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初めてのECサイト分析、見るべきポイントをご紹介!

こんにちは、東京のIT企業でマーケティングのお仕事をしながら、兼業で手元供養品の製造・販売を手がける「未来創想」という地方の中小企業でネット通販(以下EC)運営のお手伝いをしている先山(@koou0506)と申します。

noteでは実践を元にした地方中小企業のEC運営ノウハウを中心にお伝えしております。

今回は「普段ECサイトを分析する時にどんな部分を見ているのか、初心者向けに勉強会をしてくれないか?」と依頼を受けたこともあり、初めてECサイトの分析を行う人向けに、Googleアナリティクスで見るべきポイント(軸)をまとめてみました。

未来創想様でどのような取り組みをしているのかは、下記記事でまとめておりますので、もし良ければご覧ください!

また、コンテンツマーケティングに興味のある方はこちらもぜひどうぞ!

※1:本記事の公開にあたっては、「未来創想」様のご了承を得た上で公開させていただいております。ご了承いただき本当にありがとうございます。


■分析を始める前に

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まず最初に、ECサイト分析のポイントをお伝えする前に、「分析の森」に迷い込まないようにするために、分析を始める前のマインドセットをお伝えします。

分析はやろうと思えば終わりなく永遠とできますし、数字を見ているだけで何となくやった気分になってきます。時間は有限。分析は目的ではなく、あくまで売上をUPするための手段です。

サイト分析を始める前に、まずは下記の3つを頭に入れてから分析を開始しましょう!

1,最初から「木」を見ない。まずは「森」の把握から。

初めてECサイトを分析する人にありがちなのが、サイトの全体像が掴めていない状態で、いきなり細かい「木」の部分から見てしまい「よく分からない」となってしまうこと。

まずは、サイトの全体像「森」から掴むことで、理解が速くなるのはもちろん、無駄な数字を見なくてすみます。

サイトの全体像を掴んだ上で、「インパクト×実現可能性」の観点を踏まえ優先度を付け、必要に応じて詳細を深掘りしていきましょう。

2,分析前に見るポイントを決める

Googleアナリティクスでは様々な数字を見ることができる一方で、見るべきポイントが決まっていない状態で分析を始めると、そもそも何を見るのか考えるだけで多くの時間がかかり、あっという間に時間が1~2時間経ってしまうということもしばしば。

また、余計な数字を見ることで全体像の理解の妨げになり、分析に慣れていない方だと混乱の元になります。

まずは、事前に見るべきポイントを決めておき、必要最低限のポイントだけに絞り、数字を見ていきましょう。

3,分析に使う時間を決める

恐ろしいもので、分析はやろうと思えば永遠にでき、あっという間に時間が溶けていきます。

限られた時間で成果を出すために、分析に使う時間を決め、まずはその時間内で終わらせる気持ちで分析に臨みましょう。


■ECサイトの売上の公式

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Googleアナリティクスで見るべきポイント(軸)をご紹介する前に、1つだけ公式を頭の中に入れておきましょう。

それはECサイトの売上の公式です。

<ECサイト売上の公式>

ECサイト売上の公式

Googleアナリティクスを見ると、様々な指標がありますが、最終的に売上に直結するのは上記3つの指標だけ。

売上を上げるためにはこの3つのいずれかの数字を改善するしかありません(それぞれの数字を改善するために、さらに因数分解できますが、今回は割愛します)。

まずは、上記3つの数字を押さえて、分析対象のサイトがどのような売上構造になっているのか把握しましょう。


■分析の際に見るべき11のポイント

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それでは、ここからECサイトを分析する際に見るべき11のポイントをご紹介します。

まずは、下記11のポイントを見て、「どんな人が・いつ・どこから・何で」来て、「どこから入り」、「どこを見て」、「何を購入しているのか」を可視化しましょう。

<ECサイト分析の11のポイント>

【株式会社まなびと御中】サイト分析|勉強会資料-Google-スライド

上記を押さえることで、実店舗と同じように、お店に来ているお客さんの様子が浮かび上がってきます。上記のポイントを軸に数字を見て、サイトの全体像を掴んだ上で、気になったポイントを深掘りしていきましょう。

用語やGoogleアナリティクスの具体的な使い方は、都度説明しているとかなり長くなってしまうので、本記事では割愛します。

Googleアナリティクスの具体的な使い方が知りたいという方は、最後におすすめの書籍をご紹介しておりますので、もしよければそちらを参考にしてみてください!

ポイント①:売上公式

切り口:サイト全体の訪問数/CVR/単価

サイト全体の売上が、ECサイト売上の公式(訪問数×CVR×単価)に当てはめた時にどのようにできているのかを見ます。

まずは、サイト全体の「訪問数」「CVR(購入率)」「単価」の3つの指標を確認することで、「何人くらいの人がサイト(お店)にきていて」、「その内何%の人が購入していて」、「1回の買い物でいくらくらい購入しているのか」を頭に入れます。

ポイント②:時系列別

切り口:日次/月次/年次

日次/月次/年次で、売上・訪問数・CVR・単価がどのように変化しているのか確認します。

年次を見ることで、ビジネスが成長中なのか、横ばいなのか、落ち込んでいるのか。月次を見ることで、各種数字に季節性があるのか。日次を見ることで、例えば月末に各種数字が良くなるなど、月の中で特徴的な動きがないかを確認していきます。

ポイント③:デモグラ別

切り口:国別/地域別/性別/年代別

デモグラフィック情報を確認することで、サイトにどのような特徴の人がきているのか把握します。

この部分は、「広告レポート機能」をオンにしていないと数字が出てこないので、見れない場合もあるかと思います。

実際のGoogleアナリティクスでの見方が気になる方は下記記事をご参考下さい。

参考:Googleアナリティクスでユーザー属性を表示 性別や年齢はどうやって確認?

