繋がっています。


いかがでしたでしょうか?

特に「1つ目」「2つ目」の施策はすぐにでも試せる施策かなと思います。楽天市場内では、数ある商品の中からいかに自社の商品を見つけていただくかが売上UPの重要なポイントとなります。

本記事が楽天を運営している店舗の方にとって少しでも参考になれば嬉しいです!

今後も実戦に基づく地方中小企業のリアルなEC運営に関するノウハウ等、発信していければと思いますので、もし良ければ「いいね」や「フォロー」をお願いします!(皆様の応援が励みになります!)

Twitterもやっているので、もし良ければフォローをお願いします!
https://twitter.com/koou0506

最後までお付き合いいただきありがとうございました。

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