ポイント④:流入経路別

切り口:チャネル/参照元/キャンペーン

サイトへの流入経路を確認することで、どこからサイトに来ているのか(何の経路からサイトに来ているのか)を把握します。

まずは、チャネル別で大枠を把握し、その後必要に応じて、参照元別、キャンペーン別と深堀をしていくことで、より詳細な流入経路を把握することができます。

ポイント⑤:ランディングページ別

切り口:ランディングページ(お客様がサイトに入ってくる際の最初のページ)

ランディングページを見ることで、サイト内のどのページが入り口となってお客様がサイトに入ってきているのかを把握します。

基本的に、1番訪問数が多いのはサイトのトップページの場合が多いです。

ポイント⑥デバイス別

切り口:PC/SP/Tab

デバイスを見ることで、何を使ってサイトを見ているのか把握します。

ジャンルによって偏りはありますが、日本では約4分の3はSP(スマートフォン)経由と言われているので、これを基準にSP/PC/Tabの割合がどうなのか確認します。

例えば、アパレルのECサイトですと、SP割合は9割近いことが多い一方で、高齢者の購入が多い健康食品のようなジャンルではまだまだPCが多く、SP割合は6割程度ということもあります。

参考:日本では75.1%の検索がスマホから、調査データにみる検索とSEOの今

ポイント⑦:ユーザー別

切り口:新規/リピート

ユーザー別(新規/リピート)を見ることで、初めてサイトに来る人が多いのか、繰り返しサイトに来るリピーターが多いのかを確認します。

Googleアナリティクスのリピートの定義は若干癖がありますが、いきなり細かい定義を理解しようとすると混乱するので、まずはあまり細かいことは気にせず、「新規:初めてサイトに訪問する人」「リピート:サイトに来るのが2回目以降の人」と考えて数字を見ていけば良いかと思います。

きちんとした定義が気になる方は、下記記事をご覧ください。

参考:「新規とリピーター」は「人」じゃない?GAで最も誤解されている用語の意味とは

ポイント⑧:タイミング別

切り口:曜日/時間帯

曜日別、時間帯別を確認することで、一体いつサイトに人が来ているのかを確認します。

商材や施策により違いはありますが、大半のECサイトでは、午前中は訪問が少なく、お昼過ぎから訪問数が増え始め、夜20−22時辺りをピークに再び下がっていくような形が多いかと思います。

ポイント⑨:キーワード別

切り口:自然検索での流入キーワード/リスティングでの流入キーワード

自然検索とリスティング広告(実施している場合)、それぞれのチャネルでどういったキーワードでサイトに訪問してきているのかを確認します。

以前と比べGoogleアナリティクス上で確認できるキーワードがかなり減ってしまいましたが、GoogleサーチコンソールやGoogle広告のデータをGoogleアナリティクスに紐づけることでキーワードの確認が可能になります。

ポイント⑩:PV別

切り口:閲覧ページ

PVを見ることで、サイトに訪れた人がサイト内のどこのページを見ているのかを確認します。

良く見られているページは、こちらが見せたい意図しているページなのか、意外なページが良く見られていないかなど、確認していきます。

ポイント⑪:購入商品別

切り口:購入商品

何の商品が購入されているのかを確認します。

実店舗がある場合は、実店舗との比較などをしてみると、また違ったことが見えてくるかと思います。


いかがでしたでしょうか?

まずは、これら11のポイント(軸)でサイトを見て、整理していくだけでも、「どんな人が・いつ・どこから・何で」来て、「どこから入り」、「どこを見て」、「何を購入しているのか」を可視化でき、サイトの全体像はかなり把握できるのではないかなと思います。

本記事では、用語の説明やGoogleアナリティクスの実際の使い方は省略したので、最後におすすめの書籍をご紹介させていただきます。ぜひ、ご参考にしていただければ幸いです!

■おすすめの本のご紹介

用語の説明から分析・設定面まで幅広く載っています。実際の利用シーンに合わせ260の利用方法が載っているので、ざっと一通り目を通してどのような内容が書かれているのか把握した後は、手元に置いておき、必要になった際に辞書的に活用するのがおすすめです。


より実践者向けでGoogleアナリティクスだけではなく、Googleデータポータル、Googleオプティマイズ、Google広告など周辺ツールとの連携でよりGoogleアナリティクスを使い込む方法がまとめてあります。また、ケーススタディーも掲載されており、より実践をイメージした活用方法が掲載されています。


Googleアナリティクスだけではなく、WEBマーケティング全般を学びたい方におすすめの一冊。自然検索・リスティング広告・メルマガ・SNSなどの項目毎に改善策がまとめられており、広告運用者/メルマガ担当者などのように単一チャネルだけを扱うのではなく、サイト全体を見ていくポジションにいる人、また自分が現在担当しているチャネル以外も含めサイト全体を俯瞰して分析できるようになりたい人におすすめの一冊です。


今後も実戦に基づく地方中小企業のリアルなEC運営に関するノウハウ等、発信していければと思いますので、もし良ければ「いいね」や「フォロー」をお願いします!(皆様の応援が励みになります!)

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